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2008年3月28日

 能登の「とと楽」と言う。献身的な妻を得た果報な夫が能登に多いとか。能登に劣らず、嫁を選ぶなら越中の女性、とも当地では言われる。勤勉でしっかり者、しんの強い富山の女性を、松井秀喜選手が伴侶に選んだ

天才肌の動物的カンが、松井選手の身上ではない。手足の位置、腰の構え、バットの角度など、理想的なフォームを求めて打撃の調整を繰り返す。狂いのない精密機械を目指す打者である

バットも選ぶ。年に三十一本のアーチを打った愛用の品も、三十二本目を打つために手放し、理想のバットを求め続ける。それが一流のプロに課せられた宿命なのであろう。失礼ながら、恋愛についても、理想の伴侶を求めて、ファンをやきもきさせる時を歩んできたのかもしれない

勝っても負けても丁寧に取材に応じる松井選手は、気配りの人である。ひと目ぼれしたという理想の女性も「気遣いの人」。逆境の中で出会った人は、緊張の日々の中に得難い安らぎを与えるに違いない。けがから復帰した勝負の年につかんだ「とと楽」を祝福したい

北陸が生んだ「ニューヨークの花ムコ、花ヨメ」である。自慢のタネが増えた。


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