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【富山】アニメ舞台『城端』 ファン“巡礼”続々 地元会社制作 活性化へ呼応の動きも2008年3月31日
南砺市城端地域などをモデルにした街を舞台に、高校生男女5人が織りなす青春群像劇のテレビアニメ「true tears(トゥルー・ティアーズ)」が大都市圏の民放などで放映され、人気だ。制作したのは同市城端のアニメ制作会社「ピーエーワークス」。モデルとなった場所にはファンが次々と訪れ、地域PRの効果も生んでいる。 (飯田竜司) 大都市などで放映、人気ピーエーワークスは、県内唯一のアニメ制作会社として二〇〇〇年に設立。多数のアニメ作品に携わってきたが、元請けとして作品全般の制作に当たるのは今回が初となる。 この作品のテーマは「涙」。恋に思い悩む登場人物の揺れる心をせりふのほか表情やしぐさなど巧みな作画や演出でつづっている。 ■風情ある街並み風情ある舞台も魅力の一つ。城端別院善徳寺など城端に似た街並みが随所に描かれ、城端曳山(ひきやま)祭と城端むぎや祭を合わせたような「麦端(むぎは)祭り」も登場する。高岡市に実在するたこ焼き店を基に今川焼き店が描かれ、氷見海岸や富山市のショッピングセンターなどもモデルとなった。 城端のモデル起用は西村純二監督が実際に現地を訪れ、気に入ったのがきっかけ。同社の堀川憲司社長は「いつか地元を舞台にと思っていたが、(元請け)最初の作品となるとは」と振り返る。 一月の放映開始とともに反響を呼び、各地から「聖地巡礼」として城端などを巡る若者たちが急増。JR城端駅にはファン同士のコミュニケーションノートも設置され「とても良い所でした」「曳山祭の時にまた来たい」といった書き込みが連日されている。
8日、富山テレビでスタート■「地元へ貢献を」城端に注目が集まる中、地域で呼応する動きも出てきた。地元の印刷会社は城端の風景写真に登場キャラクターを織り交ぜたポスターを四月中旬に発売予定。城端商工会は四月十二、十三日に開かれる「城端しだれ桜まつり」でアニメのパネル展を開くほか、作品に出てくる今川焼きを独特の焼き印入りで販売する。 これらの取り組みには、同アニメを地域活性化につなげたいという思いがある一方、「城端に素晴らしい企業があることを住民に知ってほしいという気持ちが強い」と関係者たちは口をそろえる。 すでに全十三回の放映を終えた放送局もあるが、四月八日からは富山テレビ放送で毎週火曜午前二時五分(時間変更の日もあり)に放映される。県内放映を機にさらに地元が活気づく可能性もある。 堀川社長は「作品が地元の活性化につながればうれしい。今後はビジネス的にも地元へ貢献できるようにしていきたい」と話している。
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