野村ホールディングス(HD)の新社長に4月1日、就任する渡部賢一副社長(55)が31日、毎日新聞のインタビューに応じた。野村HD系グループは一時国有化された足利銀行の譲渡先に決まったが、渡部氏は「地銀の合従連衡は今後、進まざるを得ない」と述べ、足利銀が再編に絡む場合も含め、地銀再編に積極的に関与していく意欲を示した。
渡部氏は足利銀の支援について、「単純な預金・貸金だけでなく、有価証券の運用など広い意味での証券業務をサポートし、足利銀の価値を高めたい」と強調。さらに「今は足利銀を再上場したいと考えているが、全国に何十行もひしめく地銀は今後、大手行と同様に、合併・統合は避けられない。足利銀がそうした流れに巻き込まれれば、投資銀行業務としてのアドバイザーにもなりたい」と述べ、足利銀と他の地銀の統合も視野に入れていることを示唆した。
一方、渡部氏は米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)問題で野村HDが巨額損失を計上したことに絡み、「我々はリスクを正しく計測する技術はかなり高いと思うが、リスクを予測する力は足りないかもしれない。情報や調査体制などあらゆるものをリスク予測型に整備することが私の大きな課題だ」と述べた。【宇田川恵】
毎日新聞 2008年4月1日 0時19分(最終更新 4月1日 0時53分)