ついに決着!?因縁のリング
叛逆の令嬢を打ちのめす女王・凛の呵責ない制裁。かつての友情の行方は!?
   3・20冬木スタジアムに熱風が吹き荒れた。FWF無差別級王者決定戦は、大方の予想通り、長らく物議を醸してきたFWF内部抗争の決着を賭けた大一番となったのだ。
  本戦について「まぁ事実上、わたくしの新団体の旗揚げ試合となる晴れ舞台ですわ」と公言してはばからないグレート・ルヴィアに対し、ダイナマイト凛は開幕宣言において舌鋒鋭く最後通牒をつきつける。「FWFのマットは後にも先にもただひとつ。文句があるならモンゴル相撲にでも転向するのね。アーチャーの上着貸してあげるから」なんだか微妙に落ち込んでいるセコンドの赤い騎士をよそに、激しいマイクパフォーマンスの応酬は、あらためて両選手の溝を決定的にするものであった。

  さらにこの大会を“キナ臭い”ものにしていたのが、招待選手としてMWEから参加するルナティック秋葉とマイティさっちんの存在だ。ルヴィア決起の背景に、型月マット界における闇のフィクサー、琥珀SANの暗躍があったと噂されている現状、FWF残留を公式にコメントしているナイト・ザ・セイバーと鉄拳サンダーバゼットの対戦相手としてMWEのファイターがリングに上がるというのは、あまりにも出来過ぎた展開といえよう。かくして、メイン以外にも注目の対戦カードが目白押しという、かつてない熱気に満ちた興業が実現した。

 そして、両陣営ともに2−2タイという緊迫した空気の中、赤き炸裂とグランブルーの対決が火蓋を切って落とされる。
  あくまで美技による花道を飾りたいルヴィアに対し、凜はオールラウンダーとしての持ち味を活かして打突メインの熾烈な攻勢を展開。大技に拘るルヴィアをじわじわと追い詰めていく。だが中盤、ルヴィア起死回生の腕ひしぎ逆十字から流れは一転。さらにジャーマンスープレックス、ツームストン・パイルドライバーと続く華麗なる王道技の応酬は『FWFの女王』を窮地に陥れる。
  だが開始25分、誰もが予期せぬ番狂わせが生じた。満身創痍の両選手がともに乾坤一擲のドロップキックを繰り出すも、そこには逃げ遅れた間桐レフェリーの姿が……

  ルヴィア反撃! 同時に客席から巻き起こるシベリウス「ラカスタヴァ」の大合唱。あらためて絶大なファン人気を印象づけた。
  レフェリーの度重なる理不尽なジャッジに業を煮やした両選手が、暗黙のうちに示し合わせた幕切れだったのではないかと勘繰るのは穿ちすぎだろうか? 真実はどうあれ、いがみ合いながらもここ一番という局面で絶妙に呼吸の合ったプレイを見せる凛とルヴィアの確執は、今後も長く尾を引きそうだ。
FWF王座決定30分一本勝負


引き分け
※レフェリー負傷により没収試合

ルヴィア
  逃げ遅れた間桐レフェリー
    前回の黒SAKURA暴走事件に引き続き、相変わらず期待を裏切らない間桐レフェリー。「こうなる予感はしてたんだ」というコメントを残して病院へと搬送された。
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