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高卒認定ミス、1900人に7千万円賠償へ…文科省方針

 昨年12月末に判明した「高校卒業程度認定(高卒認定)試験」の「世界史A」の採点ミス問題で、文部科学省は、被害者約1900人に対して和解金を支払う方針を固めた。

 総額は最低でも約7000万円に上るとみられる。責任を取り、渡海文部科学相は銭谷真美次官以下、関係職員を減給処分などとするほか、自らも給与の一部を国庫に返納する考えだ。

 採点ミスは、2005年度以降計6回分の試験で起きた。コンピューターのプログラムミスによるもので文科省の調査で判明した。6回の試験の受験者は計2万6766人。このうち採点ミスの影響が出た被害者は計1901人に上った。

 同省は、被害者を〈1〉新たに高卒認定試験の合格が判明した80人〈2〉試験の合格時期が実際には早かった250人〈3〉合否には関係ないが、「世界史A」分の合格が新たに判明、もしくは合格時期が早かった1571人――に3分類。そのうえで、〈1〉と〈2〉の受験者には、合格時期が1年さかのぼるごとに10万円、最高で20万円の和解金を支払い、〈3〉の受験者には、「世界史A」の合格時期が2年以上早まる場合は4万円、1〜2年は2万円を支払うこととした。

 また、不要に受験した「世界史A」の受験料(05、06年度4000円、07年度4500円)を返還する。

 被害者の中には、予備校に通って授業料を余計に支払った受験者がいた可能性もあり、文科省は、和解金に被害者が同意しない場合、個別に対応する方針だ。

 高卒認定試験はマークシート方式で実施され、電算処理で採点する。05年度に大学入学資格検定(大検)から移行した際、文科省は日立製作所に委託して一部科目の採点プログラムを変更した。採点ミスは、このプログラムの「世界史A」(100点満点)の選択問題部分2問(計6点)について、採点をしないよう誤って設定されたために起きた。文科省は、日立製作所に損害賠償を請求する方針だ。

2008年3月31日03時04分  読売新聞)
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