社会

「仕事、月に10日」「無給2ヵ月」 建築業現場の窮状訴える2008年3月31日

深刻な表情で業界の窮状や不安を訴える総決起大会の参加者=30日午後、那覇市の県立武道館

 改正建築基準法が抱える矛盾に、ベテランから若手まで幅広い世代の建設業関係者3500人(主催者発表)が窮状を訴えた。30日、那覇市の県立武道館で開かれた「現場からの悲鳴」総決起大会の会場には、夫婦や子ども連れの参加者も目立ち、同法が建設業従事者の生活に及ぼす影響の深刻さをうかがわせた。参加者は口々に「国会議員や行政はただ見ているだけか」「末端の職人一人一人の生活を考えて」などと訴え、国に対する行政や議員の積極的な行動を求める声が相次いだ。
 作業着に身を包んだ参加者は「皆さんの家が着工できません」などと書かれたプラカードを掲げた。とび職人や型枠工らが実態を訴える映像も放映され「月に10日仕事があればいい」「転職を考えないといけないかもしれない」などと悲痛な訴えが続いた。
 施工会社で現場管理をしている仲村盛朗さん(35)=那覇市=は「施主からも職人からも『早く着工してほしい』と言われるが許可が下りない。作業が始まらないと会社にお金が入らず、自分の給料も2割下がった。息子に塾も辞めさせた」と苦しい生活実態を語った。
 県内大手建設会社の湧川明広さん(56)=同=は家族で参加。「切実な問題として家族にも知ってもらおうと思い参加した。日当制で働く末端の作業員はより大変だ」と述べた。
 塗料メーカー勤務の40代女性3人は「注文が入らず2カ月間給与がない。貯金を崩しての生活だ」と関連業種への打撃の広がりも訴えた。


次のニュース>>>


社会一覧


過去の記事を見る場合はこちらをクリックするか、 ページ右上のサイト内検索をご利用ください。