パリ・オペラ座バレエ団名古屋公演
世界最高峰のバレエ団が来日!5月29、30日 愛知県芸術劇場大ホール
【社会】妊婦への情報提供義務なし 染色体異常の新検査2008年3月30日 18時25分 妊婦健診で見る超音波画像を利用し、胎児の染色体異常などの可能性を判別する新しい検査について、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会は30日までに「こうした検査があることを、産婦人科医が積極的に妊婦に情報提供する義務はない」とする見解を盛り込んだ初のガイドライン(指針)をまとめた。 指針は、検査に関する十分な知識が医師側になく、妊婦への対応もまちまちな医療現場の実情を踏まえ、適切な対応方針を示したもの。検査そのものの是非は判断していないが、結果的に、中絶による「命の選別」につながりかねないとの懸念がある同検査に一定の歯止めがかかりそうだ。 検査は、胎児の首の後ろのむくみである「後頸部(けいぶ)浮腫(NT)」の厚みを妊娠初期の超音波画像で計測するもので、一定以上の厚みがあるとダウン症や18トリソミーといった染色体異常などの確率が通常より高まる。あくまで可能性にすぎず、NTの所見があっても健康な赤ちゃんが生まれるケースもある。1990年代に欧米で研究が進み、日本でも学会報告が続くなど注目されている。 指針は、NT計測について「(母体への)負担は少ないが確定診断ではない」と強調。診断に必要な訓練や経験を積んだ医師が限られていることを挙げて「まだ標準的検査にはなっていない」とし、検査の存在を医師が積極的に知らせる義務はないとの見解を示した。 ただ、医師が意図しなくてもむくみが見つかることがあり、指針はこうしたケースについて「情報提供の希望の有無が確認できていない妊婦には慎重に対応する」とし、妊婦に説明するかは個々の医師の判断に委ねた。 説明する際にはむくみの厚さと染色体異常リスクの関係や、確定診断には羊水検査が必要なことなど、正確な情報提供をするよう求めている。 指針作成の中心メンバーを務めた水上尚典・北海道大大学院教授(産科学)は「通常の妊婦健診で偶然見つかるケースも多く、そうした場合の対応について一定の形を示した。NT検査そのものの是非など倫理的な問題は、社会全体で議論してほしい」と話している。 (共同)
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