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騒乱の地ラサ、緊迫ルポ! 欧米メディアが初取材 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:アジア・オセアニア
騒乱から約2週間となるのに、チベット地区では建物が焼けこげたにおいが鼻を突いた。食料品雑貨店を経営する朝鮮系の男性によると、漢族の多くは騒乱で生計を立てる術を失い、「多くの人々は家賃が支払えず、(ラサから)出ていかざるを得なくなっている」という。騒乱後、初めて開店した数少ないバーでチベット族の教師2人が痛飲していた。そのうち1人は、「基本的に外出は禁じられていた」と話した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル・アジア版(WSJ)は、目撃者の話として、騒乱が起きた14日、チベット族は漢族に加えてイスラム教徒とも衝突、モスク(イスラム礼拝所)に放火したと伝えた。ラサで取材団が見せられたビデオには、イスラム教徒の商店やモスクに放火する様子が映っていた。チベット族の教師は同紙に、「お願いだから助けてほしい」と言い、漢族の女性は「チベット族が怖い」と語った。
取材規制
具体的な制限はなかったが、取材には有形無形の規制がかけられたようだ。AP通信によると、26日に空港からラサ市街地に入る際、取材陣が乗ったバスは記者らが急ぐよう求めたにもかかわらず、65キロの道のりを90分かけ、わざとゆっくりと走ったという。
26日夜、チベット地区では部分的に夜間外出禁止令が出された。「ここチベットはとても危険なのだ」。ある治安部隊員は、こうWSJの記者に言い、立ち去るよう求めた。
「抗議行動や暴動などについて自由に話ができるチベット族はごくわずか。主要道には大規模な治安部隊が巡回し、通行人に身分証明書の提示を求め、周辺の重く抑圧された雰囲気を強めていた」−。FTの記事は取材団に共通する思いのようだ。