2大巨悪徹底比較!『カレー代行者』ドン・シエル×『狂い咲き国花』黒SAKURA
 メルティ・アルクとダイナマイト凛が自ら興した団体を率い、激しく火花を散らし合っていた時代。二大スーパースターそれぞれの“仇役”として絶大な存在感を放った悪の両巨頭が“カレー代行者”ドン・シエルと“狂い咲き国花”黒SAKURAである。人気投票が低迷しても、今なお現役でマットを血に染める2大巨悪。そのヒールレジェンドを徹底比較してみた。
(文:ロードエルメロイU世)
まさに狂い咲き――制裁する場所を選ばないSAKURA。「日記帳閲覧事件」は、あまりにも有名だ  

衝撃の攻略ルート! いきなり吹き荒れた二つの嵐

 シエルは2000年8月、竹箒時代のMWEの招きで初来日。当初は無名の存在だったが、まだ尻のスリムだったシエルは、パワフルかつスピーディなファイトで大暴れし、シリーズ最終戦ではメルティ・アルクのヒロイン王座に挑戦している。王者アルクにとっては、1本目に反則勝ちを拾い、2本目を第七聖典で奪われ、ようやく3本目をカレーパンで取り返す、苦しい攻防戦となった。
  狂い咲きSAKURAの初来日は2004年1月。告知1年あまり、ようやく秋葉原における興業が開始されたばかりのFWFのリングに乱入という形で、型月マット初登場を果たした。この2年前に発行された選手名鑑には、SAKURAと前名のチェリーボムさくらが二重に紹介されている。つまり、どちらの名も一応は知れていたとはいえ、同一人物であることが見過ごされる程度だったということだ。
  シリーズ終盤戦のヘブンズフィール大会でSAKURAは凛と初の一騎打ち。SAKURAの狂乱ファイトに凛が暴走を誘われ、1−1から3本目に反則負けを喫している。

恵みの血をマットに降らす完全無欠の悪役スター

  以後現在に至るまで、シエルはMWEの、SAKURAはFWFのトップヒールに君臨し、型月に血の雨を降らせたことは周知の通り。両雄の全盛期には、正義のヒロインが凶悪なヒールを倒す単純明快な勧善懲悪のドラマがヴィジュアルノベルに求められ、「流血」「痴話喧嘩」が必要不可欠だった時代。シエルとSAKURAは完全無欠のネタキャラとして観客の生温かい笑いを誘い、他方プロモーターに利益をもたらす、両団体にとって手放せない“ドル箱”であった。
  何かにつけて比較されることが多かったシエルとSAKURAだが、両雄が型月マットに刻んだ血の痕跡を辿れば、おのずと相違点が浮かび上がる。ここで別掲の対照表(徹底比較! カレー代行者vs狂い咲き国花)を参照されたい。

続く

 
全盛期を過ぎてなお、その残虐性にいささかの衰えも見せないシエル。
ななこ選手とのコンビネーションは、凶器攻撃とは見なされない。
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