HondaモータースポーツF1 〉RA106
12345Spec
F1のパワステは、ステアリングを“軽く”するためのものではない。

現在では搭載されていないが、F1に電動パワーステアリングを導入したのはHondaが最初である。ジャック・ビルヌーブがB・A・R Hondaに所属していたとき、「油圧のパワステを載せてマシンが重くなるぐらいなら要らない」と言ったことから、Hondaは軽量な電動パワステを開発しF1に初めて搭載したのだ。そのパワステ搭載マシンをドライブしたビルヌーブは、あまりの運転のしやすさに「もうパワステなしでは乗れない」と語ったという。

F1のマシンは、重量が軽いため静止時のステアリング操作(据え切り)はきわめて軽く、一般車と違いパワステはまったく必要ない
メカニックが、ピットインしたマシンのステアリングを片手で軽々と回すシーンをよく見かけると思う。また、走行中もステアリングを“切る”操舵はドライバーにとってそれほど苦ではない。

F1でパワステが必要なのは、高速コーナーでステアリングを切ったままの状態を保っているとき。強烈な横Gが掛かり、強い力で戻されそうになるステアリングを保つのは、ドライバーにとって相当きつい操作。したがって、F1マシンのパワステは、一度切ったステアリングが、戻ろうとするのを抑えるためのものであり、ステアリングを軽くして回しやすくする一般車とは異なる制御を行っているのだ。ちなみに、電動が禁止された現在のF1のパワステは、油圧式となっている。
エンジン重量1kg当りの馬力で比べるとHonda F1はS2000の6倍以上。
Honda F1エンジンは排気量2.4リッターなのに3.2リッター吸気する。
約5.2秒でNSXは時速100kmに、Honda F1は時速200kmに達する。
Honda F1のアクセルオフは、NSXのフルブレーキに匹敵。
F1のパワステは、ステアリングを“軽く”するためのものではない。
フォーミュラワン[BAR Honda 007]は、Hondaの最高峰の技術が注ぎ込まれた一台のクルマです。 そのクルマとはどのような性能を持っているのかトピックスを交え、わかりやすくご紹介いたします。

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