眠かったから感想を書かなかったというのもあるけど、一旦落ち着きたかったから。
世界報道写真展2007。
目をそらしたくなるような写真ばかりだった。
強姦され銃で頭部を打たれた女性、タバコを吸う9歳の少女の娼婦、テロに巻き込まれて死んだ赤ん坊。
1番覚えているのはあるカップルの結婚写真。
花嫁はきれいな人。ウエディングドレス。
その隣には漫画に描いたような顔の持ち主が、花婿としての正装をしていた。
耳を失い穴だけ。鼻も失い穴だけ。片目は潰れ、残った片方の目も少し瞼があるくらい。
髪の毛はなくどうにか皮膚を貼り付けてある感じで、顔としての凹凸が無いくらいのボールのような『顔』だった。
彼はイラクからの帰還米兵で、自爆テロの為に火傷を負ってこのような顔になったそうだ。
正直に言って、人間じゃないみたいで、気持ちが悪い。
最後のブースでは映像も流れてたけど、俺は怖くて見れなかった。
中にはベッカムやジダン、日本のサラリーマンや動物の写真なんかもあったけど、多くは紛争などの、人を殺しあうような場面の写真が多く、これが世界の「今」なんだな、と思った。
「報道写真」というジャンルだからこそ、リアルな戦争や貧困を伝えることが出来るのであって、テレビや新聞で報道されないニュースが世界中に転がっているんだな、と。
日本で生活していたら、絶対に遭遇できないほんとに「生きるか死ぬか」の一瞬を捕らえた写真達。
その一瞬に、静かに訴えかけられる感じ。
だけど、腐った平和ボケをズッタズタに切り刻まれる感じ。
強制はしないけど、出来ることなら見に行って欲しい。
この写真展を見に行った人は、どの写真もよく見ると思う。どの解説もよく読むと思う。
だけど、振り返ってみれば衝撃の方が大きすぎて、思い出せるのはきっと数枚だと思う。
少なくとも、俺は、そう。
真剣な、写真展だった。見に行って良かった。
世界報道写真展2007
http://www.syabi.com/details/worldpress2007.html