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漢族の天安門事件亡命者も参加
(P.2) 2千人が「中国はチベットから出て行け!」
◆2千人が「中国はチベットから出て行け!」
参加者は六本木通りをデモ行進したが、中国大使館前を通ることはできなかった。警察に許可されなかったのだ。それでも中国大使館に届けとばかり、弾圧の不当性を叫び訴えた。「宗教の自由を! パンチェン・ラマ(※注)を返せ」「中国はチベットから出て行け」。……血を吐くような声が六本木通りに響いた。
デモ隊の列は長さが150メートル以上あった。
在京地上波のテレビ局もデモを取材・放送したが、オンエアされるのは「フリーチベット」など差し障りのない言葉だけだった。中国政府の機嫌を損ねれば、北京駐在の支局が「お取り潰し」に遭うからだ。
集会が始まった時500人余りだった参加者は、デモが終る頃には約2,000人に膨れあがっていた。日本の僧侶たちも参加した。「日光修験道」の山口峰隆さんは「同じ仏教徒が大量に殺されるのは耐え難い。お釈迦さまの弟子として他人事とは思えない」と唇を噛む。
「中国人民解放軍の軍用機がチベットの僧侶1,000人以上を乗せて連れ去った」とする現地からの情報もある。
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(※注)パンチェン・ラマ
1995年、ダライ・ラマが認定したチベット仏教界のナンバー2。阿弥陀仏の化身と言われる。認定された直後に中国政府によって拘束された。当時6歳で、「世界最年少の政治囚」と呼ばれた。現在は家族と共に北京に幽閉されている、との説が有力だ。
中国政府は代わりに、自らに都合の良い別の少年をパンチェン・ラマに仕立て上げている。チベット仏教を抹殺するものとして国際社会から批判されている。
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