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中国製ギョーザ:基準値の6万倍のメタミドホス検出 千葉

売り場から撤去された中国製ギョーザ=北九州市で2008年1月30日、上入来尚撮影
売り場から撤去された中国製ギョーザ=北九州市で2008年1月30日、上入来尚撮影

 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、千葉県警捜査1課は31日、千葉市稲毛区の母子が食べて中毒症状を起こしたギョーザと同じ袋に入っていた未調理のギョーザから、最高で基準値の6万4300倍の有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。5人が中毒症状を起こした同県市川市のギョーザの約6倍の濃度で、国内の成分分析では最高値。1課は「残留農薬のレベルではない」とし、意図的な混入の可能性が更に高まったとみている。

 未調理3個と、母子が吐き出した1個を分析した結果分かった。未調理ギョーザは皮1グラムから1490~1万7680ppm、具1グラムから410~1万9290ppm、吐き出したギョーザは皮1グラムから1470ppm、具1グラムから1240ppmをそれぞれ検出した。4個のうち3個で皮の方の濃度が高いことから、1課は成形から袋詰めの間に混入されたとみている。

 国が導入した原料野菜の残留メタミドホスの基準値は、ニラ0.3ppm、キャベツ1.0ppmで、皮は4966~5万8933倍、具は1366~6万4300倍に相当する。ギョーザ1個(14グラム)当たり最大で263.62ミリグラムが混入していた計算で、女児は2個、母親は5個食べると致死量に達した可能性があるという。

 母子は07年12月28日に「CO・OP手作り餃子(ギョーザ)」(07年10月20日製造)を食べ、女児が軽症、母親がめまいなどを訴え、1日入院した。【斎藤有香】

 ▽昭和大学薬学部の吉田武美教授(毒物学)の話 ギョーザ1個で中毒状態になる含有量だ。何らかの格好で外から混入した可能性が高い。動物実験で半数が死ぬメタミドホスの「50%致死量」は体重1キロのラットで20ミリグラム弱。これを基準とすると、体重50キロの場合1000ミリグラム、20キロの場合400ミリグラムが50%致死量になる。

毎日新聞 2008年3月31日 20時51分(最終更新 3月31日 21時59分)

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