今年度から県内で医師臨床研修を受ける研修医の数が63人となることが31日、県の調べで分かった。研修医数が60人を超えたのは、現在の新臨床研修制度がスタートした2004年4月以降初めて。県外出身者が35人と全採用者数の半数を超えたことも特徴的で、県内外の研修医を広く引きつけようという研修指定病院や県の取り組みが一定の成果を示した結果となった。

 1年次の研修医の採用数は、昨年10月に公表された最終のマッチ数62人より1人増えた。
 前年の2007年度は、マッチング結果では61人が県内で研修予定だったが、医師国家試験の不合格者や留年などの辞退者が12人おり、最終的に53人に減少。一方、今年度は国家試験の不合格者が6人と前年度より少なかったことに加え、マッチング外での採用予定者も5病院で7人おり、結果として前年度より10人増で、過去最多の採用数となった。
 出身県別でみると、本県出身者の28人(44.4%)に対し、県外出身者は35人(55.6%)で、県外が県内を上回った。出身大学別でみても弘前大学が40人で全体の63.5%を占めたが、残る23人は全国各地の15大学の学生で、県外の医学生を引き付けた結果となった。
 病院別では八戸市立市民病院が前年同数の15人で最多。県立中央病院が12人、弘前大学医学部付属病院は前年度の6人から4人増やして10人となり、この3病院の採用数が2ケタ台に。一方、マッチングで希望者ゼロが続いている国立病院機構弘前病院と弘前市立病院は採用がなく、今後に課題を残している。
 県は結果について「各病院が特色あるプログラムを工夫していること、中堅どころの指導医の頑張りが効果を上げているのでは」と分析、津軽地方についても「弘前大学の人数増も、プログラム内容や指導医の熱意が伝わるようになってきたのだと思う」と評価した。