笠岡市民病院(同市笠岡)が厳しい経営を迫られている。常勤医師の想定外の異動や退職で1日から、小児科と外科の診療体制が縮小するためで、事業収入のダウンは必至となっている。
小児科は入院と休日・夜間対応を休止。外科は週2回(月、木曜日)行っている午後の外来と毎週金曜日午前の専門外来(肛門)を中止する。整形外科(1人体制)も1日から医師が交代する。
市民病院によると、小児科はこれまで常勤1人と非常勤3人の体制。入院や夜間対応に当たってきた常勤医が、岡山大医局人事で県外の市立病院に異動するため退職。非常勤医1人も辞めた。このため岡山大からの非常勤医を増やし、7人体制にすることで「影響を最小限にとどめた」と病院事務局は言う。
外科は常勤医4人体制だったが1人が民間病院へ転職。岡山大に派遣を要望しているが「返答がない」状態。
市民病院事業会計の2006年度決算は患者数減などで赤字。07年度は255床のベッド数を194床に減らし利用率を上げたが、常勤医に加え、看護師ら病院職員8人の早期退職などに伴う退職金8000万円の支払いが響き、決算は3000万円の純損失を見込む。08年度も診療体制縮小で「事業収入見込みを下回る可能性もある」という。