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檸檬味の飴〜マリハヤ〜(一話完結)
日時: 2006/08/31 12:23
名前: まりも

こんにちは。まりもです。
ネタが浮かんだか書かなきゃいられない性分なため、初めての一話完結ものです。
内容は砂吐き級の甘々です。最近ハヤヒナが多いためあえて、ここはマリハヤにしてみました。

ちなみにマリアさん、超がつくほど積極的です。性格違うかも・・・

では、本編へ

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      〜キスの味は甘酸っぱいとか言われてるけど、
     
       それを改めて、本当だと思った今日の午後です。byハヤテ〜


    
              《檸檬味の飴》


「・・・いい天気だなぁ・・・・」

三千院家の借金執事君、綾崎ハヤテは庭掃除を終えてのん気に空を見上げていた。
8月の空は雲ひとつなく澄み渡り、目に痛いほどの青だ。

「オイ、ハヤテ。」

名前を呼ばれ、振り向くとそこにはお嬢様こと、三千院ナギが立っていた。

「なんですか?お嬢様。」

「さっき伊澄に貰ったんだ。お前にもやる。」

そういってナギが差し出したのは、黄色い紙に包まれたなんだか古風な感じの飴。

「・・・檸檬の匂い・・・・」

「そうか、ハヤテのは檸檬か。私のはイチゴだったぞ。」

そういわれてみれば確かに、ナギの周りからは微かにイチゴの香りがする。

「たくさん貰ったからハヤテにも分けてやろうかと思ってな。」

「ありがとうございます、お嬢様。」

ハヤテは無邪気な笑顔をナギに向ける。
その顔を見るやいなや、ナギの顔は真っ赤になり、ハヤテのバカ!などと謎の理不尽な言葉を残し去っていった。

「・・・なんで怒られたんだろ・・・?」

複雑な乙女心というヤツだ。

「それにしても・・・あんまり見ないタイプの飴だよな〜」

市販のものの飴とは違い、レモンそのまま、といった感じの香りがする。
包んでいる紙も和紙のような高価そうなもので、いかにも伊澄らしいというか、金持ちの食べるものらしい飴だった。

「やっぱり美味しいんだろうな、こういうのって。」

そう言って、ハヤテは紙を開いて綺麗な黄色をした飴を口の中に入れた。

「・・・やっぱり・・・おいひい・・・」

結構な大きさのため、うまくしゃべれない。
でも、その味はいままで食べた飴とは比べものにならないほど甘酸っぱく、美味しかった。

「かんじゃもったいないよね・・・」

一生のうちにこの飴を食べられることはもう二度と無いかと思ったハヤテは味わうことにした。






しばらくすると、だいぶ飴は小さくなった。
舌先に乗るくらいの大きさだ。
このくらいの大きさになると噛んでしまう事が多いが、ここはどうにか耐えないといけないと、ハヤテは思っていた。
貧乏根性とでも言うべきか。

「アラ、ハヤテ君。掃除終わったんですか?」

話しかけてきたのはマリアだった。

「あ、マリアさん。さっき終わりました。」

そう、と言ってマリアは小さく微笑んだ。

「・・・ハヤテ君、なんだかいい匂いがしますね・・・」

「あ、これですよ。お嬢様から貰った飴です。」

「アラ、ハヤテ君も貰ってたの。私も貰いましたよ。ほら・・・・」

マリアは少しだけ舌を出し、残っている飴を見せた。

「マリアさんのはメロン味ですか・・・・」

「ハヤテ君のは・・・・この匂いからするとレモン味ね。」

しばしの間2人の飴談議に花を咲かせた。
そして唐突にマリアがハヤテに言った。

「私ね、実はメロンよりレモン味のほうが好きなんです。・・・交換しませんか?」

「・・・へ・・・?」

ハヤテの思考回路は停止した。

「えっと・・・・あの、交換するって・・・・どうやって・・・?」

「ふふ・・・こうするんですよv」

いきなりマリアの顔が近づいてきた。少し頬が赤らんでいるようにも見える。

「えっ!!?あっ・・・えっ!!??」

ハヤテはいきなりのこの状況に対応しきれない様子だった。軽くパニック状態に陥っていた。

「落ち着いて、ハヤテ君。」

優しく肩をつかまれ、抵抗できなくなった。

マリアの顔はもう、目と鼻の先まで迫っている。

でも、嫌な気はしなかった。むしろ嬉しかった。

やっぱりいくら女顔でも男なんだからこういうシュチュエーションは嬉しいものだ。

・・・普通は男からいきそうな場面なのだが・・・

そんなことを考えてるうちに、マリアの顔がさらに近くなっていた。

「マッ・・・マリアさんっ・・・!?」

「・・・ハヤテ君・・・・」



        〜好きです〜




小さくて聞き取れないくらいの小さな声だったが、この至近距離で言われれば聞こえて当然の声。
その言葉が聞こえた瞬間、マリアの唇がハヤテの口に触れた。


「!!?」


マリアの舌が口の中に入ってきた。
そして器用にハヤテの口の中にある残った飴をさらっていった。
その飴の代わりに、マリアのメロン味の飴が舌の上に乗せられた。


一通りその作業が終わった後、やっとマリアの口が離れた。



「はぁ・・・はぁ・・・・マリアさん・・・さっきの・・・・」

さっきの言葉は?とハヤテは聞こうとした。

でもマリアは笑顔でこう言った。

「だって、キスをするんだったら気持ちが繋がってないと嫌じゃないですかv」

「・・・あの・・・へんz・・・・」

返事を返そうとしたとき、またもやマリアの言葉にかき消された。

「・・・うんvやっぱりレモンのほうが美味しいですねvそれじゃあ、ハヤテ君。ありがとう。」

「あ!マリアさん!」

マリアは走ってその場を去っていってしまった。
ハヤテの返事を聞かずに。

マリアが居なくなってしまったこの場所で、ハヤテは小さな声で言った。



「・・・僕も・・・好きですよ・・・マリアさん。」



マリアにはきっと届いてないだろうけど、きっとマリアも同じ気持ちのはずだ。

気持ちは繋がってるはずだ。




「・・・はぁぁ・・・・なんだか、マリアさんのほうが男らしい・・・っていうか積極的だったなぁ・・・だめだなぁ・・・・男としてこれは・・・」

自分のへたれさに失望しつつも、顔は少しだけ笑っていた。





口の中はさっきまで入っていた、檸檬の味と、マリアの飴のメロンの味が混ざり合って、なんとも歪な甘酸っぱい味になっていた。

あまり美味しい味とはいえないけど、
それがなおさら自分とマリアのように思えて
ハヤテは一人でフフっと笑った。


「・・・今度、僕から気持ちを伝えなくちゃなぁ・・・」



その今度がいつになるかは、まだ、今は分からないけど、
この味を忘れない限り、この甘酸っぱい気持ちも忘れない。


だから、

いつかは

この気持ちも

自分から



伝えられる。



・・・・はず。




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予想以上にハヤテがヘタレになった!
・・・さて、ハヤテ君はじぶんからマリアに言うことができたのでしょうか?
それは皆様方の想像力にお任せしますv
では、お付き合い頂きありがとうございました!

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Re: 檸檬味の飴〜マリハヤ〜(一話完結) ( No.2 )
日時: 2006/09/19 02:01
名前: 八田 雨渡河

なはははっ!!!
私は基本的にヒナも好きだがマリアの方が好きなのでとてもよかった。
つーかもう「わたしね、実は…」のところなんか
がはっ!!!と血を吐いて倒れそうになりましたよ
大胆マリアさんは原作でもたまに出ているけどこういうマリアさんは大好きです
がんがん積極的にいくべきです。
つーわけでまたこういう作品作ってくださいね〜
たのしみにしてま〜す
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