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2.使用方法
2.3 マイクロメータ
特徴としてはノギスと違い最小目盛り0.01で確実に読みとる事が出来ます。
1)種類
ア.主な種類
こちらを参照下さい。
イ.以外のマイクロメータ
・ディプスマイクロメータ
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深さを測定します。
・リミットマイクロメータ
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名前の通り通と止めが一度に測定出来るもので調整可能なはさみゲージと言えるかと思います。
・歯厚マイクロメータ
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歯車のまたぎ歯厚や標準の外測では測定出来ない段差の少ない凸部の測定に便利です。
・ネジマイクロメータ
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雄ねじの有効径を計るマイクロメータでスピンドルの測定子は円錐状になっています。アンビルの取り替えが出来るのもあります。
・スプラインマイクロメータ
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スプライン軸を計れるようにアンビルとスピンドルが細くなっています。
・管厚用マイクロメータ
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アンビルが球状になっており管の内厚測定に便利です。
・ブレードマイクロメータ
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アンビルとスピンドルが細長くなっているので細溝の測定便利です。
・カウント式マイクロメータ
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カウント式で表示される為マイクロメータで犯しがちな0.5ミリの読み間違いや視差による誤読が有りません。
2) マイクロメータの各部の名称
ア.外測の場合例
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※分解した状態
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イ.キャリパ型内測マイクロメータの場合例
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3)メモリの読み方例
ア.外測マイクロメータの場合
マイクロメータのシンブルとスピンドルは一体で回転するようになっており1回転0.5ミリ正確に動きます。シンブルの外周には50等分した目盛りが刻まれており最小単位1目盛り0.01ミリになっています。
スリーブとシンブルの目盛りは下図のようになっており下図の場合の読み取り値は12.430ミリとなります。
※下図の場合は12.930ミリとなります。
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上図の場合スリーブの0.5ミリの目盛りが見えているのでシンブルの目盛りに0.5たして測定値にします。
イ.キャリパ型内測及びデップスマイクロメータの場合
これらの場合は外側マイクロメータと違いスリーブ及びシンブルに刻まれる目盛りは逆向きになっており下図の場合は7.920ミリとなります。
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※下図の場合は7.420ミリになります。
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ウ.目盛り線が合わない場合の読み取り方
下図のような場合千分台はだいたいしか分かりませので目測でおおよその値を読取ります。
例 12.925ミリ
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4)測定の仕方
基本的にはノギスと変わりませんが最小読み取り単位0.01ミリという事もあり測定時間があまり長引くと体温がマイクロメータに伝わり熱膨張して実際の寸法と異なる場合がありますので十分注意してください。
ア.外側マイクロメータ
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※実際測定する場合は、切粉又は粉塵が製品と測定面の間に入っている場合があるので、製品を挟んだら少しずらすようにして滑らせて、異物が無い事を確認してラチェットを回して方が宜しいかと思います。
実際の測定作業(厚み1.2ミリ)
被測定物に測定面を合わせるときは、シンプルをゆっくり回しますが、測定面に傾きがあると正しい値はでません。接触させる時は前後上下に揺さぶるようにし、安定する姿勢を見つけます。1回では信頼性が低いので、複数回行い同じ値になる事の確認をするのが望まれます。
測定結果
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測定値は13.996ミリになります。
イ.以外のマイクロメータ
基本的にはノギスと同じと考えて宜しいか思いますが読み取り精度がノギスの数倍高いのでなるべく測定時間を短くして熱による誤差を少なくしましょう。
ウ、ラチェット使用時の精度
だいぶ使っている内径測定用3点マイクロメータ(φ10〜12)で、ラチェットを2まわして測定した場合、どの程度のバラつキが出るか、0.001読み取れるマイクロメータで試してみました。
測定面にしっくり確実にあててからラチェットを回したのですが、最大3μm大きくなったのもありました。
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ラチェットの回す回数ですが、メーカによって1〜2回転、または2回転といように違いがあり、特に決まりがないようです。経験から精密に測定した場合は、測定面にガタ無くしっかり当ててから、ラチェットのカチカチ音が2回ほど音がする程度で(回さない)止めた方が安定すると思います。
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