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【スポーツ】フィギュアでも「日本つぶし」 ルール改正で真央大ピンチ2008年3月28日 紙面から
フィギュアスケート世界女王の浅田真央(17)=愛知・中京大中京高=に、「ルール改正」という難敵が立ちはだかる。6月の国際スケート連盟(ISU)総会で、浅田真に不利に働くジャンプのルール改正が提案される可能性が高いことが27日、分かった。国内スケート関係者が明らかにした。アクセルを除く5種類の3回転ジャンプを跳び分けると、ボーナス得点が加算されるなどの案が予想される。日本人が勝ち続ける現状にストップを掛けようという意図がみえる。 先の世界選手権(イエーテボリ)で日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア強化部長(46)が「この先、ジャンプについて新しいルールができるかもしれない」と示唆していた。噂(うわさ)される新ルールのターゲットは、ほかでもない世界女王・浅田真になる。 試合でアクセル以外の5種類の3回転ジャンプの跳び分けに成功すればボーナス得点を導入という“仰天プラン”。これが本決まりとなれば、戦い方は大きく変わる。浅田真の来季のジャンプ構成に影響は必至だ。後ろ向きで跳ぶジャンプは難易度が高い順にルッツ、フリップ、ループ、サルコー、トーループの5種類。浅田真は、安藤美姫が得意で知られるサルコーは試合で用いない。ほかの難易度が高いジャンプの方が比較的得意で、これまではプログラムに組み込む必要性がなかったからだ。 だが、ルールが変われば話は別。トップ選手は当然ボーナスを狙う。浅田真も実戦投入の試しがほとんどない3回転サルコーを跳ばないとボーナスを得られず、トリプルアクセル(3回転半)で付けていたライバルとの差が埋まってしまう恐れがある。 特定のジャンプに偏らず、すべての種類のジャンプを正確に跳び分けられる選手は評価されるべきだ−との考えかもしれないが、まるで浅田真の“盲点”を探したルール改正が検討されているようにも映る。 06年トリノ五輪で荒川静香が金メダル、翌07、08年の世界選手権で安藤、浅田真が世界女王に輝くなど、日本人が3年続けて世界一を独占している現状に「フィギュアはもともと欧米のスポーツ。このまま黙っていないということでしょう」と関係者。“日本つぶし”と受け取る見方も少なくない。 シーズンごとに細部の見直しが図られるルールだが、今季はルッツとフリップジャンプのエッジの踏み切りが厳格化。浅田真のルッツは毎試合のように減点に悩まされた。最後は減点覚悟の強行突破で世界女王になったが、さらに来季は厳しいハードルを科されることになる。 現状で世界選手権銅のキム・ヨナ(韓国)や、来季シニアデビューの長洲未来(米国)らに有利に働きそうな新ルール。6月のISU総会で通れば、決定となる。ライバルはもちろん、ルールという目には見えない新たな敵とも、世界女王・浅田真は戦うことになりそうだ。
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