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存廃の岐路 3セク鉄道・秋田内陸線

 「内陸線うどん」というストレートなネーミングの新商品が2月末、北秋田市内のスーパーに並んだ。パッケージには内陸線車両のイラストが描かれている。200グラム入りで98円(税込み)。地元特産のヤマノイモを使っているのが特徴で、こしの強さが売り物だ。

「内陸線うどん」を発案した村上さん。新製品のアイデアも練っている

 開発したのは村上史一さん(35)=北秋田市松葉町。鷹巣地区で60年間続くそば店「池田屋」の専務を務める。昨年は鷹巣阿仁青年会議所の一員として、内陸線存続をテーマにフォーラムも開いた。

 同地区ではこの春以降、郊外の栄地区に大型商業施設が2店オープン。来年秋には、JA北秋中央病院が統合して移転する。中心市街地にある古くからの商店にとって、空洞化は間近に迫った問題だ。村上さんは「この上、内陸線までなくなったらどうなるのか」と危機感を募らせながら商品を開発した。食感が評判を呼び、売り上げは好調という。

 内陸線うどんは4月から、阿仁合駅構内の食堂「こぐま亭」に登場する。馬肉やゆで卵などの具を乗せ、450円(税込み)で売り出す。こぐま亭を経営する庄司スーパー=同市阿仁銀山=社長の庄司勉さん(48)は「内陸線の名物として観光客にアピールしたい」と話している。

 秋田内陸縦貫鉄道がホームページで内陸線うどんを取り上げたところ、池田屋には県外からの問い合わせもあった。こぐま亭はこれまで他社のめんを仕入れていたが、村上さんが「内陸線利用者に、ぜひ地元のヤマノイモを使ったうどんを食べてほしい」と庄司さんに売り込み、販売が決まった。

 千葉県の銚子電鉄は、1995年から自社施設でぬれせんべいなどの土産品を製造し、各駅の売店や地域のスーパーで販売。ぬれせんべいの売り上げが鉄道事業の売り上げを超えるほど人気を博している。同社は「地元のしょうゆを使ったことも人気が出た要因の一つ」と話している。

 村上さんにはさらに、新商品のアイデアがある。ヤマノイモを材料に使ったうどんの乾めん。県外向けの高級商品として売り出すのだという。「内陸線を利用できる特典付きチケットも同封し、乗客増のきっかけにしたい」。存続か廃止かの岐路に立つ内陸線沿線で、地域の足を絶やすまいと住民が知恵を絞っている。

<完>

2008.3.28付

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