2008年03月25日

父と魔王

 先日の「新文化」取材の日に、サンマーク社はかなりの部数を持ってきてくれた。
 著者である私へはともかく、株式会社タカギズムのスタッフにも、それぞれ下さったそうだ。
 担当の桑島嬢から素晴らしい花束をいただいたことも、書いた。
 ありがたいことである。
 で、その翌日、武蔵野の我が家に平べったい段ボールが届いた。
 著者宛の見本(とはいえ、本物の初版)が収まっていた。
 契約に関わることなので、部数までは言うまい。

 さて、これを送りたい。
 誰に?
 いくつも送り先が、思い浮かぶ。

 最初に宛名を書いたのは、父だった。
 リタイアしてからは読書が趣味と知っている。
 そして何と、父が私を私立大学に通わせてくれていた時、父は今の私と同じ年齢だったのである。
 今思うと、公務員の父の方が、今の私よりずっと安定していたわけだが!
 それにしても若い。
 20歳の不良文学部生と、42歳の父(公安警察の幹部!)。
 しばしば出張で東京へ来ては、うまいメシを食わせてくれ、別れ際には財布の中の現金を全部くれたものである。
 ミニマムで3万円、マキシマムで7万円だったか……思えば、本当に大金だ。

 次に宛名を書いたのが、魔王こと、前職の社長であり今もお世話になっている高橋昭憲社長である。

 薄く堅牢なプラスチックの袋に納め、メンディングテープで止め、封筒に入れる。
 それぞれ拙い手紙を書いてみたのだが、郵便局の窓口で、
「書籍で送りたいから、封をせずに持ってきたのですが」
「ありがとうございます。確認しました」
「ちなみに、手紙を入れたら、書籍小包ではなくなるの?」
「ええ、そうなんです。もっとも、内容物の説明程度のものでしたらば」
 内容物の説明の紙一枚だったのだが、JPのせいにして、悪筆の手紙を抜き取った。
 で、封をして、出した。

 気になる、リ・アクション──。

 昨夜、父から電話があり……
「最後まで全部読んだよ。俺の感想は……敏光、おまえ、文章がうまいと思った」
「ありがとう」

 一方、ボス・魔王からはメール。
東京から戻ってきました。
 机の上に貴君の「本」が有りました。
 おめでとう。
 貴君の何度目かの新人賞選考のとき、
 あの低脳、石原慎太郎の、意味不明な酷評に、
 思わず激怒したことを思い出しました。
 拝読の前ですが、まずは御礼とお祝いと思い、メールをした次第。」

 これら二人の父に、まずは献本したわけである。

 さて、私にとっては少し面白い後日談があるのだが、朝風呂も溜まったようなので、また今度にしよう。
 これから、妻と娘らがやってくるのです。

posted by TAKAGISM at 11:59| Comment(0) | 仕事
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