日本の総合家電メーカーをとりまく環境
マネー資本主義、別名株価至上主義。これが現在の日本の総合電気メーカーを揺さぶっています。
経営陣に求められるのは「選択と集中」。要は利益の出る事業だけを行い利益率を高め、株価を上げるということです。
会社が株主のものであるというアメリカ式資本主義の中では、経営陣の目的は株価を上昇させることであり、それは仕方のないことです。近年起こっている事例をまとめて見ました。
これらの事例は、「自主的か外部からの圧力か」という違いはあるものの、いずれも「株主への還元を重視している」という意味では共通しています。なぜこのような圧力に晒されているかというと、株式を上場している意味がここ数年大きく変わってしまったのが原因です。
株式を上場する意味
企業はなぜ株式を取引所に上場するのでしょう?そのメリットとデメリットは?基本的な問題ですがここが今回の出発点です。
一般的に、企業は新規の事業資金を調達するために上場します。上場するためには上場後の情報公開や法令遵守に対応できる会社の体制が求められます。上場後、会社はいわば「社会の公器」となり知名度が上昇し、社債の発行や株式の追加発行など資金調達が容易になる一方、資金の使い道と業績を常に株主に監視されます。創業者にとっては、株式の評価額が決まり、売買が容易になることからExit(会社価値の現金化)という意味もあります。
日本の株式市場を歴史的に振り返ってみましょう。銀行を中心とした間接金融システムの元、銀行と企業で株式の持ち合いが行われました。銀行は株式を保有することで安定した利益を確保し、企業も利益より安定性を重視した経営戦略を行い、日本の経済成長を支えてきました。
1990年以降の株価の下落と会計制度の変更(資産の時価評価)により状況が一変しました。持ち合い株式は価格下落により大きな含み損を抱え、持ち合いの解消と株価下落という厳しい局面を経験しました。
そしてその後待ち受けていたのは「資本市場の自由化」と「株式市場の国際化」でした。株主は国際化し利益の還元を求めるため、もはや日本流の経営は許される時代ではなくなってしまったのです。
日本式経営のメリットとデメリット?
経営の効率性という意味で否定されてきた日本式経営ですが、本当に悪いものなのでしょうか?