福田首相、今月末にもガソリン再値上げへ
ガソリン税など道路特定財源の暫定税率期限切れをめぐる与野党協議は3月31日も空転、1日からガソリン1リットル当たりの税金が25円下がることが決まった。福田康夫首相(71)は会見し、「政治のツケを国民に回した」として謝罪する一方、地球温暖化問題を理由にガソリン税引き下げを「時代逆行」と指摘、民主党への恨み節も述べた。政府は今月末、衆院の再議決で暫定税率を復活させる方針。野党を納得させ、国民の理解を得られるのか。福田内閣最大の正念場だ。
福田首相は、暫定税率期限切れによる地方財政や国民生活の混乱を「残念だ。与野党で解決できず、政治のつけを国民に回す結果になり心よりおわびする」と謝罪。「この状態が続けば街のガソリンスタンドで大きな混乱が懸念され、国や地方でも予算に大きな穴が生じる」として、混乱回避に全力を尽くすと述べた。
しかし、言い訳も目立った。「最後の最後までギリギリの努力を続けてきたが(野党が主導権を握る)参院では1カ月法案の審議が行われず、時間切れになった」「結論、結果が出てこないのは、私どもだけの努力では済まない」と、民主党に責任転嫁。「とりつくしまもない」「引き下げだけを主張し、人気取りに走ることは簡単だが」と、不満たらたらだった。
CO2を排出するガソリンの削減目的で、ガソリン価格の引き上げが世界の主流だとして「(引き下げは)時代逆行の動き」とまで踏み込んだ。国民の多くがガソリン値下げを受け入れる中、国のトップがおわびするちぐはぐな対応。今月末の“再混乱”を見越した面もあるかもしれない。
明言こそ避けたが、福田首相は「暫定税率の維持をお願いしたい」と述べ、税率維持を盛り込んだ税制改正法案の参院送付から60日が経過する今月29日以降、衆院で再議決する意向を表明した。野党は再議決なら一切の国会審議に応じない方針だが、自民党内では既に「参院送付から60日すぎれば間髪入れず再可決だ。気合だ」(幹部)と、強気の発言が相次ぐ。「1度下がったものを上げられるか」(閣僚経験者)と慎重論も根強いが、今のところ首相が強硬論を抑え込むような雰囲気はない。
しかし27日には、福田内閣発足後初の国政選挙、衆院山口2区補選が控える。自民党が負ければ再議決への風当たりは強まり、野党はさらに勢いづく。福田首相は、再議決の補選への影響を問われ「答えるのは難しい」。この先1カ月が、がけっぷち福田政権の今後を決めることになる。
[2008年4月1日8時35分 紙面から]
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