はい、読みました。
もー終わってしまうのが寂しかったです。
ホントに。
最後のページが近づくにつれて、気になってペラッペラッとページをみたりしたり。
あー、おわっちゃう、おわっちゃう、といって「巧」にたどり着いたわけです。
やーほんとに、文章に引き込まれていくというか、どんどん読み進められる文章で、1冊分をあっという間に感じました。
「ラスト・イニングは」あるけど、「バッテリー」は終わっちゃうわけで、ぽっかり穴が開いた感じで。
なんちゅーか、愛犬に先立たれた老人の気持ちだ。
2冊の感想文ぶっとばして「バッテリー6」の感想を書いてしまうくらい。
ところどころにある「わーきゃー」しちゃうような部分もさることながら、
(まぁコレに関して言えば純粋に楽しんでますが。)
一番心に響いたのがこの文章。
豪の心の中の言葉。
「いずれは別れる。異なる道を歩き出す。
それが中学時代の終わりなのか、高校時代の中途なのか、
1年後なのか、遥か未来なのか、わからない」
あー、うんうん、と思った。
コレは誰でも感じる事だと思う。
距離の問題、死別の可能性、友達、恋人、先生、家族。
例えば80+1のスタッフ同士も、いつかは別れるときがやってくるだろうしね。
いずれやってくる別れに対する覚悟を、無意識の中に備えてると俺は思う。
巧と豪の場合は、この世の中の中で野球と言うスポーツの、バッテリーという関係。
織田っちはこの二人をとりまく世界が狭いような気がしてならん。
「バッテリー」じゃない二人は、どうも想像しにくい。
解消した後は絶対にお互い距離を感じて、保っていくんだと思うわけだ。
すっげー頭の中では考えがグルグルしてるんだけど、上手くかけねーや。
二人とも揃って同じチームのプロになるのは考えづらいし、二人が頑張ったところでバッテリーを組めるのはこの先10年無いとおもうんだわ。
高校進学の時に別れるかもしれない、大学進学のときに分かれるかもしれない。
目に見える近い将来で別れの可能性があるにもかかわらず、なんて豪は巧に一途なんだろう。
「別れる時までけして逃げない」と誓う豪の、巧とのバッテリーにかける『今』がキラキラしすぎて、なんだか切ないと感じてしまった。
「青春とは、いつも何かに駆け込んでいるものである。」と思う。
豪と巧は、この世界の、野球と言うスポーツの、新田東中学のバッテリーとしてのお互いに、駆け込んでいる真っ最中なんだろう。
いずれ来る二人の別れが、どんなものか、俺には想像がつかない。
DVDは予約して、初回限定特典を狙う構えです。
俺、子供が出来たら「巧」って名前付けるわ。オーライ。
---
バッテリーY
あさのあつこ/著
角川書店