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「博士募集」に応募殺到 秋田県教委が教員採用 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:学校教育
「院生の間では大学院への入学は“入院”と揶揄(やゆ)される。研究職が得られなければ意味ないですから」と関西の国立大博士課程に在籍中の男性(28)は自嘲(じちよう)する。
ポスドク問題に詳しい東京大学先端科学技術研究センターの沢昭裕教授は「就職できず、経済的に困っている博士も少なくない。年収100万〜200万円で暮らす人もいて、秋田の教員試験に殺到したのもうなずける」と分析する。
文科省は「研究職にこだわらず、外の社会にも視野を」というが、民間企業では「学部卒入社の同年代社員に比べ、実務経験が乏しく、専門領域が細分化し企業ニーズと一致しないなど博士の採用を避ける傾向にある」と沢教授。
そんな中、解決策のひとつとして期待されるのが、秋田県教委の試みだった。
県教委は「一般教員にはない知識や技術を活用しないのではもったいない。選考で模擬授業をしてもらったが、教え方も良い。本県高校生の力になれるはず」と期待を込めた。
■オーバードクターとポスドク オーバードクターは、博士号を得た後、もしくは単位を習得し退学した後も、大学などで無報酬の研究を続けている人。ポスドクはポストドクターの略称で、博士号を得たが常勤職に就けず、非常勤の研究員などを続けている人。平成17年度調査では、オーバードクターは全国に1765人、ポストドクターは1万5496人いた。