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知事からのメッセージ

 
  定例記者会見
日時:平成16年7月15日 18時40分〜
場所:大分全日空ホテルオアシスタワー21階「エトワール」
司会 ただ今から、宮内庁、大分県の共同記者会見を行います。まず、宮内庁の行啓主務官からお願いします。
行啓主務官 皇太子殿下のご印象、ご感想を申し上げます。
 第40回献血運動推進全国大会が、各地から多数の参加者を迎えて開催されたことを大変うれしく思います。この大会を契機に献血に対する理解が深まり、献血への協力がさらに進むことを願っています。今日は、午前中、総合ケアセンター舞鶴清流苑を訪れ、高齢者デイサービスセンターや身体障害者デイサービスセンターなどを見学しましたが、介護予防を中心とした行き届いたサービスが行われていることが印象的でした。ことにデイサービスセンターでの県産木材(日田杉)を利用した踏み台の昇降や様々な器具を用いたトレーニングやリハビリの様子、さらに温泉を用いた水中歩行訓練の説明に興味を覚えました。
 午後に訪れた先哲史料館では、大分県の生んだ広瀬淡窓、三浦梅園、福沢諭吉などの多くの先駆者について理解を深めることができました。ことに三浦梅園については、関係した場所を訪れたこともあり、懐かしく思いました。昨日に引き続き大分の滞在を楽しんでいます。
 以上でございます。
司会 続きまして、広瀬大分県知事からお話申し上げます。
広瀬知事 本日は皇太子殿下のご臨席を賜りまして、第40回献血運動推進全国大会が盛大に開催されました。献血運動の推進に大きな前進があったものと心から光栄に思っているところです。それから午前、午後と皇太子殿下には施設をご熱心にご視察いただき、また関係者に暖かいお励ましの言葉をいただきました。本当にありがたく思っております。また、移動の沿道では大変多くの県民がお出迎えしており、殿下のご来県を心から歓迎している姿を拝見したところであります。
 本日、殿下にいくつかの施設を御視察いただきましたが、その時の若干のやりとりを報告させていただきます。
 最初の舞鶴清流苑では、高齢者デイサービスセンターでの踏み台による訓練の現場をご覧いただいた後、何人かにお声掛けしていただきました。私が拝聴できた範囲ですと「どうですか、効き目はありますか」と聞かれたり、踏み台を注意深く見ておられまして、「溝がついておりますが、やはり溝があると効き目がありますか」というようなことも聞いておられました。浴槽につきましては、水中歩行のプールにご関心を示されておられました。高齢者、身障者デイサービスセンターでは、ボディスパイダーという器具をご覧になりながら、器具を囲んで訓練を始めた時に「それぞれ皆さん、強度が違うはずなんですが大丈夫ですか」というご質問をされ、ご説明の所長さんが、「強度を変えてやることができます」と説明をされていました。「どこの筋肉に効くのですか」などの発言もあり、大変細やかにご視察いただきました。実際に訓練に来ておられる方に、「何回ぐらい来ておられますか」とか「効き目はありますか」とか声をかけておられました。盲導犬を伴った目の不自由な方には「いつから盲導犬を伴っているのですか」とか「犬を飼っていくのは大変でしょうけれども」といったご心配もされていました。貼り絵をされていた言葉の不自由な方にも「おもしろいですか」と声をかけられ、言葉の不自由な方は、文字盤を示しながら「はい」と返事をしておられました。センターを出られる時には、指導員に「頑張ってください」とお励ましの言葉をかけておられました。その後、2階の生活支援ハウスをご覧いただいた後、そこに住んでおられる方々が集まっているレクリエーションルームを訪れ、「楽しいですか」と声をかけておられました。
 舞鶴清流苑からホテルに戻られ、昼食会が行われました。坂口厚生労働大臣、日本赤十字社の藤森社長さん等とご合い席させていただきました。そこでは血液の安全性等についてお話をされておられました。また、殿下は8度目のご来県でありまして、日出町の的山荘に行かれた時のお話や、前回、日蘭交流400周年記念事業で臼杵市にこられた時のお話などもされておられました。また、立命館アジア太平洋大学について「学生はどこに住んでいるのですか」といったお話もありました。
 その後献血運動推進全国大会にご臨席いただき、次ぎに、献血ルームをご視察されました。その時には献血を行っている方にもお声をかけていただきました。元自衛隊員であった方には、「何年くらいから献血を行っておられますか」とか「自衛隊の方は献血をしてくださる方が多いのですか」といったお話をされておられました。学生の献血推進の会長をされておられる方には「献血を始めた動機はなんですか」といったお話をされておられました。
 その後、先哲史料館をご視察されましたが、史料館では、教育界の先哲たちということで、三浦梅園、帆足万里、広瀬淡窓、福沢諭吉といった先哲を中心に展示をしておりました。熱心にご視察いただきましたが、「三浦梅園の学風はどのように承継されているのですか」と質問され、説明員から「帆足万里、毛利空桑などが間接的には承継しています」とお答えしておりました。「三浦梅園の梅園塾や帆足万里の致道館や広瀬淡窓の咸宜園など大分県には塾が多いですね。どうしてでしょうか」といったご質問もありました。その後、最後に大蔵永常の展示をご覧になり、彼は農学家ですが、植物のハゼを絞ってろうそくをつくるということにご関心を示されていました。「大蔵永常は農業のいろいろな技術を本にして農業者に広めておられました」と説明員から申し上げましたら、「当時の識字率はどうだったのでしょうか」「本の値段もなかなか高かったのではないでしょうか」と話され、この時ばかりは、説明員もご説明に窮しておりました。その後、大分県出身の村山元総理の記念ギャラリーをご覧いただきまして、サウジアラビアからの民家の絵をご覧になり「このとおりの民家があるんですよね」と懐かしげにおっしゃっておられました。今日のご視察について、私が拝聴できた範囲のことを申し上げました。
司会 各社質問があれば順次お願いします。
記者 行啓主務官にお伺いしますが、先ほどの殿下のお言葉の中で、三浦梅園に関係した箇所を訪れたこともあり、とありましたが、具体的にはいつごろ、どこに行った時のことでしょうか。
行啓主務官 昭和54年の2月、三浦梅園の旧宅、安岐町にあるそうですが、そちらを訪問されたということでございます。そのため、本日三浦梅園の資料を拝見して非常に懐かしく思い出しましたとのご印象として賜ったわけでございます。
記者 知事にお伺いします。先ほどのお話の中でお昼に血液の話を坂口大臣と藤森社長となされたと言われましたが、需給や安全性の話は、殿下がご質問をされたのですか、それとも質問を受けられたのでしょうか。
広瀬知事 ご質問をされておられました。「血液の需給はどうですか」と、「最近若い人の献血が減少しているとお聞きしていますが」とご心配されておられました。「安全性についても随分研究が進んでいると聞いておりますがどうですか」ともご質問をされておられました。
記者 主務官に質問ですが、時間付けのことですが、午前中の舞鶴清流苑について2階の生活支援ハウスの予定を10分とってあったのが実際は2分程度で終了されてしまったのですが、これはどのような状況でそうなったのですか。
行啓主務官 ご案内される方が、緊張されたのだと思います。予定をしていたのですが現実にはそうなってしまったということだと思います。
記者 同じことなんですが、午後も献血ルームを25分とっていたのですが、これも10分少々で終わってしまったのですが。
行啓主務官 私もよくわかりませんが、事情があってのことと推察いたします。
広瀬知事 ただ、随分ご熱心にお声をかけていただいておりました。
行啓主務官 私の方からよろしいでしょうか。今日、殿下とお話申し上げましたときにこういったお話がありましたのでご紹介いたします。「今日は暑い沿道で送迎ありがとう。ご体調を崩さぬよう十分ご配慮してください」との、暑い中で奉迎される県民の皆さまへのご配慮をお示しでございました。関係する皆さんに連絡をとっていただければということでございました。また、先哲史料館では雷雨注意報か何か出ていたのだと思いますが、もし、奉迎されておられる方が夕立などがきたら大変困りますので、待避所といいますか対応も十分考えておいてくださいといったお話もされておられました。ご紹介したいと思います。
記者 雷雨注意報が出ていたのですか。
行啓主務官 いえ、なんとなく雲の様子などを見まして雷雨が来るのではないでしょうかということでございました。ただ一部雷雨注意報が出ているという話もご存じだったと思いますが。私はそこまでは確認いたしておりません。
記者 知事に伺いますが、大分県で献血の大会が開かれることを県民に啓発されたのでしょうか。
広瀬知事  県のPR誌等で機会ある毎ごとに周知を図ってきましたし、私も記者会見で二度ばかりこのことをお話しております。
記者 主務官にお聞きしますが、先ほどの話に近いのですが、質問というより印象なのですが、舞鶴清流苑の2階で声をかけずに素通りしていったことが印象に残っているのですが、これはこれまでの行啓でもたまにあることで、県側としては時間どおりにご休所に入ってもらおうというのがあるのだと思います。しかし殿下が来た目的というのは、そこの人たちと触れ合って、特に今回、唯一の県民の人とふれあう視察先であったわけです。それであれば、ご休所の時間を弾力的に使うべきではなかったのか、今後の行啓においてもこういったことが起きやすいと思うので、時間の使い方を東宮職の方で検討された方が良いのではないかと思いました。
行啓主務官 生活支援ハウスにつきましては、時間を予定どおりにするために短縮したわけではありません。ご案内される方が、2つのグループのうち違うグループにご案内されたため、結果的に短くなってしまったということのようです。それから、初めは高齢者のところとその後が18分とってありました。こうした福祉施設を訪問する時に高齢者デイサービスと身体障害者デイサービス、生活支援ハウスの3つがあるということは、私どもも事前に分かっておりました。私どもとしましては、施設の方に最初と最後といった大枠を示しますが、殿下にご説明いただくご視察の内容については、施設側と県にお任せしております。そして事前調査の時にそれを確認する訳ですが、清流苑の場合、事前調査の時どちらかといいますと高齢者デイサービスの方は待合室に使われると施設側から聞いておりました。また、機能訓練につきましては、本当は水中歩行の訓練をご覧いただくよう考えていたのですが、水着ということでプライバシーに関わるということで写真だけの説明になりました。そのため、高齢者デイサービスセンターの説明が短くなってしまいました。事前調査の後、施設側で内容についてもう一度検討するということで、踏み台の訓練等が行われた訳です。私どももご休所の時間も含め、全体の時間の中で対応するということでやっておりますので、ご休所の時間のためぎりぎりでお願いしているようなことはありません。全体の時間の中でバランスよく対応しようと考えています。あと、2日目の全体スケジュールを見ますと暑い中かなりタイトになっております。全日空ホテルでご昼食の後、献血大会が81分間ありまして、その後、各賞受賞者とのご接見、引き続き献血ルームと、なるべくご休所をとらずに、先哲史料館まで持っていったというようにしたり、全体の中でご休所をとるとらないを決めているわけです。今回は、たまたま最初の清流苑にご休所があるのではないかと思われたかもしれませんが、私どももスケジュールというのはぎっちりやりたいというのはありますが、事実は小説より奇なりということで、なかなか私どものイメージどおりにいかないというのが実情です。今回も先ほどの2か所のご指摘がありましたが、ご理解いただきたいと思います。
記者 先ほど舞鶴清流苑で、高齢者デイサービスセンターで着かれてから出るまで9分間だったのですが、内訳が最初の3分間が説明を聞く、その後の3分間が実演を見る、懇談時間が3分間しかないということで、時間の割合についてせっかく殿下がお見えになったのですから、入所者やデイサービスを受けられている方とお話をされて状況を知っていただくことが、地方事情視察の趣旨だと思いますが、3分の1という割合はいかがなものかという気がしますが。
行啓主務官 これも当初からどのくらいでやるかまで考えてやっておりません。説明は、どれくらいという目標はあろうかと思いますが、その後、実際機能訓練をやっておられましたが、その時間がどれくらいになるか分からないところもありました。その時の状況にもよりますので、訓練が終わった後でのご質問の時間をとっていただいたわけですが、今回は、高齢者デイサービスセンターのメインは水中歩行訓練に清流苑がおいており、本来なら時間をたくさんとるところプライバシーの問題から写真による説明にしたため比較的短くなったしまった印象になってしまいました。全体として清流苑としてどういう形で殿下にどういうご視察をしていただきたいか、清流苑側と県に事前に日程を組んでいただくことが前提になっておりまして、事前調査でそれを確認したということでございます。ただ、実際当日になってみますと思っていたようにはいかない、あくまで予定は予定になってしまうところもありましたというのが現実でございます。
記者 今後東宮職でご検討いただきたいのですが、例えば行幸啓では、実演を見ながらご説明を受けるようにして時間を短縮したりすることがありますが、その辺は県の方などは慣れていないので、東宮職の方が事前調査の時にアドバイスしてはどうかと思いました。
行啓主務官 並行してやるというのは、ご視察を効果的にする一つの方法だと思います。それと今回も殿下もご視察をされながら案内をしていただいた方ともお話を時々されていることもありますのでできるだけ、ご視察が効果的になるように目指していきたいと思っております。
記者 清流苑の絡みで、方法として例えば昇降台をしているところを見て感想を述べられるとか、機械を使っているところを見て声をかけられるだとか、質問が昇降台なら昇降台だけのことになっていた印象があって、自分が後で昇降台をやっていたおばあさんに聞いてみると、水中の方をずっとやっていて良かったとか、そんな話も出たりしたので、、
行啓主務官 少し確認させてください。身体障害者デイサービスセンターの時に殿下がそういったご発言をされたのですか。
記者 例えば事前に殿下に水中歩行訓練の概要の説明などされていれば、そのおばあさんに昇降台だけではなくて、いろいろなことが聞けるのではないかと感じたのです。触れあいという意味でいろんなオプションがあれば会話も弾むのかなというとこです。
行啓主務官 おっしゃている意味はこういうことでしょうか。清流苑でどういうことをなさっているかということを事前に殿下が把握され、それを例えばある機能訓練のところに行った時に他のところの話もなさるということですか。
記者 そうですね。今日も水中歩行訓練については、苑の方の説明のみになってしまっており、地方に来られてホームにいらっしゃる老人の方と話されるのも大事なことなのでいろいろな話ができるといいのかなと思ったのです。
行啓主務官 事前に殿下に清流苑の場合にはどういうメニューになっているかはお話しております。ただ、例えば高齢者デイサービスに伺ったときには、できればそこに絞ったご質問をなされた方が焦点が絞れるのかなとも思います。後で全体的な、フリーのディスカッションの場があればそういうのはよろしいかと思いますが、限られた時間の中で特定の場所ではやはり特定のご質問にならざるを得ないのかなと考えております。
記者 知事と行啓主務官に質問ですが、先ほどの話の中で立命館アジア太平洋大学が昨日に続きでましたが、殿下は留学生がたくさん来ている大学に興味をお持ちなのかお伺いします。もうひとつは、献血ルームの視察というのは、例年の大会でも行われているのでしょうか。あと、献血推進ということであれば、皇太子殿下が献血されるということがあれば推進には良いのかなとも考えますが。
広瀬知事 立命館アジア太平洋大学につきましては、昨日の県勢概要の際ご説明申し上げ、空港からの道すがらに御覧になったということで説明がございました。今日同じ話がでましたのは、坂口大臣がこちらにこられる時に大学を見たものですから大臣からのお話でした。それを受けまして、殿下から留学生はどこに住んでいるのでしょうねという話につながっていったわけです。
行啓主務官 献血運動推進全国大会につきましては、全体の式典がございまして、献血の重要性とそれに貢献された方の表彰、それと同時に献血の重要さを訴える式典だと思います。その後の、実際に献血をなさっている方の御視察はセットで行われております。
記者 今日式典の時に皇太子殿下のお言葉がありましたが、その中でちょうど40回目の迎えるこの式典に当たり、40年を迎えた今日では、当初目的とされていたことは達成されておりますとのお言葉がありましたが、40回目の節目という意味でおっしゃたのでしょうか。
行啓主務官 昭和39年に輸血は献血で賄うとの閣議決定がなされ、今年でちょうど40年目にあたりますので、40年たった今日は、当初の目的が実現しておりますということと同時に、昨年新しく血液製剤につきましてもこれも献血で賄いますとの法律が成立し、新しい目標に向かって進んでいくという対比の関係で申し上げたのだと思います。
司会 ほかにありませんか。ないようですので以上で記者会見を終わります。
※単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、作成しています。
[記録作成:企画振興部広報広聴課]
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