離婚へのカウントダウン。[7]
テーマ:回想久しぶりなまーなとの時間。
ベタベタといちゃつきながらの時間。
本当に幸せなひとときだった。
キスして。抱き合って。
言葉を交わすんじゃなくってカラダとカラダで会話する。
なんかエッチな言い方だけど…
全身でまーなを感じるのが嬉しくて愛しくて。
ドアは閉まってるとはいえ、、玄関口だって事も忘れて愛し合って。
優しく。
激しく。
何度も。何度も。
二人だけにしかわからない世界かもしれない。
男の僕が、、、
女の子として彼女に愛され…女の子として彼女を愛する。
ただ、彼女の幸せが僕の幸せである以上…
僕らにとっては最高の愛情表現。お互いの愛を具体的に感じれる瞬間。
誰に遠慮する事もなく。
許可を得る必要もなく。
二人が二人らしく二人だけの価値観を共有しながら愛に触れ合う。
理屈じゃなくって感覚。
矛盾だらけで不条理な恋愛。
だけど、、愛を感じ触れることで全てが肯定される気がする恋愛。
不適切な形容方法かもしれないけど…
とろけて溺れて…どこまでも堕ちていきそうな…危い感覚。
死んだっていい。
簡単に口にする言葉じゃないとこくらいわかってる。
だけど…そういう精神状態に陥るほど衝撃的な甘さに包み込まれてしまう。
過去は思い出せず、未来は思い描けない。
今。
そう…まさに今その瞬間だけが全て。
そう思えてしまうほどに。
後先考えず…とにかくその一瞬に全てを注ぎ込み愛し合う。
破滅を招きかねない状況下であっても突き進んでしまう…。
身も心も彼女に捧げよう。
男として愛する女の為に、全てを…自分の100%を与えよう。
自己犠牲なんてネガティブな意味じゃなくて。
打算やかけひきなんてかなぐり捨てて。
ひたすら相手の幸せ『だけ』を追い求める。
周囲から理解されなくたって。否定されたって。
そんなことは一切関係なくて。
ただただ一心に愛する人の事だけを考え感じる事のよろこび。
僕たち二人は何かにとりつかれたかの様に激しく愛し合ってた。
頭の中が真っ白になって…
気がつけばかなりの時間が経過していることに気がつく。
ひととき前の激しさとは180度違う時間にひたる僕。
ゆったりしてて…
心地良いあたたかい時間が流れる。。
「あははっっ」
急な笑い声。
悪戯っぽい感じの笑い声。
「なんか、あたし達スゴイよね…(笑)」
恥かしそうに笑みを浮かべながら天井を眺めてるまーな。
僕は目をつむったまま照れながら軽くうなずいてみる。
10分?20分?
二人でボーってしたあと…
一緒にシャワーしながらなぜか昔話をしてた。
学生時代の話。
その当時はもちろん僕は普通に男の子。
懐かしくもある時代。遠く昔のように感じてしまう時代。
僕の中では大袈裟だけど封印してる過去。
なぜなら…
『あのまま男の子してたら、今ごろどんな風なんだろ。』
って考えちゃってせつなくなっちゃうから。
後戻りできない性転換という現実に押し潰されない為に…
「こうだったかもしれない」っていう事は考えないようにしてた。一生懸命。
「男で生きたい。男で死にたい。」
そんなとんでもなくカッコイイ言葉をどっかで聞いた事があったっけ。
そういう言葉をサラッと言えてしまうほどの輝く男の勲章なんて何にもない僕。
だけど…
愛した女一人を幸せにできない男にはなりたくない。
そう思って必死に毎日を生きていたりする。
単なる自己陶酔?自己満足?僕にとっては大いに結構なのかもしれない。
自分が信じる道をひたむきにまっすぐ突き進んでいくって勇気が必要だから。
何だかんだとできないもっとらしい理由を幾つも持ち出して…
自分を正当化しつつ妥協して愛し合う恋愛ってやっぱり疑問を覚えてしまう。
何が正しくて何が間違ってるのか。
それってきっと誰にもわからないはず。
だって、価値観や人生観は人それぞれ。
見る人によっては不幸かもしれない。だけど当事者は多幸だったりする。
誰だって悩んだり苦しんだりなんかしたくない。
でも、そこから逃げてたら、本当の幸せは手に入らないと思う。
立ちはだかる大きな大きな壁に正面から向き合って乗り越える勇気と決意。
言い訳して壁を避けて通ったり…
壁自体を見えないふりをしたり…
そんなんじゃ掴むことができない幸せってある必ずあったりする。
僕は僕なりに決断して今に至ってる。
だからこそ前向きになれてる。厳しい状況でも諦めない力が湧いてくる。
僕なりの男らしさの表現方法としての性転換。
ムチャクチャかもしれないけど。
一生をかけた恋愛をするのって悪いことばかりじゃないもん。
だけど、やっぱり名残惜しかったりもする。(笑)
後悔はしてないわけだけど、男の子な僕はどこいった?!みたいな。(笑)
ここ、、、まさに矛盾。(笑)
生意気な持論がもろくも崩れ去る瞬間。(笑)
儚い僕の人間性。(笑)
心の中で自分で自分を笑いながらもまーなとの昔話に華が咲いてた。。
この時、僕はある事に気がついた。
そういえば、まーな…直樹くんとのこと僕に何にも聞いてこないなって。
思い出したかのように一気に現実へと引き戻されてく僕がいた。