喜代美(貫地谷しほり)が入門してから、2年半の月日が流れた。徒然亭一門の寝床寄席もすっかり 定着し、今や立ち見が出るほどの盛況ぶりだ。一門会の最終日、天狗芸能の鞍馬会長(竜雷太)が 突然現れる。そして12月25日に天狗座で一門会を開くよう、草若(渡瀬恒彦)に伝える。 念願の晴れ舞台への復帰に喜びを爆発させる一同だが、一人小草若(茂山宗彦)は浮かない。 最近はかつての勢いもうせて落ち目となり、レギュラー番組がどんどん減っていたのだ。小草若は 焦りからけいこにも身が入らず酒浸りになるが、ある日酔った勢いでライバル落語家の尊建(波岡 一喜)を殴ってしまう。だが店に居合わせた草々(青木崇高)がとっさに自分が殴った、と小草若を かばう。草々はかねてから小草若に落語家として大成してほしいという草若の思いを強く感じていた のだった。だが一門会のために暴力を認めることができない草若は、断腸の思いで草々を破門にする。 そして必死に追いかける喜代美の思いもむなしく、草々は消えてしまう。草々の身を案じる喜代美の 姿を見て、草原(桂吉弥)がおもむろに、草々と草若の運命の出会いを話し始める。
喜代美(貫地谷しほり)が徒然亭一門に入門して、2年半が過ぎた。一門の開く「寝床寄席」は 着実に客を集めるようになり、今や立ち見が出るほどの盛況ぶり。草々(青木崇高)を始め皆固定客 がつくが、小草若(茂山宗彦)は一人レギュラー番組が減り、浮かない顔だ。 そんなある日、草若(渡瀬恒彦)の元に天狗芸能の鞍馬会長(竜雷太)が突然訪ねてくる。
鞍馬会長(竜雷太)から、暮れの12月25日に天狗座で一門会を開くよう依頼を受けた徒然亭一門。 喜びでいっぱいの中、喜代美(貫地谷しほり)はさらに草若(渡瀬恒彦)から「一門会で落語を うまくできたら、今年いっぱいで内弟子修業は終わり」と言われる。初ネタの「ちりとてちん」を 再びかけるべく、喜代美は前に増してけいこに励む。しかし小草若(茂山宗彦)は気乗りしない様子で、 けいこにも現れない。
飲んだ席で小草若(茂山宗彦)はライバル落語家の土佐屋尊建(波岡一喜)ともめ、つい手を 出してしまう。だが居合わせた草々(青木崇高)は小草若をかばって「自分が殴った」と言いだす。 にわかに信じられない喜代美(貫地谷しほり)。一門会に向けての準備中の不祥事に、草若(渡瀬 恒彦)は鞍馬会長(竜雷太)の元を訪ねて謝るが、どうやって責任をとるかと言われ、ある苦渋の 決断をする。
草若(渡瀬恒彦)が草々(青木崇高)に下した処分は、破門だった。止めようとする喜代美 (貫地谷しほり)を振り切って、草々は家を出てしまう。姿を隠していた小草若(茂山宗彦)が 現れ、実は自分が殴ったと話すが、すでに草々の行方はわからなくなっていた。何故草々が小草若の 罪をかぶったのか、いぶかしがる喜代美。草原(桂吉弥)は、かつて草々が草若(渡瀬恒彦)に 弟子入りしたいきさつを話し出す。
突然小草若(茂山宗彦)に抱きしめられた喜代美(貫地谷しほり)。それは小草若の一世一代の 告白だったが、喜代美は思わず突き放してしまう。喜代美の気持ちが草々(青木崇高)にあることを 改めて知った小草若は、入門以降、つねに草々に遅れをとってきた過去の思い出を話し出す。 そして自分が殴ったということを草若(渡瀬恒彦)に話す、と言う。だが喜代美は、このまま草々が 殴ったことにしておいてほしい、と言いだす。
一門会に向けてまとまらない兄弟子たちの姿に、喜代美(貫地谷しほり)は草若(渡瀬恒彦)の 制止を振り切り、草々(青木崇高)を探して飛び出してしまう。おりしも振りだした雨の中、草々を 探して歩く喜代美は、かつて若き日の草々が草若(渡瀬恒彦)と出会った寄席会場の跡にたどり着く。 一方、殴られた尊建(波岡一喜)が突然、草若の元を訪ねてきて……。
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