法務省は28日、全国の法務局などが07年中に扱った人権侵犯事件をまとめた。受理した2万1506件(前年比0.8%増)のうち学校でのいじめに関するものが2152件を占め、過去最多だった前年の973件を大幅に上回った。
人権擁護局によると、いじめが増えたのは07年2月に専用相談電話「子どもの人権110番」をフリーダイヤル化するなど、いじめ問題の実態把握に努めた結果という。ほかに増加傾向だったのは、インターネット上のプライバシー侵害や名誉棄損418件(同48.2%増)、児童虐待600件(同12.4%増)など。
各法務局がとった救済措置の具体的事例は▽福岡県筑前町の中2男子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、当時の校長や1年時の担任に反省を促した(説示など)▽奈良県の医師宅で起きた放火殺人事件の加害少年の供述調書とされるものを引用し出版したとして、発行元の講談社と著者に対し、関係者への謝罪などを求めた(勧告)--など。【坂本高志】
毎日新聞 2008年3月28日 22時19分