現在位置:asahi.com>ビジネス>今日の視点(情報提供:ケン・ミレニアム株式会社)> 記事 年間目標利益率の達成度合いでリスク管理をする2008年03月27日 <要点> 一年間終了した時点で、自分の投資資金を「何%で運用する」という目標を立てたときの数値が“年間目標利益率”です。この“年間目標利益率”は、自分の投資が計画通り進んでいるのかをチェックできると同時に、リスクも管理することもできます。 <本文> 本日の国内市場は米国市場が大幅続落となった影響から、朝方から売りが優勢となり前日比マイナス102円の続落となりました。 下げのきっかけとなった米国市場では、発表された経済指標が予想を下回ったことや金融機関の業績の見通しが引き下げられたことによって信用リスクが意識されたことが、下落の原因となったようです。 一方、国内市場の下げを米国市場の影響と考えることは誰でもできることですが、直近で3/17に付けた11691円の安値から3/25までに5営業日で9.4%の上昇となっていたことをあわせて考えると、いったんはスピード調整があってもおかしくないタイミングであったと思っています。 依然として株式市場を取り巻く環境は、『サブプライム問題』に関連し、金融機関の新たな損失計上や業績の下方修正、そして景気の減速懸念につながる経済指標の発表があると素直に下げ、その後短期間のリバウンドが続いている環境といえます。 以前のレポートでもお話したとおり、『サブプライム問題』が大きく取りざたされるようになってから、株式市場では大きく下がった後の反発に1つの規則性があることがチャートをチェックするとわかります。
このように直近3回の反発を見てみると、下値同士を結んだ線の角度が毎回同じ角度になっていて、1回当たりの反発の中には毎回2本程度の短期上昇ラインが引かれていることが分かります。 そして、最初の上昇が止まって次の上昇が始まるまでのタイミングを『押し目』でチェックすると、いずれも2/3押しの水準で株価の調整が終わり次の上昇がはじまっていることが分かります。 もちろん、株式市場の動きはどうなるかを知っている投資家はいませんので、今回もこの規則性が当てはまるのかどうかはいまの段階で判断することはできませんが、投資家によっては売買タイミングを計る際の参考にすることができると思います。 本日の下げが直近の上げの調整と考えるならば、これまで続いたリバウンドのときと同じ角度で引いたラインが下値支持線になると考えられますので、その価格帯である12000円前後をポイントとして考えることができます。 一方、直近の9.4%の上昇に対する押し目ラインを表示して2/3押しとなる水準を見ると、上述した価格帯と同じ12000円前後となっていますので、株価が調整して12000円前後の価格帯まで下がってきたときを買いタイミングとして考えるという戦略をとることができます。 しかしながら、このタイミングで投資をしても良い投資家は一定の条件を満たしている投資家です。なぜなら、直近の上昇に対しての押し目で買いタイミングを計るわけですから、予想通りの動きになれば利益を狙うことができますが、予想通りにならなかった場合は損切りする必要が出てくるからです。 その条件とは2つあります。 なぜなら、今も株式市場を取り巻く環境は大きく変化していませんので、悪いニュースや経済指標が出れば大きく下げる可能性が残っています。依然として悪い材料に敏感に反応する状況=リスクの高い環境に変化はないと考えられるため、「予想した動きと違う」と感じたときは、リスク回避の行動が必要になるからです。 そして2つ目は、ここまでの投資成果が計画以上になっていることです。 ということは、ここまでの投資成果が計画通りになっていない投資家や計画通りになっている投資家は、少なくともリスクが高い環境で「無理をして投資する」必要はありませんから、自分が勝てると自信を持って判断できるタイミングまで“待つ”ことが今の環境で取れる戦略だと思います。 ただし、あらかじめ立てた計画以上に投資成果が出ている投資家であっても、リスク管理を無視して投資しては何の意味もありません。どういうことかと言いますと、いまの自分が取れるリスクをきちんと把握して、その範囲内で投資できる投資金額を決め市場環境に合った目標利益率を設定したり、損切り率を設定する必要があります。 目標利益率の設定については、チャートでその銘柄に短期波動を表示して直近の上昇率をチェックし、何本かの短期上昇波動の上昇率を参考にして「何%で設定すれば確実に売れそうだ」という上昇率を使って設定します。このときにできるだけ大きく儲けたいと考えて一番高い上昇率を使うのではなく、悪くてもこのくらいは上がると思える上昇率をつかって決めます。 次に損切り率ですが、これは『私のポートフォリオ』の中の『年間目標利益率&年間目標利益額グラフ』を参考にします。この中であらかじめ設定した年間目標利益率に対して、いまどのくらいのペースで投資できているのかをチェックすることができます。 自分の目標に対して、実際の投資成果が年率換算で何%になっているのかを確認し、目標と実際の差が“いま自分が取れるリスク許容度”になりますので、上回っている分の範囲内でリスク管理をする。 つまり、その範囲に収まるように損切り率を設定すれば、目標利益の達成ペースを崩さずに投資を続けることが可能になります。 基本はむずかしい環境や自信が持てない環境では「無理をしてまで投資する必要はない」ことですが、マネジメント投資を実践する上で年間目標利益率を使えばこのようなリスク管理も可能になります。 年間目標利益率や取引データをまだ入力していない方は、『私のポートフォリオ』で年間目標利益率を設定し、いま保有している銘柄の買い値と株数を『売りたいシグナル』に、すでに終わった取引の買い値や売り値、株数を『売買ノート』に入力すれば自動で数値が表示されますので、ぜひ入力してください。 レポート担当 森田英俊 【時事戦略レポート】話題のテーマで考える株式投資 【チャートに強くなろう】 【株式投資で知っておいたほうが良いこと】 PR情報今日の視点 バックナンバー
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