大田原市教委が市立中学で使う歴史と公民の教科書に「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーが執筆した扶桑社刊の教科書を採択したのは違法として、市民ら94人が市教委などを相手取り、違憲違法確認や採択の取り消しなどを求めた訴訟で、宇都宮地裁(福島節男裁判長)は25日、原告側の訴えのほとんどを却下した。
福島裁判長は「原告と被告の間で、具体的な権利義務ないし法律の存否に関する紛争が存在するとは言えない」と述べた上で「訴えは不適法」とした。
訴えていたのは、市民グループ代表ら県内14人、県外38人、韓国人など42人。「歴史認識を誤った教科書を大田原市教委が採択したことは、憲法や子どもの権利条約などに違反する」と主張、違憲違法の確認などを求めた。【山下俊輔】
毎日新聞 2008年3月27日 地方版