岡山市のJR岡山駅で25日深夜、岡山県職員、假谷(かりや)国明さん(38)がホームから突き落とされて電車にはねられ死亡した事件で、殺人容疑で逮捕された少年(18)が事件の数分前、現場に現れて付近にとどまっていたことが29日、分かった。ホームに設置された防犯カメラに映っていた。假谷さんを突き飛ばす直前の映像で、県警は少年が殺意をもって電車の到着を待っていた可能性もあるとみて、映像の分析を進めている。【石川勝義、石戸諭、松井豊】
調べでは、少年は25日午後7時ごろ岡山駅に到着。改札を出て駅西口周辺を歩き回った後、140円区間の切符を買い再び駅構内に入った。事件は約4時間後の午後11時5分ごろ発生した。
現場の2番線ホームに設置されたカメラに残っていた同時間帯の映像では、少年が複数のコマ送り画像に映っており、関係者によると「数分間、その場にとどまっていたようだ」という。
事件はその直後に起き、少年は乗客の列の先頭にいた假谷さんの左後方から近づき、無言のまま両手で背中を押した。
調べに対し、少年は「ホームで電車を待っていた一番前の人の背中を押して、線路に突き落とした」「殺すつもりで(假谷さんを)押した」などと供述している。
駅構内の複数のカメラに少年の姿が記録されており、県警は駅構内での移動経路の特定を進め、事件当時の状況を詳しく調べている。
毎日新聞 2008年3月30日 地方版