茅野市の組合立諏訪中央病院は28日の病院組合議会全員協議会で、現在休止している分娩(ぶんべん)の取り扱いについて「6月中旬をめどに再開したい」との方針を明らかにした。再開には産婦人科の常勤医2人の確保が必要としてきたが、1人を4月から病院内の配置替えで確保し、もう1人についても「(外部の医師で)交渉が最終段階にきている」という。出産の受け入れを休止してから1年、住民の要望が強かった再開に向け、状況が整いつつある。
病院の説明だと、新たに4月から、現在内科医として統括診療部長を務める吉沢徹医師が婦人科を受け持つ。同医師はかつて別の病院で産婦人科医として勤務していた経験があり、再開されれば分娩を担当する。交渉中のもう1人の常勤医については「男性の産婦人科医」とのみ明らかにしている。
従来は限定的に対応していた婦人科外来も、4月からは週4日に増やし、吉沢医師と非常勤医2人で診療し、5月からは週5日にする予定。併せて分娩再開に向けた準備も進めていく。
全協後の取材に対し、浜口実院長は「地域のために何とか再開したい」と話し、大型連休すぎにはその時期を明確にしたい考えだ。再開された場合の対応について院長は「最初から大勢を診ることは難しい。様子を見て徐々に(分娩数を)増やしていきたい」とした。
同病院では2005年度に約300件の分娩を取り扱ったが、2人いた常勤の産婦人科医が派遣側の大学病院の意向による異動などで不在になり、昨年4月から休止している。浜口院長らが中心となり医師確保に務めており、昨年11月からは同市と原村で確保の現状などを住民に伝える懇談会を開くなど状況を説明してきた。
現在茅野、富士見、原の3市町村で分娩を取り扱っているのは同市内の開業医1カ所のみ。富士見町の県厚生連・富士見高原病院は来年4月からほぼ5年ぶりに分娩を再開することを決めている。