記事一覧選択画面に戻る |
市、道立紋別病院、医師会が記者会見〜一次救急、当面9月まで維持
(3月29日付け)
紋別市の救急医療体制が4月から変わる問題で、紋別市、道立紋別病院、紋別医師会、紋別保健所の4者は28日、重症患者などの二次救急の受入れについて遠軽厚生病院に協力を要請。その結果「できる限りの協力をする」と了解を得た。同日夜、市、道立紋別病院、紋別医師会の3者が紋別市役所で記者会見して発表した。今後は北見赤十字病院や名寄市立病院などにも協力依頼を行う予定だという。道立紋別病院の4月からの夜間・休日の救急については、これまで行ってきた二次救急を休止し、紋別医師会の輪番体制に道立紋別病院が加わる形で一次救急に限って対応を行っていく体制となる。ただ輪番の期間については今年9月までとしている。
一次救急への対応を当面9月までと限った意味について道立紋別病院の及川郁雄院長は、医師の疲弊を訴え「我々も紋別医師会も、いつまでもズルズルと続けていられない。一次救急は紋別市が考えるべきことで、我々も人材不足が厳しいなか、(9月以降も)要望通り応えられるか分からない。市が救急センターをつくるなどの考え方もあるだろう。(現在、西紋5市町村と道で協議を進めている)広域連合では救急を担うセクションも予定されているので、今後の取組みに期待しているし、その進捗を見たい」と述べた。及川院長は広域連合の設立に期待する一方、その協議がはかどらなければ今後の紋別市の救急体制が崩壊することも示唆した。
紋別医師会の小林正司会長も「当面、我々の輪番制に道立紋別病院が加わっていただけることは、我々の負担軽減というメリットもあり、感謝している。ただ、地元医師会も医師の高齢化が進んでいて、平均年齢が65歳で、当番医の最高齢が80歳になるなど、厳しい状況にある。医師会としても平成9年頃から、市に対して将来の救急は大変なことになる旨を伝え、対策を求めていたが、市から具体的な対応策は示されなかった」と市に対する不満もにじませた。
当面は、市、医師会、道立紋別病院、紋別保健所の4者で合意した、一定の救急ルールにのっとり、患者数などの推移を見ながら対応にあたっていくという。
ただ道立紋別病院では平日の日中の救急についてはこれまで通り受け入れるほか、小児科や妊産婦の二次救急の受入れは行っていく考え。及川院長は「大幅な縮小となるが二次救急を完全にやめるわけではない」と話した。
宮川良一市長は記者会見で、依然として非常事態であることから「不要不急の救急車は利用しないでほしい」と市民に呼びかけると共に「広域連合の実現に向けて、道からの人材派遣も期待しているし、積極的に取り組みたい」と決意を述べた。
(記者会見する宮川市長(中央)、道立紋別病院の及川院長(左)、紋別医師会の小林会長=写真=)
記事一覧選択画面に戻る |
(C)株式会社 北海民友新聞社 1998-2008