トップページ > 記事閲覧
ボーケン(完結)
日時: 2007/09/23 11:05
名前: 充電池

どうも、充電池です。

最近は一話完結ばかり書いていたので、今回はもう少し長めな小説を書きたいと思います。

ええっと…当小説、「ボーケン」はラブコメ的なもので、ハヤテが痛い目にあったり…ある人といい感じになったり…な、お話です。


では本編です。


************************************


 #1




ハヤテは迷っていた…。
いや、迷うしかなかったのだ…。


「とはいえ伊澄さんじゃあるまいし、迷子になってしまうなんて…」


回りには見慣れた、横に長い三千院家ではなく、高さがあるビルが多く立ち並ぶ。

そんな未踏の都会らしき場所にハヤテは一人たたずんでいたのだ。


「くそぉ…これじゃあ間に合わないよ……」


伊澄のごとく、オロオロするハヤテはある場所を探していたのだった…。












全ての始まりは、数日前…ナギが発したこの一言から…


「ハヤテ、冒険とか…してみたくないか?」


今度はどんな漫画の餌食となったのであろうか……。
ナギは思った事を何も考えずに行動にしてしまうたちなのだ。


「冒険…ですか?」


「あぁ、冒険だ、ハヤテも死ぬ前に一度でも未踏の地で、地図も食料もなしで自給自足の冒険をした方がいいと思うのだ」


冒険には普通、地図や食料は持っていくと思うのだが……とはいえこの少年、ハヤテは幼い頃から随分と危険な旅を経験してきたのだ、だから彼にとってはそれでも大丈夫かも……?


「まぁ、いいですけど…
(お嬢様ひとりで行かせるのは危ないからな…)」


全ては主のため…ハヤテあっさりと承諾するのであった。


「そうか!! そんなに行きたいのか!!」


「は……はい!!」


「では決まりだな、気をつけて行ってくるのだぞ」


「はい!!………って…え!?」


元気よく返事をしたものの、よく考えてみると…


「あのぉ……お嬢様は…行かないんですか?」


「あぁ、当然だ。 冒険なんて疲れるし危ないしメンドイし…」


ナギ…まさかの発言……


「………」


「まぁ、ハヤテがそんなに行きたいのなら、行かせてやらん事もない……冒険は男のロマンだー…とか、憧れだー…とか言うしなっ!」


「……」


一瞬、男…という物に怒りを覚えるハヤテ……この状態を上手く利用してやればハヤテを性転換させる事も可能………?




そしてその後…渋々冒険行きが決定されたハヤテは考えを巡らせる。


「(どうしよう……今更断るなんて出来ないし……それに行き先もなしに冒険に出たって、魔王とかがいない限り終わりが来ないし…)」


大広間の掃除をしつつ思いにふけるハヤテ…そしてその背後に感じるのであった。


「どうしたんですか? 浮かない顔しちゃって」


「ま、マリアさんっ!」


途方に暮れていたハヤテにとってマリアの登場は安心する…。
彼女ならこんな自分を何とかしてくれると思えてしょうがないのだ。


「…?」


「マリアさん、実は…」


ハヤテは今までのいきさつを事細かにマリアに伝える…心の叫びを訴えるかのように…。


「……はあ…」


「それでですね、冒険に終止符を打たせるには、やっぱり魔王を倒すしかないと思うんです…ですが魔王なんて存在しませんし…」


「あの…普通に帰ってきたらいいんじゃないですか?」


マリアの一言……普通ならこれで我にかえるのだが……。


「え? ダメですよ!
イベント無しに帰って来ちゃっても何も起きませんよ!」


ハヤテは最近、徹夜でドラ○エをやらされているのだ…もちろん主に……。

しかしマリアはそんな事知ったこっちゃないのだ。


「ゲームと現実をごっちゃにしないでください! 大体魔王って何ですか!!」


マリアの一喝…これでハヤテも、少しはマシになったか……………と思いきや……。


「え? 魔王ですか?  そうですねぇ…やっぱりゾ○マでしょうかね?」


「……はぁ」


さすがのマリアも、今のハヤテには何を言ったところで無意味なのだと悟る。

そこへ……


「ならば少年!!
執事研修会にでも行ってもらおうか!!」


そこに現れたのは、同じく執事のクラウスだ。


「なるほど…そこにゾ○マがいるんですね?」


「その通りだ」


なぜかハヤテを使いこなすクラウス…。


こんな感じで、翌日ハヤテは朝早くから、執事研修会に出席するための冒険が始まったのだ
















そして今…ハヤテは早速迷っていたのだ。


「場所はココ……治固市であってるよな……」


そう…冒険の舞台は岐阜県の事故死……もとい治固市は作者の気まぐれによって作られた、結構都会な市である。


「それにしても執事研修会が行われる、この……岐阜県治固市立東海ビルディングってどこだろう…」


ハヤテが手にしている一枚の紙切れ…そこにははっきりと、岐阜県事故死立倒壊ビルディング……もとい、以下略…と書かれている…クラウスの字だ。

そしてその紙切れには、目茶苦茶な最寄り駅からの地図が書かれてある…当然目的地へたどり着く事はできない……。


「まぁいっか…研修会までにはまだ時間がたっぷりあるし、見学がてらゆっくり探そう!」


日差しは温かい…ただぶらぶらと歩くのに適した気温だろうか。

ハヤテは春の小路をガードレールに沿って歩き続ける…。
















 #2





「うぅーん、なんでだろ…ココ…都会なはずなのに静かだなあ…」


ハヤテがそんな事を呟いて、のんきに歩いていると……。


「泥棒ー!!」


ハヤテがその甲高い声を聞いて振り返ると、サングラスと帽子を装着しているにも関わらず、服装は白のランニングシャツの男が鞄を抱えてこちらへ向かって走ってくるではないか!!


「邪魔だーっ!!」


泥棒は着々とハヤテに近づいてくる…。
そしてその男の手に持っているのは……テニスラケット…。

まぁ、叩かれたら痛いだろうけど……。


そんなヘンテコな凶器を振り回す男によって、ハヤテの正義感が駆り立てられる。


「(泥棒なんて許さない!!)」


ハヤテは目を見開いて男を冷静に見据えるのだが、やはり危ないので、避けたフリして足を引っ掛けてやった。


すると泥棒は豪快にスッ転ぶ…


「犯罪ですよ! 泥棒は」


これが犯罪者に対する言葉なのであろうか…ハヤテは男を捕まえようとはせず、鞄だけ奪い返して男を逃がしそうとしたのだが…。


「見逃してくれてありがとう……もうこんな事はしない…でもその鞄は俺の物なんだ…盗んだのは中に入ってるやつだから持ち主に返しといてくれ…」


「あぁ……はい…… (ちゃっかり者な泥棒だな…)」


男は鞄のファスナーを開き、鞄をひっくり返して中身だけを外に出してそそくさとその場を去った。


「……////」


ハヤテはというと、地面に山積みになった盗品を前に赤面していた。

なぜ赤面しているかと言うと………その泥棒が下着泥棒だったから…と言えばお分かりだろう。


「と、とにかく持ち主に返さなきゃ…」


少し…いや、かなり気が引けるがその盗品をこのままにしておくのはマズイ…。
ハヤテは意を決して、その盗品をわっさと腕に抱え込む。


「……////」


回りからの視線も痛い…。

これではどっちが泥棒…いや、どっちが変態だか分からない…。




ハヤテはついに、被害に遭った女性を見つけた…。
スラッとした綺麗なお姉さんだ…。


「あの…これ……////」


ハヤテは腕に抱え込まれた盗品を差し出す。


「………」


「………////」


その女性の顔がみるみる青ざめていくのに対し、ハヤテの顔はみるみる赤く染まっていく。


「あの…これ…////」


沈黙が続いたため、ハヤテはもう一度同じ言葉を発した。


そして……


バチーーン!!


……ハヤテのためにも、何が起こったのかはあえて言わないが、痛そうな音がしたのはたしかだ…

そしてハヤテは、散らばった盗品の中心に俯せていた…。


















#3





先程の事件により、すっかり大ダメージを受けてしまったハヤテは、近くのベンチに座り、溜め息もつけないほど落ち込んでいた。


「僕は泥棒を捕まえて…それで………それで…」


言葉にしてみると自分は英雄……現実は厳しい…というのはこういう事なのであろうか…。


「良い事をした後は気分がいいか、ハヤ太くん」


「良くないですよ………って………ん?……あっ、朝風さん!!」


治固市に理沙がいた…。
しかも一人で……。


「良くない? フッ笑わせるなっ…顔がにやけていたぞ」


「にやけてません!」


「綺麗な人だったなぁ…あの人」


ハヤテが理沙の登場に驚いた事はスルーして、ハヤテを責め続ける理沙








「いや、だからどうして朝風さんがここにいるんですか!?」


ハヤテは散々理沙にいじめられた後、話しを戻すことにした。


「それはこっちのセリフだな……私はよく一人で治固市に来るからな」


「えっ!?」


一人でよく来る…予想外な答えに戸惑うハヤテ。

まぁハヤテが理沙の何を知っているのだ…という事になるのだが…。


「で?」


「あっ…はい、僕は執事研修会に出席するために来たのですが…迷ってしまいまして…」


ポリポリと頭をかくハヤテ。


「あぁアレか…ならば私がそこまで案内してやらんでもないぞ」


「本当ですか!?」


沈んだハヤテの気持ちは一気に晴れ渡る。


「だが一つ条件がある」


「えっ?」


「良い事をして気分がいい…………と、言え」

















#4





ハヤテが例の言葉を言い終えた後…二人は東海ビルディングを目指して歩いていた。


「いやぁー、良い事をしているとホントに気分が良いなー」


ハヤテのために道案内する理沙……良い事をしつつも、嫌みったらしい言葉を浴びせる。


「……思い出させないでくださいよ……////」


ハヤテは道案内をしてくれる理沙に感謝しながらも、本気で迷惑がる。


「あっ、ところで朝風さんはココに何しに来るんですか?」


理沙がココ…治固市によく来るのは聞いたが、その理由はまだ明らかではない。


「まぁ…強いて言うなら、面白み探しだ」


朝風さんらしい回答…とは思いつつまだ消えぬ疑問がある。


「瀬川さんや花菱さんと一緒に行ったりしないんですか?」


「うーん…まぁ一度だけ二人を誘ってココに来たんだが、どうも二人にはココの面白みが分かんないらしくてな…」


ハヤテ自身も何が面白いのか見当もつかない…。


「例えばどんなが面白いんですか?」


「そうだな…さっきの泥棒の服装とか凶器とか……」


あれは確かに、爆笑ものだ…だがハヤテは笑わなかった…それが泥棒で、命に関わるような事だったから。


「他にもさっきの女の人とハヤ太くんのくだりは最高だったな」


「……」


笑えない……。

あの二人がココの面白みが分からない…というのが分かったような気がしたハヤテ。


「まぁ、なんにせよ私が楽しめればそれでいいんだ」


「そうかもしれませんね……」


少なくともココ、治固市は理沙にとって面白みの源流となっているらしい。


「ふむ…ハヤ太くん…」


「はい?」


「まだ時間がたっぷりと余っているのだが…少しそこの店に寄っていかないか?」


突然、理沙が改まったように言う。


「えっ…でも残り1時間しかないのですが…」


「うっ、うるさい!! 少しぐらい遅れても死にはせんだろ!!」


理沙の口調がいつもより強くなったような気がした。


「え…まぁ…そうです…けど」


「よし、では行くぞ」


理沙はハヤテの腕を引っ張り、ぐいぐいと店の中へ引きずり込む…。


「わぁ! あ、朝風さん!!」


ハヤテはふらつきながら引き寄せられる……そして引っ張られすぎて理沙に倒れ込まないように、足をを踏ん張ろうとする…。

しかし……





「たまにはいいだろ…私と二人だけでも…////」





いつもクールな理沙が一瞬、乙女っぽい姿を見せたのだ。

その姿に酔ったハヤテは、足で踏ん張るのを忘れ、理沙に倒れ込もうとする…。


しかし……


ゴツン!!


理沙が頭突きでハヤテを受け止める形になったのだ。


「痛いですよ……いや、すみません…」


よく考えたらハヤテがぼうっとしていただけだった。


「フッ、つくづく鈍臭い奴だな、ハヤ太くんは…」


理沙はいつものクールな表情に戻っている。


「いや…アレは鈍臭いとかではなくて……」


「そんなんじゃヒナはゲットできんぞ」


「げ…ゲットってどういう事ですかっ!! ダンディ○野じゃあるまいし!!」

※ダンディ○野のギャグといえば「ゲット」ではなく「ゲッツ」…なのである。




ハヤテの顔は赤い…しかしそれはヒナギクの名前があげられて、からかわれたからではない。

原因は先程の理沙…。
あのギャップにハヤテは心を打たれたのだ…。
とはいえ好きになったという訳ではない…。
ただ単に、理沙が本気で可愛いと思えたのだ。




「まぁ、そう照れるな」


そんな会話を交わしつつ、二人は店に入る。


続く……



*******************************

ふぅ、今日はこの辺で。 
えー、ご覧のとおりですがハヤテと理沙がメインになりそうです。

僕にとって、理沙の扱いは非常に困難でしたが、やってみました。

ではでは、誤字脱字やアドバイス、ご感想も大歓迎なのでっ!!  では。
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください

Page: 1 |

Re: ボーケン ( No.1 )
日時: 2007/09/23 13:54
名前: 龍騎士
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1463

初めまして。龍騎士です

今回は理沙ですか。確かに難しいキャラですけどね・・・・・
頑張ってくださいね。

ハヤテも一番の特徴の『不幸』の二文字がよく出ていますね〜
ナギに付き合おうと承諾したのに・・・・・
そしてハヤテもゲーム中毒に侵されていくなんて・・・
やはりナギの影響か!!!!!!!!!!

まさか泥棒を退治して不幸な目にあうとは・・・・・どうしようもありませんね。
良いことをしたのに悪いことがおきる。
これじゃ悪いことをしたら良い事がおきる・・・そんなわけ無いな・・・

しかもそれを理沙に見られていたとは・・・
カメラに撮られていたらどうするんでしょうか?(笑

岐阜県事故死立倒壊ビルディングですか・・・・・凄い名前ですね・・・
今にも死人が出てしまうような・・・そんな感じ・・・・

充電池さん更新頑張ってくださいね。応援してます。では
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン ( No.2 )
日時: 2007/09/24 06:46
名前:
参照: http://hinayume.net/hayate/subnovel/read.cgi?no=1542

ども。陰陽師っす。
コメント書き込みでござんスよ。
ハヤ×理沙っすか………これは難題ですっちゃ。
出番がそこそこ少ないっちゃーね。
あ、ビルのなまーは「東海」か「倒壊」のどっちっすか?
にしても……下着泥最高ですっちゃ!
なぜにんハヤテはそんなに不幸け。
そして場所がんピンポイントでよかと!
これからも頑張ってくだい!


訳が分からないと思うので、訳。


通常語訳
どうも。陰陽師です。
コメント書き込みです。
ハヤ×理沙ですか…………これは難しいですね。
出番がそこそこ少ないですから。
あ、ビルの名前は「倒壊」か「東海」のどっちですか?
にしても………下着泥は最高ですね!
何故ハヤテはそんなに不幸なんでしょう。
そして場所がんピンポイントだからいいですね!
これからも頑張ってください!

です。
色々な「弁」を組み合わせてみました。
では。バハハハハーイ♪
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン ( No.3 )
日時: 2007/09/29 20:15
名前: 充電池

ふぅ…約一週間ぶりの更新となります。 まずはレス返しですね。


>龍騎士さん

初めまして、充電池です。
なんというか書きやすいですね…ハヤテの不幸は。

それにしてもあんな状況を理沙に見られてしまうのは危険ですよね。
さらにもし、カメラに撮られていたら…どーなるんでしょうね〜♪


>陰陽師さん

今回もありがとうございます!  

で、ハヤ×理沙…といっても二人が結ばれることは絶対にないのですが、どーなるやら…。

そしてビルの名前は「岐阜県治固市立東海ビルディング」です。
「事故死立倒壊ビルディング」ってのはちょっとした僕の遊び心です。紛らわしくてスミマセン。

そしてそして色々な弁がお達者で…。







まぁ頑張ります!!          本編です!!





****************************************


#5




「あれ?…なんか普通のお店ですよね……?」


面白い店…そう言われて入った店は意外にもさっぱりとした雑貨屋だった。


「当たり前だ、こんな雑貨屋のどこが面白い」


「え?」


理解不能…理解不能…理解不能。

ではなぜ理沙はこんな店にハヤテを連れて来たのか……。

それから二人は店内を進む………辺りにはかわいらしいぬいぐるみが、ちらほらと顔を出す。


「(まっ…まさか朝風さん………いや、そんなはずが…でもさっきの表情の事もあるし…)」


ぬいぐるみを素通りし続ける二人……そんな自分達は今かなり良い雰囲気だ…ハヤテはそう考えたららしい……。

となると赤くならずにはいられない…。


ハヤテは自分の腕を見ると、理沙の手にしっかりと握られている。

それから理沙の顔を見てみる……本人は真っ直ぐ前を向いて、ハヤテの視線には気付いていないようだが……。

ハヤテが、いつもカッコイイ…そう思っていた理沙は、今思えば私服姿で端整な顔立ち…俗に言う美人なのだ。
そんな美人と、ハヤテは今、並んで歩いている…。


「こっちだ」


「………////」


またもやぐいっと引っ張られ、開かれた厚い扉の向こうに導かれたハヤテ。

















そう……


そこは……二人だけの……楽園…



















な訳がない…。


「こ、これは……」


「妄想を膨らませていたところすまなかったな、これが現実だ」


実はハヤテの視線にそれとなく気付いていた理沙…。


「えっ!? も、妄想って…いや……今、つっこむべき所は…この空間ですね……」


そう…この部屋…というよりも、この空間…と言った方が正しいような気がするのだ。


辺りは真っ暗…しかしその黒の世界には所々、小さな光りが輝く。

プラネタリウムの要領で、ハヤテはまるで宇宙に浮かぶような感覚に陥るのだった。


「どうだ、ハヤ太くん」


「すごいですねぇ…これなら朝風さんの言う面白みが分かるような気がします!」


「ふっ…私がこの空間を楽しむためだけにここを訪れると思ったら大間違いだぞ」


理沙はそう言って、ずかずかと空間を突き進む。
それを追い掛けるハヤテ。


「よう、じょーちゃん! 今日は彼氏と来たのかい!?」


カウンターのおじさんが理沙に声をかける…やはり理沙はこの店の常連なのだ。


「えっ!!そんなんじゃ……」


ハヤテは慌てて訂正しようとしたのだが…。


「あぁ、そんなところだ」


理沙があっさり認めてしまっている。


「そうかい、じゃあおじさん……今日はお邪魔みたいだなっ!」


シャイなおじさんはそう言って、下品にガハハと笑う。

理沙はそれをスルーして、スタスタと店の奥へ進んでしまった。


「(あ…朝風さん……僕の事を彼氏…って認めてたよな…もしかして僕達、いつの間にか付き合ってたりして!!……んな訳ないか…)」


そんな訳がない…ナギとハヤテの関係じゃあるまいし…。

またまた、おかしな妄想をしてしまったハヤテ…。


「よう、彼氏!! 初めてだろ!どーだいこの店!」


ぼうっとしていたハヤテは、いきなりおじさんに話し掛けられた。
邪魔しないとか言っていたはずなのに……。


「あっ、はい…なんか不思議な空間ですね」


誰もが言いそうな言葉だ。


「ほう…アンタも平凡な男だな……まぁ、それほど良い感想なんて期待しちゃいないからいいんだかな」


「うっ……」


ハヤテの心をチクチクと痛め付けるおじさんの毒舌。


「あのじょーちゃんが、よくお前みたいな平凡男なんかを選んだなぁ」


「……別に僕と朝風さんはそんな関係ではありませんからっ…」


再びハヤテの胸に突き刺さる言葉。


「あっ…ところで朝風さん、よくこの店に来るんですか?」


「あぁ、あのじょーちゃんはかなりの常連さんでな、俺も感謝してる」


あの朝風さんが人に感謝されてる……自分はどうだろうか…探してみてもパッと出てこないハヤテ。


「常連って…いつ頃からなんですか?」


「そーだなぁ…初めて会ったのは……こーんなちっちぇー頃だったから…小学校の低学年ぐらいだな…あのじょーちゃん、勇敢にも一人でこんな店に乗り込んだんだ」


「一人で!?」


この店は雑貨屋の奥にある、ごく一部の人だけが知る隠れ家的な店である。
そんな店に少女一人で突入するだろうか…。


「そんでな、じょーちゃんが初めてこの店を見た時の感想…何だと思う?」


突然の質問…


「えっ…とりあえずはしゃいだんじゃないですか?」


小学生は初めてプラネタリウムを見た時…あのはしゃぎようである。


「ふっ…甘いな、あのじょーちゃんはアンタみたいなそんじゃそこらの子じゃねーんだ」


「え…では何と?」


ハヤテも理沙が普通の女の子とは少し違う事は知っている…つもりだ。


「それがな……






             …………暗くて商品が見えづらいだってよっ!!」


おじさんは再び下品にガハハと笑い出す。

ハヤテも、朝風さんらしい…と愛想笑い浮かべる。


「小学生とは思えないダメだしですね…」


「ガハハ! だろ? 俺はじょーちゃんのそこを見込んで仲良くなろうとしたんだ」


「なるほど…そして今に致る…って訳ですね?」


「まぁ、そんなトコだ」


ハヤテは、理沙とおじさんがかなり交流が深いと見た。

どことなくおじさんの毒舌と理沙の毒舌が似ていたのだ。


「へぇー、朝風さんの言う治固市の面白みっていうのはココの事だったんですねぇ」


なんとなく理解。

まぁ、ハヤテにとっては理解しがたい事なのだが…


「でもなぁ彼氏…じょーちゃんはいつもココに一人で来てた…一人で楽しんでいたんだ」


「…そうなんですか」


もはやハヤテも、彼氏ということを訂正しなくなった…というよりどうでもよかった。

もしかしたら理沙もそうだったのかもしれない。


「だからじょーちゃん…今日はアンタと一緒に楽しみたいんだろうに…」


「……!!」


大切な事に気付いたハヤテ……。

理沙を見失った……。


「ほら、さっさと駆け付けてやりな!!」


「はい!!」


邪魔をしないと言ったはずのおじさん…話せて良かったが、結構邪魔になった……。















#6





「朝風さん…どこ行ったんだろ」


ハヤテは暗い店内を歩き回る。


「……」


そして無言になる…。
するとおじさんの言葉が蘇るのだ。


「朝風さん…治固市では一人で楽しんでたんだ…」


白皇では、親友二人や生徒会長、そしてハヤテと楽しいスクールライフを送っている。

面白い事好きな理沙にとっては毎日が笑劇なのだ。

しかしその裏には、寂しい笑劇もあるのだ…それこそが治固市での笑劇…。

ごく一部の人にしか分からない、治固市の面白みである。

理沙はきっと誰かと笑い合いたかったのだ…だからハヤテをこの店に連れて行ったのだ。


「なのに……僕は…」


急に罪悪感が生まれたハヤテ………もう少し、女の子の気持ちを考えるべきだったと自分を責める。

今思えば、くだらない妄想ばかりしていたハヤテ…。


「今度は、朝風さんと一緒になって笑おう…」


強く決心したハヤテは、曲がり角で左折した。


すると……





「うぉ!」        「わぁ!」

目の前には人が…。
ハヤテは急に止まれない……って事で、その人とぶつかる以外に選択肢はないのだ。


ドンっ!!


ハヤテはその人に受け止められた…そしてハヤテはその人の顔を見るべく、目と鼻の先の人物を見る。








理沙だ…







「すっ…すみません!! 朝風さんっ!!……////」


顔は触れ合わなかったものの、体は結構触れてしまったかもしれない。

しかしそれよりも、顔が物凄く近づいてしまった事が恥ずかしかった…。

今度はさっきの頭突きとは違い、まじまじと見つめ合ってしまったからだ。


「は…ハヤ太くん…////」


さすがの理沙も、今起きた事についてはクールに流すことはできないらしい。


「(な…何やってんだ僕は………朝風さんと笑い合うはずが…照れてたらだめじゃないか…!!)」


と、心の内に秘めるハヤテは明らかに照れている。

しかしハヤテは、理沙の次の言葉に驚くのだ。




「ふぅ…遅いぞ、ハヤ太くん」


「え…」


いつもの調子で切り返すとするなら、まずハヤテをからかうはずだ。


「ほら、さっさと行くぞ」


「はい……!!」


理沙はハヤテを引っ張る……腕を掴んで…。


















#7






「(朝風さん…今日はやけに女の子っぽいな…)」


先程の照れた理沙を思い出してしまうと、ドキドキしてしまうのだ。


「ほら、こいつだハヤ太くん!」


理沙はいつもの調子を取り戻し、ある物をハヤテに見せようとする。


「………」


そこには、柵の中におさまった、鋭い牙をもつバカ面なワニが大きな口をあけている。


「どうだハヤ太くん! 傑作だろ、こいつ!!」


「……」


理沙は愉快そうにフハハと笑う。

しかし笑えないハヤテ…。

共に笑わなければならない……さっきまでそう思っていたのに…。


「フハハ、それっ!」


理沙は柵の中に生肉を投入…するとワニは恐ろしい勢いで食いつく。

おぞましい光景だ……。


「……」


やっぱり笑えないハヤテ…。

なぜか愉快そうな理沙。


「いやぁ、面白い!!  実に面白い!!」


先程ハヤテが感じた罪悪感は既に取り払われている。

それどころか泉や美希が、この面白みが分からない……というのに同感してしまう。


「ハハハ…(結局、朝風さんが楽しめればそれでいいんだ…)」


とりあえず結論を出したハヤテ…何気なく時計を見ると……


「あっ!!」


「ん?」


「執事研修会……もう始まっちゃってますけど…」


あれから軽く1時間は経過していたのだった。


「ふぅ…まったく、時間にルーズな奴なのだな…ハヤ太くんは」


「誰のせいでこんな事になったと思っているんですか…」


「ん…あのオッサンだろ」


あのオッサン…おそらくカウンターのシャイなおじさんの事だろう。


「とにかく急がないとっ!!」
















#8





「……うぅ…」


[執事研修会はたった今、終了いたしました。
 遅刻のお前、女と遊んでるからだぞ。 後で主に叱られても知らないぞ。]


東海ビルディングにはそんな長ったらしい看板が立て掛けてある。


「まったく…三千院家の執事ともあろう者が、研修会にも出られないとは困ったものだな」


落ち込むハヤテの横では、理沙が嫌みたっぷりにそう言う。


「……これじゃあクラウスさんに叱られて、マリアさんには呆れられて、お嬢様にはお仕置きをくらっちゃう…」


ハヤテは魔王と出会った訳でもなく、執事研修会というイベントも逃してしまった…結局ダメージばかり受けて帰る事になるのだ。


「まぁ、私からすればかなりのイベントだったと思うから安心したまえ、ハヤ太くん」


いや、ハヤテにとっても結構なイベント……いや、充分な冒険になったはずだが…。

















「はぁ…」


帰りの電車…ハヤテは憂鬱だった。


「そんなに落ち込むな、三千院には私から何とか言っといてやる」


「いいんですか!?」


「あぁ、なんだかんだ言っても、今日は楽しかったし、その辺の御礼に謝罪もを含めてだ」


楽しかった……その一言にハヤテはホッと表情がゆるんだ。


「朝風さん……」


やはり今日の一件は、ハヤテにとって意義のある冒険となったのだ。


「それからハヤ太くん………」


改まったように理沙が視線をそらしてハヤテに何かを伝えようとしていた。


「何ですか?」


「今日の事…美希達には内緒にしといてくれ……///」


「………////」


また見せた…照れた理沙のかわいらしい表情…。
ハヤテは再び、心臓のドキドキを感じるのであった。


「…分かったら返事をしたまえ」


「は、はい…了解です……////」


それからは何事も無かったかのように会話を続けた理沙。

朝風さんのこんな感じの切り返し、上手いなぁ…と思うハヤテは、未だあの表情に浮かれている。











続け……






****************************************


では今回はこの辺で切らせて頂きます。

誤字脱字、アドバイス、ご感想、なんでも大歓迎です!!

ではっ!
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン ( No.5 )
日時: 2007/10/01 18:36
名前: 世界史B

はい、充電池さんの新作ということで読ませて頂きました
世界史Bです。

では感想‥
充電池さんの新作連載‥まさかのハヤ×理沙ですか
あまり見かけないレアな題材ですね。
でもそれだけにどんな作品になるか非常に楽しみです。

この『ボーケン』という小説は
「ハヤテにヒロインが惚れる」描写より
「ハヤテがヒロインを気にしてる」描写が目立ちますね。(僕の主観なので他の方・作者様からみれば違うのかもしれませんが…)
ハヤテの理沙のアクションに対する反応が面白いです。
僕個人としてはそこらへんに注目しながら更新楽しみにしています。

では失礼します。
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン ( No.6 )
日時: 2007/10/05 19:45
名前: 充電池

なんとなんと…またまた世界史Bさんっ!! 本当に感謝です!!

ではもぅレス返しです!!


僕は基本的にいろんなカップリングを挑戦していく予定です。(いいんちょさんファンとか言っときながら…)
でもまぁ、どんな小説にしても精一杯書きますよ!!  書いちゃいますよ!?(でもやっぱ理沙は難しいです…)


そして僕自身も読み返してみましたが世界史Bさんの言う通りですねぇ。
シリアスな小説でない限りハヤテに女の子を惚れさせない!…なんて思ってた自分が情けないです。
まっ、そんなことはあんまり気にはしてませんがね! (おいおい…)

そんなわけで世界史Bさん、本当にありがとうございました。
明日からは三連休なので頑張ります!!


             もちろん今日もがんばりまス。








ではでは本編です!


*****************************************












#9





「…ただいま戻りました〜…」


ひっそりと扉を開けるハヤテ……それを待ち受けていたのは…。


「ハヤテっ!!」


「……お嬢様…」


明らかに違う二人のテンション。


「ハヤテ、冒険はどうだった?
魔王は倒したのか?
魔法は覚えたのか?
経験値はたまったのか?
イベントは発生したか?」


いきなりの質問攻めを受けてしまった。

やはりナギはゲームと現実がごっちゃになっているようだ。 
人は皆、コレをゲーム中毒という!!(のかな?)


「いや…あの…まずはちょっとコレを見てください」


ハヤテが差し出した一枚の手紙…それは、いつの間にか理沙が書いたナギ宛ての手紙である。


「私に……朝風からか?」


今までにこんな事があっただろうか…ナギが手紙をもらう事自体が珍しいというのに…。


ナギは封筒を切り取り、手紙を読み出す…。

ちなみにハヤテは、その手紙の内容を知らないのである。



――――――――――――――――――――――――――――――


三千院へ


今回私は治固市にてハヤ太くんに遭遇した。

まぁ、それから色々とあってだな、ハヤ太くんは執事研修会に出席できなかったんだ。
それは半分私の責任でもあってな…だからハヤ太くんを許してやってほしいのだ。


それにハヤ太くんは治固市で何もせずに帰ってきたわけではないのだぞ。

私はハヤ太くんが泥棒を捕まえて、盗まれた物を持ち主に返してあげているのを見た。
今回のハヤ太くんの冒険は決して無意味な物ではなかったと思う。




PS.同封の写真は、ハヤ太くんが泥棒の被害者から、お礼の品をもらっている瞬間だ。


――――――――――――――――――――――――――――――



明らかに理沙の字である事は確かだ。

ナギは早速封筒に入っている写真を取り出す…。


「(朝風さん…どんな文を書いたんだろう…)」


ナギの前で立ち尽くすハヤテにはナギの心情を読み取れずにいる。


「………」


いや、読み取れた…明らかな表情だ…。

そう…写真を見た途端、ナギはかなり怒ったような表情に変貌を遂げたのだ。


「あの…お嬢様?」


「ハヤテぇ…お前という奴はぁーーっっ!!」













#10




「ぁ…………ぁ…」


ハヤテは床に転がっている…。

体に大ダメージを受けて……。


「見損なったぞ、ハヤテ!!」


「お嬢様ぁ……」


ナギは怒りを撒き散らしてその場を去る…。

ハヤテには一体何が起きたのか分かっていない。


「(お嬢様…なんであんなに怒ったんだろぅ…)」


視界がおぼろげなハヤテ…俯せたまま前方を見ると、白いもやが床に落ちている。

それはおそらく先程の手紙である。


そしてその向こうにはさらに何かが見える…人影だ。


「あらあらハヤテくん、大丈夫ですか」


いつもの事であるため、あまり心配されていない。

喧嘩するほど仲が良いというやつだろうか…。

まぁ喧嘩といってもハヤテが一方的にやられているだけなのだが…。


「…マリアさんですか……」


「ごめんなさいね、私で」


いやいや、ハヤテはそんなつもりで言った訳ではないのだが…


「あの…助けてください……」


ハヤテは動けないのだ。  重度のダメージによって……。


「はいはい…」


マリアがハヤテの近くに歩み寄る……すると…。


ガサガサっ…


この擬音…別にマリアが嫌いな黒い物体が出たわけではない、単にマリアが落ちていた紙…つまり理沙の手紙を踏んだのだ。


「これは…?」


ハヤテを助ける…そんな本来の目的を忘れ、手紙を拾いあげる。

それが理沙の、ナギに対する謝罪文だという事が分かった瞬間、マリアはなるほど…みたいな表情になる。

しかしそれでは一つ疑問が残るのだ。

ハヤテの無実は証明されたのにもかかわらず、ハヤテがこんな状態であるという事だ。


「マリアさん…どうして僕はこんな事になったのでしょう…」


当の本人も分かっていないのだ。


しかしそんな疑問は、理沙の手紙をよく見れば分かった…そう…追伸だ。
追伸…つまりPSを見たマリアは辺りを見回す……するとハヤテから離れた方に写真が落ちている。

そして写真も拾う…。
そしてそしてマリアが見た物とは……。


「………////」


「あの…それは一体どんな写真なんですか?」


ハヤテは質問するがマリアは答えようとはしない…。 いや、答えられないのだ。


そう…その写真とは……。
ちょうどハヤテが例の盗品を、赤面しつつも女性に返しているシーンだ。

それを女性が見たら誰もが赤面しナギのように激怒する…あるいは今のマリアのようにひくのである。


とはいえナギよりも…そしてハヤテよりも、だいぶ大人なマリア…ハヤテくんがこんな事で喜ぶはずが………そう思って写真を疑うのだ。

しかし…PSには続きがあったのだ。



――――――――――――――――――――――――――――――



あぁ、三千院…ついでにその時のハヤ太くんの声もあるからな。


――――――――――――――――――――――――――――――



破り捨ててある封筒を逆さまにすると、ボイスレコーダーがそのまま入っていた。

マリアはそれを、ハヤテに聞こえないように拝聴する……。


聞こえてきたのは……











『良い事をして気分がいいです』













明らかにハヤテの声…。
そして、この写真の時の言葉…ということは……? ここで、誰もが勘違いをするのである。


「ハヤテくん…最低です…」


ナギ…そしてマリア…。
訳が分からないまま二人の女性に嫌われてしまったハヤテ…。

あまりに急な出来事にキョトンとしている。


「あの……マリアさん……?  僕には一体、何が起きているのかさっぱり………」


「これは…クラウスさんに提出してきます…」


マリアは突然歩き出す。  執事長、クラウスの部屋の方へ…


「えっ、ちょっ! 待ってくださいマリアさんっ!!」


何の事だか知らないが、ナギもマリアもハヤテを嫌った…その原因は手紙…そして写真…そんな物をクラウスに見られてしまってはおそらく……クビ…?

それはヤバイ!!
という事でハヤテはマリアの肩を掴んで引き止めるのだが…


「触らないでください」


マリアはハヤテの手を降りほどき、本当に心から嫌そうな表情でそう言い捨てる…。


「え………」


何も言えずに立ち尽くすハヤテ…。

ここまでされてしまっては、もうどうしようもないのだ。  撃沈だ。












#11





「お呼びでしょうか…クラウスさん…」


後にハヤテは執事長、クラウスの待つ部屋に呼び出されたのだ。


「なぜ呼ばれたか…分かるな?」


「え…はい」


本当を言えば全く分からないのだが……ハヤテは冷や汗を流し続ける。


「あの写真の事は本当なのだな」


「え……そんな事より僕はそれがどんな写真なのか……」


「質問に答えろっ!!」


「はっ、はいぃ!!」


いつものクラウスとは少し違った勢いになっている。
ハヤテはそれにビビってしまい、適当な返事をしてしまった。


「そうか…本当なのか………」


クラウスの顔は、より深刻な物へと変化していく。 どーなるハヤテ!?


「………」


もはやハヤテは黙るしかない…。











そして……クラウスの…









                  一言は…………















































「わ、私にも半分くれないか? ………その…お…お礼の品というものを…」




「………はっ?」


  




















こうしてハヤテは、クビ…という危機を脱出し、そのまま執事を続けていく事になったのだ。

まぁ、ナギとマリアが再びハヤテに心を開いたのはずいぶん先の話しだが…。


そしてこの冒険…振り返ってみると、大きな収穫かもしれない…。

ハヤテがこの先もずっと、理沙の手紙や写真を見る事はないのだが、ハヤテは理沙の以外な一面を目にし、人間の非情さを感じた事で、経験値を得た。





「あ〜ぁ…今日も疲れたな…」



こうして、ハヤテの冒険は幕を閉じるのであった。





〜完〜





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ふぅ〜…こんな感じで完結なのですよ。

やっぱり理沙は最後まで難しかった……。(まぁ最後らへんは出てこなかったけど…)
今回の作品…理解できる方がいるかどうか不安です。

意味分からん!! みたいな点があれば遠慮なく言って頂いても結構です。

それから、誤字脱字、アドバイス、ご感想…なんでも大歓迎です。

ではまたっ!!
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン(完結) ( No.7 )
日時: 2007/10/05 20:22
名前: 無双空刃

初めまして。
空蝉の後継者(?)、無双空刃と申します。空蝉がお世話になっております。

読ませて頂きましたが、とても面白かったです。

原作でもSSでも脚光を浴びることの少ない理沙を、とても上手く書けていると思います。
少し女の子っぽいところもあったと思ったら、いたずら好きな面もしっかり出てましたし。
やっぱ、動画研究部員はビデオカメラ標準装備なのか?いや、至る所にあると言われる隠しカメラか?
…まあ、どっちでもいいですが。

クラウスはいつから変態キャラになったのでしょうか?
…ナギのベッドの下に潜り込んでいた辺りからですかね。
登場した時は悪くなかったのに…。

ハヤテ=不幸。
その図式を再認識させてくれた作品でした。
繰り返しになりますが、とても面白かったです。

では、また。

追記:名前が空蝉になってましたね。パソコンが一つ前に投稿した名前で記憶してしまうので、よく間違えるんです…。
今後、気を付けますので。
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください
Re: ボーケン(完結) ( No.8 )
日時: 2007/10/06 19:14
名前: 充電池


いやぁよかった。 ちゃんと書けてましたか、ホッとしましたよ。
ホント理沙は出番があんまりないので大変でしたよ。 (まぁ、だから書きやすい…ていう考え方もありますが…)

そしてやっぱり出しますビデオカメラ!! 動画研究部が登場する小説で、ハヤテが恥ずかしいことをしてしまったら、もうそれは完璧に撮られてると思ってもらっても結構ですね!
でも隠しカメラは犯罪だと思います、はい。

それからクラウスですが、僕の頭の中では完璧に変態……というよりエロオヤジって感じですね。
登場した時はホントに悪く無かったですよね…。(まぁでもエロオヤジキャラのクラウスもいいかも…)


あ、申し遅れ…充電池です。 こんにちは。 (遅すぎだろ…)

ハヤテ=不幸は書きやすいです。 …はい。

ではまたお会いしましょう!! ありがとうございました。
[荒らし報告]←短すぎる投稿、18禁な投稿、作者や読者を不快にする投稿を見つけたら報告してください

Page: 1 |

題名 スレッドをトップへソート
名前
URL
パスワード (記事メンテ時に使用)
コメント

   クッキー保存