本朝徒然噺
着物・古典芸能・京都・東京下町・タイガース好きの雑話 ※当ブログに掲載の記事や写真の無断転載はご遠慮ください。

「文化の日」の11月3日、東京・浅草で「東京時代まつり」が行われました。「ときめきたいとうフェスタ」という、東京都台東区主催の様々なイベントの一貫として毎年一度開催され、今年で17回目を数えます。

昨年も見たのですが、結構おもしろかったので今年も行ってみました。
仕事で徹夜明けだったのでどうしようかと思ったのですが、妹夫婦とも約束していたし、結構見たかったので、1時間ほど仮眠をとってから気合いで出かけました。遊びの時には気合いの入り方がちがいます(笑)。

東京時代まつりの開催に先立ち、浅草寺では「白鷺の舞」の奉納が行われます。
それも見ようと思っていたのですが、ギリギリに着いたら人だかりができていて近くでは見られなかったので、浅草寺の本堂前の石段を上がって遠巻きに見ていました。先に着いて前のほうにいた妹が撮影してくれたビデオを見られたので、よかったです。

白鷺の舞を見た後、昼食をとるために浅草寺の裏へ向かいました。浅草寺北側の一画は浅草の花柳界になっており、今でも芸者さんがたくさんいて、「草津亭」「婦志多」「瓢庵」「一直」などの老舗料亭が軒を連ねています。料亭にはもちろん予約がないと入れませんが、周囲には、予約なしで入れる小さなお店が点在しています。

途中、東京浅草組合(浅草見番)の前を通ったら、芸者さんが何人もいました。東京時代まつりに浅草芸者のみなさんも参加されるので、その仕度だったようです。
芸者さんを間近で見ていきなり目の保養ができた後、行きつけの釜めし屋さんでお昼を食べました。

妹夫婦と久々に会って話に花を咲かせているうちに、東京時代まつりが始まるころになったので、行列が通る「馬道通り」へ向かいました。
馬道通りは、浅草寺の東側を南北に走る通りです。時代まつりの行列は、浅草寺の東側にある「二天門」を出て馬道通りを南に進み、雷門通りを西に進んでゴールとなります。
距離は長くありませんが、馬道通りの両脇には長いシートがひかれ、座って観覧できるようになっています。浅草寺の本堂裏側には、有料観覧席も設けられていました。
沿道にはたくさんの人が出ていました。

馬道通りの観覧シートに座って待機していると、行列の先ぶれである屋台囃子がやってきました。

屋台囃子

その後少し経ってから、いよいよ行列がやってきました。
最初は「東京時代祭」の旗です。旗の周りには「手古舞」姿の女性もいます。

東京時代祭本旗


京都の時代祭は、明治維新から順に時代をさかのぼっていきますが、東京時代まつりはその逆で、古い時代から順に下がっていきます。題材も、江戸に関連する人物や風俗を集めています。


浅草観音示現
↑浅草観音示現
その昔、隅田川で漁をしていた檜前浜成・竹成の兄弟が、黄金の観音像を見つけます。土地の豪族・土師真仲知は、この観音像を安置するために寺を建てました。これが浅草寺の起源と言われています。


金龍の舞
↑金龍の舞
観音像がまつられて3日後に天から金の竜が舞い降りた、という伝説をもとにうまれた古くからの舞です。沿道の人々の頭の上に竜が降りてきて、厄をはらってくれます。ちなみに、浅草寺の正式な名称は「金龍山浅草寺(きんりゅうざん せんそうじ)」と言います。


金龍の舞のお囃子
↑金龍の舞のお囃子
浅草の芸者さんたちがつとめています。


在原業平の東下り
↑在原業平の東下り
在原業平が京の都を離れ東国に下った際、川辺の水鳥を見て「名にしをはば いざこと問はん都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」という歌を詠みました。その様子を表しています。


源頼朝の隅田川陣営 江戸重嗣
↑源頼朝の隅田川陣営
源頼朝は挙兵にあたり、豪族たちと共に浅草寺に参詣して戦勝を祈願したと伝えられているそうです。江戸重嗣は、12世紀にこの土地にいた豪族です。


北条政子の浅草寺参詣
↑北条政子の浅草寺参詣
源頼朝の妻・北条政子は、承久3(1221)年にお供を連れて浅草寺に参詣したと言われているそうです。北条政子は「尼将軍」と言われ、「強い女性」のイメージが強いですが、この行列の政子さんはとてもにこやかで、親しみをもてる感じでした。北条政子のイメージチェンジに一役買っているかも!?


三社祭 船渡御
↑三社祭 船渡御
浅草といえば三社祭。江戸時代末期までは、三社祭の時、お神輿を船に乗せる「船祭」が行われていたそうです。その様子を模しています。ここで乗せられているお神輿は、浅草神社の宮神輿ではなく、浅草神社氏子町内のお神輿です。


白鷺の舞 びんざさら舞
↑白鷺の舞、びんざさら舞
今でも三社祭の時に必ず奉納される「白鷺の舞」と「びんざさら舞」です。

<→東京時代まつり(2)に続く>




   |  東京下町   |   2005年11月03日  | comment ( 2 )  |  Trackback ( 0 )   

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コメント
 
 
 
知りませんでした (kazura)
2005-11-25 11:14:34
こんな催しがあったとは、知りませんでした。17回ですか、結構歴史があるんですね。
京都で時代祭を見たことがありますが、衣装などは東京の方が変化が激しくて面白いかもしれませんね。
 
 
 
そうなんですよ〜 (maikoplasma)
2005-11-26 00:56:28
kazuraさま、コメントありがとうございます!

台東区は結構いろんなイベントをやっているわりに、観光協会があまり宣伝していなくて、ほとんど知られてないんですよね(^^; 

私も、浅草にはしゅっちゅう行っていたにもかかわらず、このおまつりのことを知ったのは今から数年前、見に行ったのは昨年が初めてです(^^;
もっとうまく宣伝すればもっとたくさんの人が来てくれそうなのにもったいないなあ……と思います。

京都の時代祭に比べると、行列の距離もずっと短くてこぢんまりしていますが、なかなかよくまとまっていて面白かったです(^^)
 
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