くらし
小中高生の4割、食事中も携帯 しからない保護者
「家族のコミュニケーションのためにも、気負わずに『食の活用』を考えては」と話す松川研究員=大阪市北区、サントリー次世代研究所 |
食事中も携帯電話を使う小中高生が43%おり、保護者も「行儀が悪い」と感じつつ注意するのは20%にとどまることが、サントリー次世代研究所(大阪市)の調査で分かった。全員で食卓を囲む回数が限られる中、しつけや小言よりも雰囲気を重視する家族像がうかがえる。(武藤邦生)
調査は二〇〇七年十一月、小中高生の子どもがいる主婦六百人を対象に、インターネットで実施した。
食事中の子どもの携帯電話の使用について、「使わない」は56・3%。ごく少数だが、携帯型ゲーム機を持ちながら食べるというケースもあった。
電話を使う子どもを注意する保護者は「しょっちゅう」「ときどき」合わせて23・7%。「特に注意しない」は20%いた。
また、誤ったはしの持ち方の子どもは六割近くに及ぶが、「注意しない」は11・5%だった。
注意しない理由としては、「食事中は楽しい雰囲気を保ちたい」と答えたのは100%近かった。「多少雰囲気が壊れても、注意やしつけもしたい」としたのは、わずか2・8%だった。
調査からは、仕事や習い事などで多忙な家族の姿も。朝食、夕食に家族がそろう回数は「週一、二回以下」の家庭が半数を超えていた。家族がそろうのが週一、二日程度でも、八割以上の主婦が、子どもとコミュニケーションが取れていると感じていた。こうした傾向は、都市圏と地方都市でほとんど差はなかった。
「母親と娘が一緒にコンサートに行くなど、友達のような親子関係の中では、食卓でも楽しみや雰囲気を優先しているのでは」と松川美穂研究員。「回数よりも中身。せっかくの家族がそろったひとときをどのように過ごすのか、見直してみては」と話している。
■家族で話し合いルール決めよう 野々山・甲南大教授に聞く
新しい家族ライフスタイルを研究する、甲南大の野々山久也教授(家族社会学)に、この調査結果を尋ねた。
◇
一気に普及した携帯電話というツールに、ルールやマナーが追いついていないという印象を受ける。
私が担当する少人数のゼミでも、発表者の横でメールをする学生が、まれにいる。失礼な行為なので厳しくしかるが、本当は早急な返信が必要なメールなのかもしれない。そんなとき、例えばトイレに行くふりをして部屋を出て送信するのなら、それほど失礼に当たらないではないか。それがマナーだろう。
社会全体でルール、マナーをつくるのは難しいが、ゼミや家庭のような小さなコミュニティーならば、それほどでもない。
まずは話し合うことだ。今後の家族は「合意」がキーワードになると考えるが、携帯電話の使い方にしても、話し合って合意に達すれば、ルールが形成される。それを通じて、子どもたちもマナーを学ぶこともできるのではないだろうか。
(3/29 10:02)
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