■□■スタッフコラム■□■

第2回 ゲームプログラマーの仕事 中嶋知彦


執行役員兼プログラマ 中嶋知彦

〜ゲームプログラマーになろうと思ったきっかけ〜

 たしか高校生の時だったと思います。「ファミコン」が発売されるよりも一世代前の、家庭用テレビゲーム機が、本体に数種類用意されている簡単なゲームを切り替えて遊ぶだけの物だった時代。そんな時代に、友人の家で初めて「パソコン」に出会いました。

 家庭用テレビゲーム機では、「ブロック崩し」や「テニス」等の単純なアクション系のゲームが多かったのですが、その友人のパソコンで体験した「アドベンチャーゲーム」は、自分が主人公となり物語を進めていくという、今までに体験したことの無かった面白さがありました。すっかりパソコンゲームにハマってしまった私は、今度は実際に、自分でゲームを作ってみたい!と強く思うようになり、これが、私がゲームプログラマーになろうと思ったきっかけになりました。

〜ゲームプログラマーへの道〜

 とにかく、ゲームを作るための知識を身につけたい!と思ったのですが、当時、実際に何から勉強してよいかが分らなかったので、高校を卒業した後にプログラミング技術を取得する為の専門学校へ行く事を決めました。しかし当時はゲームプログラマーという職種の知名度がなく、私が選んだ専門学校での授業も、COBOLやFortran、BASICなどのプログラム言語を教えるだけで、ゲームプログラマーとして必要な知識は教えて貰うことはできませんでした。

 このままではダメだ!と思った私は、思い切って直接、あるゲーム会社へ履歴書を送り、面接をしてもらう事にしました。ゲームプログラマーとしての知識は全く無い状態で、もちろん不安もありましたが、私の熱意が通じたのか無事に採用してもらうことができ、ゲームプログラマーとしての道がスタートしました。19歳の秋のことです。

〜ゲームプログラマーで苦労する事〜

 次に、実際の現場での話を少しだけしましょう。1本のゲームソフトを完成させる為には、プログラマはもちろん、仕様書や企画書を作成するプランナーや、現場を取り仕切るディレクター。キャラクタや背景などをデザインするデザイナーや、効果音やBGMを作成するサウンドクリエイターなど、沢山の職種とスタッフが関わっています。

 プログラマの作業の例として、デザイナーが作成したキャラクターを、プランナーが作成した企画書の文章や絵コンテの指示に沿って、ゲーム画面上で動かす作業があります。これはもちろんプログラムによって実現させることになり、キャラクターが意図した通りに画面上で動くのは、とても嬉しいものです。ところが、画面が正しく表示されなかったり、キャラクターが表示されなかったり、キャラクターが動かなかったり…等々、予期せぬ動作になるとプログラマーは大変です。

 何故表示されないのか?何故動かないのか?という原因を追及する作業が一番苦労します。そういう苦労があるのを分かっているのにゲームプログラマーでいるのは、何故なんでしょうね?たぶん、原因が究明出来た時の喜びもありますが、自分が好きなゲームプログラマーという仕事をしているからなのかもしれません(笑)。



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