2008-03-14
当たり前すぎて会社では教えてくれないフレッシュマンの作法
|これから社会に飛び立つ皆さん、おめでとうございます。
新社会人として、ビジネスマンとなられる皆さんに、会社では特に言われないけれど大切だと思うことを4つ、挙げてみました。
すげー当たり前のことなんですが、ちゃんとやっておかないとまずいことになるので、参考にしていただければと思います(僕が後輩に伝えたいことなんですけれどね)。
どんな「マッチョ」だろうが「ウィンプ」だろうが、必ずやるべきことなので、一読ください。
以下、重要だと思われる順に並べました。
1.遅刻はしない
これは、出来る人は簡単だけれど、出来ない人はとことん出来ないことです。特に、学生生活が夜型の人は、朝起きれない。
でもがんばる。3ヶ月がんばる。そうすると体が慣れる。頭で考えなくても、朝起きて、自動的に体が動く。がんばれ!
5分でも遅刻すると、すごく「態度が悪い」と見られる。すごくつまらない。たかが遅刻なのに。たかが遅刻だから、しない方が良い。
眠いのはわかる。すごくわかる。僕も遅刻をした。何度もした。その反省から、若い人には遅刻をして欲しくない。遅刻は、つまらないことなんです。
起きれない人は、目覚まし時計を3つ買って、10分ごとに鳴らすようにしましょう。イヤでも起きます。
というか、始業30分前には行く。出来れば1時間前に行く。ギリギリまで寝ていたい気持ちはわかる。でも、余裕を持って行く。これ大事。
行って何をするか?
今日する仕事の確認。届いたメール、ファックスの確認と、今日の予定をチェックして、その準備をする。あっという間に30分など過ぎます。
1時間前に行けば、人気のないオフィスで落ち着いて作業が出来ます。朝だから、すがすがしい気分で仕事が出来る。いいね。
そして、始業と同時に仕事を開始できるので、非常に効率よく午前中を過ごせます。
「新入社員だから、行ってみないとやることがわからないよ」という方へ。
机を拭いたり、お茶の準備をしたり、お湯を沸かしておいたり。オフィスの環境作りですね。
自分も気持ちよく仕事に入れますし、そんな姿を先輩や上司が見るだけで、結構ポイント高いですよ。
付記:
「サビ残やらせといて、朝早く来いもねーよな」と、3ヶ月経ったあなたは思うでしょう。
そこからが正念場です。
やはり基本的に、「遅刻」は避けたいところです。
体が追いついていかない、わかります。
試練だと思います。かなり絶望的な意味での。
根本的には、効率よく仕事をしてサビ残を減らしていく以外にありません。
しかし、難しい。
上司の認識が最も重要なのですが、サビ残を黙認しているのはたいていダメ上司です。
自衛のため、有給を適度に使いましょう。半休を取るとか。
タイムカードは必ずつけて、自分の行動を記録しておきましょう。後で労基署に訴えるときに決め手になります。
ただ、朝の1時間は夜の2時間以上の効率で仕事が出来ますから、やはり朝早出は、残業を短くする一つの手段ではあるのです。
2.電話を取ろう
オフィスでは頻繁に電話がかかってきます。
新入社員のあなたは、右も左もわかりません。出たところで、きっと話の中身はわからないでしょう。知らない人からの電話に、とまどうことでしょう。
それでも電話は取るべき。新入社員の仕事は、電話を取ることと言っても過言ではない。がんばって取ろう。
電話を取るメリットはたくさん。
- 現場で何が起きているのか知ることが出来る。自分の担当部署以外の仕事も知ることが出来る。
- お客様と直接お話が出来る。苦情処理ならなおさら、お客様と信頼関係を築く話し方を、実地で学ぶことが出来る。
- 営業所の方と直接話が出来、声と名前を覚えてもらえる。応援団になってもらえる。
- 話し方の練習が実地で出来る。
- 仕事をすごくこなしているように見える。
電話はコール3回以内、出来れば1回鳴ったところで取りましょう。積極的に取りに行く。重要です。
とはいえ、「右も左もわからないのに電話なんかとれないよ。返って迷惑になってしまうよ」と言われるかも知れません。
そこで、メモ。
必ず、メモを手元に置いて、電話の応対をする。
メモの内容は、
月 日 時 分
○○ 様から ××さんへ
「先日受注した□□はいつ届きますか?日時を教えてください」とのこと。
担当者より連絡すると伝える。折り返し電話をしてください。
(署名)reponより
という感じです。上記項目、全部必要です。
4w(who,when,where,what)ですね。署名をすることで、相手も誰が電話を取ったのかわかります。
また、日時を書いておけばメモが後で「発見」されたときに、いつのメモかわからなくなることも防ぎます。
事前にフォーマットを作っておいて、それに書き込むのが良いかもしれません(僕はノートタイプの付箋紙に書き込んで渡していました)。
内容が曖昧でも、「誰から」「誰に」「いつ」電話があったのか伝われば、取りこぼすことはありません。
そのうち、仕事の内容がわかってくるにつれて、内容もわかってきます。
重要なことは、担当者へと電話があったことがきちんと伝わることです。
もちろん、間違いなく答えられる事柄なら答えても良いですが、新入社員が仕事の内容に詳しいとは思えないので、最初は上記の項目を正確に聞き取ることをがんばってみてください。
たぶんあなたは、電話を取っても全く答えられないでしょう。すぐに、先輩や上司に電話を取り次ぐことになるでしょう。
でも、それで良いのです。
取り次ぐことも練習です。
その場合でも、上記のメモは必ず作ってください。聞き取りづらかったら、相手に「○○様ですね」「××への電話ですね」と確認し、「少々お待ちください」と取り次ぎましょう。
この、「メモを取る」という作業も、慣れが必要です。電話を取ることで、メモを取る練習にもなります。
仕事をする上では、なるたけ「記憶」は信用しない方が良いです。
記憶するより、手を動かす。口頭で伝えるのではなく、メモを渡す。
これだけで、仕事上の間違い、重複、すれ違いが減り、効率的になります。
3.メモを取る(ノートを取る)
なぜメモを取るのか。
- 記憶は頼りにならない
- メモを取ることで、脳を「考えること」に使える
- 記憶は共有できないが、メモは共有できる。メモを書くことは、他人と情報を共有することになる。
などです。メモを取ることは、一手間かかるようで、実は非常に効率的なのです。
具体的な例を挙げましょう。
会議では
会議では、「何が決まったか」「何をしなくてはいけないのか」などを必ずメモします。
新入社員が記憶で何とかなるなどと思ってはいけません。
とにかく、全て書き出すこと。
これが、面倒に思えても仕事をやり遂げる近道なのです。
記憶が曖昧になって、ミスをしてそれをフォローすれば、無駄に時間を使うことになります。
周囲の心証も悪くなりますし、お客様の信用も失うことになります。
書いて書いて書きまくりましょう。
日常では
やりとりは出来るだけ口頭ではなくメモをやりとりしましょう。
重要なことほど、口頭はダメです。
メモを作ることは、自分の考えを整理することにもなります。
電話のやりとりが多い職場でも、お金に絡む重要な事柄(受注発注など)は、当然口頭は避け、口頭で伝えたとしても確認のメールやファックスを送る。これ一つで、すれ違いが無くなります。
業務日誌もつける
今日やったことも、ノートに記録しておきましょう。
仕事には「サイクル」があります。
1サイクルが週か月か年かは仕事によって変わりますが、1サイクル終わったときに見直すと、それが自分への、次の仕事の指示メモになります。
また、あとでミスが発覚したときに、自分のミスなのかどうか、またどこでミスをしたのかもわかります。
お金が絡んでくると結構深刻な問題になるので、そういうときに自分の身に覚えがないのにミスを責められると、意欲は減退し、次に何をして良いのかもわからなくなります。
どんどん自信が無くなり、さらにミスが起きる、という負のスパイラルに陥ってしまいます。
最初はわからないかも知れませんが、とにかく今日何をやったのか、今何をしているのか、ノートを1冊確保して、そこに書き込んでください。
4.財形はやっとけ
財形貯蓄、と言うものがあります。企業によって名前が違ったり、無いところもありますが、要するに「天引き貯金」です。
はっきり言います。あなたはもらった給料は使い切ります。必ず使い切ります。そういうものなんです。あったら使ってしまうんです。
「天引き貯金」をしておくと、その貯金が差し引かれた給料でやりくりしますから、貯金は貯まっていきます。
この「天引き」というのは、実に偉大です。引き出すのに一手間かかるという、それだけのことで人は貯金に手をつけずに済みます。
財形貯蓄は、90年代初めくらいまでは高利回りでした。今は低金利時代なので、利回りのメリットは、今はほとんどありません。メリットは唯一、「天引きである」ということだけですが、若い皆さんはほぼ確実にもらった給料は使い切るので、財形貯蓄を申し込んでおくことを勧めます。
給料担当の方に一声掛ければ、書類をもらえます。
月1〜2万円だけでもいいです。ボーナスは5万円以上がんばってみましょう。
月2万、ボーナス5万だと、年34万円貯まります。3年で100万円です。
100万円自由に動かせるお金があれば、かなり行動に自由がききます。
「とか言っているお前はグダグダ言って会社に居座っているじゃん」と言われると面目ないのですが、それでも、カネで解決できることはカネで解決してしまうのが一番なのです。
後できっと貯金はあなたを支えてくれます。天引き貯金は強くお勧めします。
上記4点、簡単なことなので、心にとめて、行動してみてください。どんな仕事にも通じるスキルアップ術だと思います。
この4点をやっていると、まるで仕事をがんばっているように見えます。
以前も書いたとおり(召還していないのにマッチョマンから応答が届いたので、せっかくだから質問します)、新入社員なんて仕事が出来なくて当たり前なんですよ。
なのに、上記4点を実践するだけで、まるで有能な社員のように振る舞え、かつお金が貯まる。いいじゃないですか。
その他、「挨拶はしよう」とか「人の顔と名前を覚える」とか「一人で悩まない」とか「仕事中寝ない」とか、そういったことはありますが、これは学校で学んできていると思います。
がんばれ、フレッシュマン!
プラス1
あと、からだとこころの健康には気をつけましょう。若いからと言ってムリは禁物です。
こころの健康については、ちょっとでも不調を感じたらメンタルクリニックに行きましょう(参考:メンタルクリニックに行こう!)。
メンタルクリニックは、今や敷居の低い存在です。
みなさん、プログラムのちょっとしたバグはこまめに取り除くのに、心や体のバグは放っておくことが多いのです。同じように、こまめに管理してあげれば、治療も短期間で済みます。
不治の病ではないのですから、体調不良になったら早期発見早期治療することで、病の回復も早くなります。
風邪をひいたらクリニックへ、こころの風邪をひいたらメンタルクリニックへ。気軽に行きましょう。
今日、遅刻したんですけど。朝から嫌な感じになってしまいました。
がんばっても遅刻してしまうときはありますよね。「イヤな感じ」を感じられているなら、大丈夫だと思います。次は遅刻しないように、ファイト、オーなのですよ!
ほんと、僕もこれに気づいたのは、散々怒鳴られた後でした。上司がやる「教育」ってのはあまり実践の役に立ちませんね。
これらは、どちらかというと、「降りかかる火の粉を払う」作法である気がします。
簡単な内容の事柄であれば、先輩や上司から答えを教えてもらうことができ、私の口から先方へ答えていました。
おかげで先方から名前を覚えてもらった上に、信頼も得ることができました。
職場の先輩や上司には、今でも凄く感謝しています。
あと、貯金重要。借金危険。
「自分への投資」も必要なので、全額貯蓄するというのは考え物です。が、貯金があったほうが自由度が増して人生の重要な局面で余裕をもった対応ができます。借金はその逆で自由度を減らすだけなので、ろくなことにはなりませんでした。
良い職場ですね。そうなんですよね、先方に名前を覚えてもらえるってすごく大きなことなんですよ。
それと、yachimonさんに、先輩や上司からの指示を受け入れるだけの力があったことが大きいと思います。僕もたぶん言われていたと思うんですが、きちんと認識できないまま、まわりが見放していったみたいです。
貯金は重要なんですよね。「自分への投資」が明確になっていれば、それに投資するのもいいと思います。1年くらい経てば、それも見えてくるし、1年経てば雇用保険の「教育訓練給付制度」が利用できるようになるので、そこでスクールなどに通うのも良いですね。当面目標がなければ、貯金しておくのが後々役に立ちますね。
借金は重荷になりますよね、その金額以上に。
昨年夏から、新卒の派遣社員がうちの会社に来ましたが、この3末で契約終了が決まっています。
仕事がいまいち出来ないのは仕方ないとして、いくら注意しても遅刻が治らなかった。ひどいときは週一のペースで遅刻していたと思います。
正社員ならすぐに解雇なんてことはありませんが、派遣なので「使えないうえに勤務態度が悪いなら切ってしまおう」と、上司が決定してしまいました。
そう、遅刻=勤務態度が悪い、なんです。
社会人1年、仕事ができないのなんて当たり前だから、遅刻が改まれば契約は継続したと思う。
今にして思えば毎回もっと、怒鳴るくらい叱ってやればよかったかもしれません。
次の派遣先でも苦労するだろうな・・・
そうなんですよ、結局勤務態度を見るんですよね。
遅刻は、本人が思った以上に周囲にイヤな印象を与えている場合があって、必要以上にひどい目に遭ってしまうことがありますよね。
自分の身を守るために、遅刻をしないのが大切だと思います。
社風が遅刻しても大丈夫な社風だとわかった段階で自由にすれば良くて、ディフェンスが弱い新卒のうちはとにかく自分の身を守ることに専念するのがいいと思うんですよね。
僕も、去っていった後輩に、「もっとちゃんと言えば良かった」と思うことがあります……
「当たり前」なことなのに、改めて考え直すことができて非常にスッキリしました。
もう、フレッシュマンとは呼ばれない自分ですが背筋を正された思いです。
今の自分の周りの諸先輩方の中には、この「当たり前」ができない人がたくさん居て困っています。
そして、「当たり前」のことが会社で教えてもらえないどころか、会社として律してもくれず、挙句は乱れていく一方なのです。
ビジネスマンであれば、「当たり前」のことができないというのは、本当にダメなことなんだと自覚してもらいたいです・・・
右も左も解らないフレッシュマンが、言われ無き攻撃に晒されないよう、ディフェンスの作法として書いてみました。
やたらと遅刻や欠勤が多い会社は、ちょっとまずいですよね……僕自身は、同僚や後輩が遅刻するのはどうとでもよくって、まわりが騒ぐのでちょこっと注意してあげる、という感じです。
残業残業でこき使われて遅刻するなと言われ、作業に集中しているのに電話を取れと言われ、不条理に感じると思いますが、まだ状況がつかめないうちは自分の身を守ることが最優先だと思います。
先輩が遅刻しまくり、電話も取らないと、後輩も同じようにしますよね。困ったものですね。
遅刻をしない、電話を取る、メモを取る、どれも皆大切な事だと思います。何年かたった後でも初心に返って行いたいことです。
一つだけ意見を述べさせて頂くと、メンタルヘルスの項でメンタルクリニックへ行くことを勧められていますが、行く前には生命保険や入院保険に入っておいた方が良いかと。
これは結構重要だと思います。
気軽に心療内科へ行ったら、保険に入れなくなったなんてことが多そうなので。。。
そうですね。若い人は、生命保険はともかく、入院保険は必ず入っておいた方が良いですね。言われるとおり、審査が通らなくなることもあるので。
出来れば傷害も含めた保険が良いですね。僕はバイクで事故って1日通院しただけで1万円出ました。
そうですね。コール1回がちょうど良い塩梅かも知れませんね。僕もコール1回置いてから取っています。
何時の時代の話だ。
遅刻は極めて悪い、絶対に悪い、時には会社生命を絶つかも知れない。なんの言訳も出来ない。自己責任である。
で、喫煙は悪い。絶対悪い。時には自分の生命を絶つことになるかも知れない。何の言訳もできない。全て自己責任である。
というような類の問題で、即ちいわゆる自分の人生をどー生きようと、それはそれで一つの人生ではあります。でも厳しい結果は自分で引き受けなければならないよ。
僕のこのエントリ全てに対して、「今時こんな人間はいない。いつの話だ?どこのブラックの話だ?」と反応されるのはアリだと思います。
僕は、最低限の作法を掲げてみたのであって、どこの職場でもこれをすればよいとか、これをしないとダメとか、そういうことをいっているわけではありません。遅刻しても大丈夫な職場なら遅刻すればいいし、電話が鳴らない職場なら電話を取らなければいい。けれど、それが分かるまでの間、自分をディフェンスしなければならない。そのための、護身術を書きだしてみたのです。
厳しい結果がどういう種類の「厳しい結果」なのか、理解するためには少し時間がかかります。人によってはだいぶ時間がかかるでしょう。それまで、機器から身を避けるための作法として、「遅刻はしない方が良い」と書きました。しなければ問題になりませんから。
はじめから、「遅刻上等!モラルハザード上等!」と気合いが入った人なら好きに生きてもらってかまわないと思います。僕の後輩だとちょっと困るけど……
メモは絶対ですね。ただ、何が書いてあるか自分でも読めないと言うわながあったりしますが。
事故るのはまずいですね。とはいえ、僕も焦って事故りかけたことは何度もあります……気をつけたいですね。
メモは、何を話しているかすら分からないときは、ほんとにつらいですね。全てメモってもわけ分からないですし。話が分かるとメモも少なくて済むというパラドックスがありますね。それでも、「メモを取る」という繰り返しで技術が向上していくので、がんばることが大切だと思います。
最近は将来が不安だからと貯金をしている若者が多いよ
私は今までバイトでも3万程度しか稼いだことがなかったので、財形無しでは浮かれて全部使い切ってしまいそうです。
すごいですね。なかなか貯められるものではないと思います。
そうですか。貯蓄している人が多いんですか。自衛のためと本能的に感じているんでしょうね……
参考になってよかったです。
なんというか、いつの間にか無くなってしまうのがつらいんですよね。支出を思い起こすと、帳尻はあっているんですが、いつの間にか使ってしまう。
天引きだとそれがないので、ありがたいと思っています。