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【前方部隊で銃乱射事件】犯行後、GP戻り平然と勤務

 19日午前2時30分頃、京畿(キョンギ)道・漣川(ヨンチョン)郡・チュン面の中部前線非武装地帯内のGP兵舎。

 この日0時を境に、警戒勤務に投入されていたキム・トンミン(22)一兵が内務班(兵営内で起居する際の最低単位)に姿を現した。片手には手榴弾が握られていた。内務班の兵士たち25人は眠っていた。

 キム一兵は手榴弾の安全クリップと安全ピンを抜き、先任兵らがいる方向めがけて投げた。「ドカン」という音と共に内務班内は修羅場となった。さらに「バンバンバン」という小銃の音が続いた。

 キム一兵がほかの兵士のK-1小銃に自分の弾倉を装填し、暗闇の内務班にむけて銃を乱射したのだ。これにより内務班内だけで5人が即死し、3人が重症を負った。負傷者の1人は病院に運ばれたが結局死亡した。

 キム一兵の銃撃はさらに続いた。内務班を出た後、隣の体力鍛錬場兼休憩室から出てきたGP長(歩哨長)のキム・ジョンミョン(26/学生軍事教育団41期)中尉とぶつかった。除隊をわずか10日後にひかえていたキム中尉は、兵士らを歩哨所に移動させた後、兵舎に戻る最中だった。

 キム一兵はこのキム中尉に向けても銃を発射させた。これに続き、炊事場で水を飲んでいた兵士1人にも発砲した。2人共その場で死亡した。キム一兵はこの日、手榴弾1個と25発入りの弾倉2つ、合わせて44発を乱射した。キム一兵は検挙された直後、「勤務の交代者を起こすため内務班に行ったが、普段から言葉の暴力といじめを受けてきた先任兵の顔を見たら腹が立ち、事を起こした」と話したと伝えられた。

 キム一兵はキム中尉と業務の引継ぎのため勤務中だった副小哨長にも銃を発射させたが、副小哨長は幸いこの銃弾に当たらなかった。暗闇の中だったため、犯人を確認できなかった副小哨長は、約10分後、警戒兵を全員練兵場に招集させた。

 この日の勤務はキム一兵を含め、2人ずつ4つのチームで構成された計8人だった。キム一兵は犯行後、自分が見張りに立っていた楼台型の警戒歩哨所に戻り勤務をしていた。自分が犯人であることを隠していたのだ。

 副小哨長は8人の弾倉をひとつひとつチェックしたところ、キム一兵の弾倉が空いているのを確認、追及の末、自白させた。キム一兵は歩哨所に自分の小銃を戻し、手榴弾と実弾の入った弾倉だけを所持したまま兵舎に向かったことから、歩哨所を離れた時から既に犯行におよぶ意図を持っていた可能性もある。

 陸軍関係者は「警戒勤務中であるべきキム一兵がどのように勤務を抜け出し、内務班に行くことができたのかはまだ分かっていない」と話した。

チャン・イルヒョン記者 ihjang@chosun.com

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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