DVDメディア講座
1 | DVD-ROM と DVD-Video |
2 | 記録型DVDの種類 |
3 | Video記録とVR記録 |
4 | CPRMとは・・・ |
1 | DVD-ROM と DVD-Video |
DVDが映像の録画メディアとして持てはやされていますが、このDVD、何の略だかわかりますか? Digital Video Disc・・・そうですね、当初はそのような方向で開発されていました。しかし音楽用のCDにPCのデータを記録するCD-ROMがあることを考えると、DVDをビデオ製品だけに使うのはもったいない、というわけで、途中からDigital Versatile Disc(多目的ディスク)の略となり、PCのデータ用としても使えるように機能が拡張されました。そこでビデオ機器で使うものをDVD-Video(DVDビデオ)、PCで使うものをDVD-ROMと呼ぶようになったのです。というわけでディスクのサイズや構造という物理的な面は、DVD-ROMもDVD-Videoも同じです。ではどこが違うのでしょうか。 その違いは、ファイル構造にあります。DVD-ROMのファイル構造は基本的にHDDと同じで自由です。それに対してDVD-Videoでは、ディスク内にVIDEO_TSとAUDIO_TSというフォルダをつくり、映像は音声と合わせて9.8Mbps以内のビットレートに押さえたMPEG2圧縮を掛け、VOBファイルにしてVIDEO_TSフォルダに収納する仕組みとなります。また頭だし用のチャプターポイントやメニューデータを記録したIFOファイルも同時に収録されます。 DVDプレーヤーはディスクがセットされると、まずこのIFOファイルを読み込み、その情報に従って映像の実データが記録されたVOBファイルを再生するのです。つまりDVD-Videoは、DVD-ROMのうち特殊なファイル構造をもつディスクといえましょう。
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2 | 記録型DVDの種類 |
DVD-ROMにしろDVD-Videoにしろ、本来は工場でガラスの型を使い、同じものを大量生産するものです。 ところが1枚から作成できる記録型DVDが登場したために、事態が複雑になりました。そして開発メーカーの思惑が重なり、DVD-R/DVD+R/DVD-RW/DVD+RW/DVD-RAMという5種類のディスクが規格化されてしまったのです。 各ディスクの仕様は表にまとめておきますが、使い勝手の面から大雑把に種類を分けると次のようになります。
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3 | Video記録とVR記録 |
DVDカメラやレコーダーを使う場合に知っておきたいことがあります。それは記録方式にVideo記録とVR記録の2つの方法があるということです。 先ほどDVD-Videoは特殊なファイル構造を持つDVD-ROMで、工場でプレス生産する旨を説明しました。一方でDVD-Rに記録した映像は、本来プレス生産したディスクを再生するDVDプレーヤーで、なぜか再生可能です。これはDVDレコーダーが、DVD-Rを使って記録する際に、DVD-Videoと同じファイル形式で記録していることによります。DVDプレーヤーはDVD-Video形式で記録されたDVD-Rを、プレス版のDVD-Videoと勘違いして再生するのです。 ところでDVD-Videoのファイル形式は、映画のタイトルに代表されるように、元々記録するものが決まっているときに有利な形式。 いつ、何を、どのくらい記録するか、事前に予測できないリアルタイムの記録には向かない形式でもあります。そこで、DVDをレコーダーで使うときに便利なVR形式というものが制定され、DVD-RWやDVD-RAMなどで使われているのです。VR形式の特徴は、一旦記録した後で要らない部分を消去したり、簡単な再生リストを作って保存できる点です。DVD-Videoではなくなってしまうため、プレーヤーとの再生互換が悪くなりますが、DVDレコーダーであれば、メーカーを問わず再生できます。 このようにDVDを考えるときは、物理的なディスクの種類と、データ上のファイル構造という2次元的な見方をしなくてはならず、複雑さが増してしまうのです。 |
4 | CPRMとは・・・ |
ここまでくると、頭の中がこんがらがってきましたね。それなのに、CPRMという規格に対応したディスクや機器と、そうでないものとがあるから「もう勘弁して」となってしまいます。 デジタル放送が普及するにつれ、放送コンテンツの著作権保護という部分に目が向けられるようになってきました。現在行われているアナログ放送に関しては、番組をレコーダーで録画するほか、チューナー付きPCでも視聴と録画が自由に行えます。ところが今後主流となるデジタル放送に関しては、視聴のみに制限できない場合は、PCでは録画させない方針。そしてレコーダーによる録画に関しても、1回のみ可能(つまりダビングはNG)で、そのためのコピー防止信号が入れられています。 ここで一つの問題が生じました。それはDVD-Rや-RWを使うVideo形式の記録では、規格上コピー防止信号を記録できません。裏を返せば、一旦番組を録画したメディアができてしまうと、無限にダビングできてしまうのです。そのためデジタル放送は、DVD-R(-RW)に録画させてはならない、という方針が打ち出されました。しかし一方でDVD-Rによる留守録というスタイルは一般化しており、このままではアナログ放送がなくなる2011年以降、事実上留守録のできない世の中になってしまいます。 そこで考えられたのが、CPRMという仕組み。映像を暗号化して記録して記録するため、ダビングしても再生できなくなるのです。ただし規格が固まっているDVD-Video記録ではこれを実現できず、DVD-VR記録の拡張機能として規格化されました。そのためデジタル放送のDVD録画は、VR記録時のみ可能で、そのためにはCPRM方式に対応したデッキとDVDメディアの2つが必要となるのです。 また、これにともない、従来はDVD-Video記録しかサポートしていなかったDVD-Rメディアについても、DVD-VR記録がサポートされるようになりました。現在「ビデオ用」の表示があるメディアに関しては、多くのものがCPRM機能に対応しているようです。しかしすでに購入してしまったDVDレコーダーでCPRM機能に対応していないものに関しては、残念ながら、2011年以降はDVD録画ができなくなってしまいます。中古品を購入するような場合にも、CPRMに対応しているかどうかをしっかりと確認しましょう。 |
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