下関市の病院事業を対象にした包括外部監査の結果が31日、発表された。同事業は05年度、企業の赤字に相当する未処理欠損金が約74億円に上り、監査人は「他自治体に比べると良い方だが、三つの市立病院を独立させ自立的経営を目指すなど改革は必要」と事業の見直しを求めた。
監査は下関市の中核市移行に伴い05年度から行われている。監査人は「下関市立の中央、豊浦、豊田中央の3病院にはいずれも経営ビジョンとなる中長期目標がなく、経営改善が進んでいない」と指摘。各病院の部門別損益管理や業績評価などを行い、それを基に中長期計画と部門別経営計画の策定を求めた。
また、総務省の公立病院改革ガイドラインに沿った各病院の在り方にも言及。「独立行政法人化による独立経営などの検討が必要」とし、江島潔市長は「08年度に取り組みたい」と応じた。【取違剛】
〔下関版〕
毎日新聞 2008年4月1日 地方版