産科の医師不足に悩む勝山、大野両市はそれぞれ、地方財政再建促進特別措置法の改正(今月19日、即日施行)に基づき、福井大学付属病院に250万円の寄付を決めた。両市は市長の専決処分で07年度3月補正予算に予算計上する。寄付金は産科の運営費などに使われる予定。
同病院はこれまで、異常分娩(ぶんべん)など特別なお産しか診ていなかったが、昨年、奧越で唯一産科のあった福井社会保険病院(勝山市)が分娩業務を休止したため、両市内の妊婦を引き受け、普通分娩業務も行うようになった。このため、医療機器の補充に約2300万円をかけた。
両市は「強力に支援する」として、福井大付属病院に機器購入費補助を検討していたが、地方公共団体から国などへの寄付を禁じた同法の壁に阻まれていた。
総務省は、勝山市をはじめ複数の自治団体から国立の医療機関への寄付を認めてほしいという要望が寄せられたことを受け、同法を改正。「特別な医療を提供している病院などの医療機関」に対し、総務大臣の同意が得られれば寄付できるようになった。【菅沼舞】
毎日新聞 2008年3月28日 地方版