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<子供の将来>「高学歴」志向の母親増える 学力への不安募り

3月24日13時37分配信 毎日新聞


<子供の将来>「高学歴」志向の母親増える 学力への不安募り

小学5、6年生の平均教育費のグラフ上が中学受験予定あり、下がなし(ベネッセコーポレーション提供)

 小中学生の母親が、子供に高学歴を求める傾向が強まっていることが、ベネッセコーポレーションの「子育て生活基本調査」で分かった。学力低下への不安が高まったことが背景にあると、専門家は分析している。

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 調査は、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県在住で、小中学生の子供を持つ保護者約1万人を対象に07年9月、質問紙に記入する方法で実施。回答があった約7300人のうち、母親約6800人のデータを分析した。母親の平均年齢は42歳。小学生では4割、中学生では3割が専業主婦だった。調査は98年、02年に続き3回目。

 子供の学力について、「できるだけいい大学に入れるよう、成績を上げてほしい」と考える母親は26%。98年調査では18%で、02年の20%から一気に6ポイントも増えた。逆に「学校生活が楽しければ成績にはこだわらない」「高学歴よりも、資格を身につけるほうが将来役に立つ」は02年と比べ7〜5ポイント減っており、学歴を重視する傾向が分かった。

 子供を4年制大学まで進学させたいと考える母親は56%で、特に、大学卒の母親では71%に上る。同社の06年の調査では、東京都内の小学生のうち「4年制大学まで」を希望するのはわずか18%にとどまっており、対照的な結果になった。

 調査を担当した同社教育研究開発センターの木村治生室長は「90年代は学歴価値が下がる傾向だったが、社会的に子供の学力低下への不安が高まり、きちんと勉強してほしいという思いが学歴意識として出てきている」と分析する。子供たちも、海外の都市と比較するとまだ意欲が低いが、国内の経年変化を見ると、ここ5年ほど勉強志向が強くなっているという。木村室長は「親に勉強をさせられ、学校の宿題も増えていることが、子供たちの意識にも影響している」とみる。

 また、学校以外の習い事、塾などの費用は02年より1203円増え、1カ月1万9438円。小学5、6年生の教育費は中学受験をするかどうかで二極化している。受験をしない家庭は1カ月1万1698円で、98年からほぼ変わらないのに対し、受験をする家庭は4万6931円で、98年から4431円増えている。

 一方、母親が子供の教育への関与を強めている中、子供の成長を実感する機会が減っていることも分かった。「決まった時間に起床・就寝」「遊んだ後の片づけ」など、基本的な生活習慣が「できる」と答えた割合も、02年と比べ減った。

 「子供がすることを親が決めたり、手伝ったりする」は半数を超え、98年から11ポイント増えたが、「勉強のことは子供にまかせている」は40%で、同9ポイント減。子供が成長したと感じることが「よくある」のは、98年の74%から大幅に減り、57%にとどまった。

 木村室長は「今回の調査で、母親の一生懸命な姿が現れた。子供の成長を感じられないのは、母親が子供を構いすぎて期待値が上がっているためではないか。親の関与が密接な子供は学力が高く、精神的にも安定するという別の調査もあるが、度が過ぎると子供の自立を妨げる。適度な距離感を考えるきっかけにしてほしい」と話した。【岡礼子】

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最終更新:3月24日13時55分

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