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医師の待機勤務に手当支給へ 国立病院機構

2008年04月01日18時50分

 独立行政法人・国立病院機構(本部・東京都目黒区)は4月から、全国146病院の医師や看護師らが緊急手術などに備えて当番制で自宅待機する場合、手当を支給することを決めた。医師は1回5千円。年間支給総額約10億円を見込む。医師不足問題で勤務医らの待遇が課題になっており、国立病院が自ら改善に乗り出した形だ。

 これまで「待機当番」は、各診療科の医師が順番で、夜間休日に電話が常につながるよう待機。患者の急変に応じて病院に駆けつけたり、院内にいる当直医から専門治療の相談にのったりしていた。「オンコール」と呼ばれ、無償だった。

 4月からはオンコールも勤務とみなし、当番回数に応じて医師に1回5千円、看護師、臨床検査技師らに2千円を支給する。「待機中は飲酒もできず、在宅勤務をしているようなものだと、長年、対処要望が強かった」と同機構人事課。勤務医不足が社会問題化しているのを受け、初めて実施する。

 関東地方のある機構病院の救命救急センターでは、医師にかかる電話は1回の当番中に複数回。2回当番があれば、1度は病院に駆けつける状態という。「無償では、医師個人の意識によって対応にばらつきがあった。きちんと勤務と認められることで、責任が明確になる」と同センター長は評価している。

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