金大附属病院(金沢市)に入院していた七尾市内の女性=当時(56)=が手術後に死
亡したのは、医師が適切な治療を怠ったためとして、女性の遺族ら三人が金大を相手に慰
謝料など約五千六百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決は三十一日、金沢地裁であった。
倉田慎也裁判長は「担当医には注意義務違反の過失がある」として、金大に対し約四千九
百三十七万円の支払いを命じた。
訴えでは、女性は金大附属病院で心臓の動脈弁の不全と診断され、一九九八(平成十)
年六月に同病院で手術を受けた。その後、静脈血の流れが悪くなり、呼吸困難の症状が出
たため翌月に再手術したが、その十一日後に死亡した。
遺族側は、手術後、女性の心臓の膜に水分がたまるなどの症状が出ているのに、医師は
すぐに二度目の手術を行わず、早期の処置を怠ったと主張していた。