1981-2005

SPECIAL FORCES(1981)

WHO DO YOU THINK WE ARE/SEVEN & SEVEN IS/PRETTIEST COP ON THE BLOCK/DON'T TALK OLD TO ME/GENERATION LANDSLIDE '81(LIVE)/SKELETONS IN THE CLOSET/YOU WANT IT, YOU GOT IT/YOU LOOK GOOD IN RAGS/YOU'RE A MOVIE/VICIOUS RUMOURS/LOOK AT YOU OVER THERE, RIPPING THE SAWDUST FROM MY TEDDYBEAR
低迷期のアリス作品の中でも,最も良くないアルバムだ。当時のバックバンドがSPECIAL FORCESと名付けられていた。前作以上にシンプルな作風で,アリスならではのメロディはほとんど聴くことができない。「BILLION〜」収録の「GENERATION LANDSLIDE」のライブバージョンが収録されているあたり,意味不明。これじゃ低迷するよなあという哀愁漂うアルバムだが,ハイライトは1ヵ所だけある。「SEVEN&SEVEN IS」という曲で,「ンペペ,ンペペ,イエー」と連発しているんだが,これが笑える。ホントにそう歌っているわけではないが,そう聴こえてしまう。しかし,ロッカーが笑いを取ってもどうしようもないわけで,当然これも売れなかった(涙)。


ZIPPER CATCHES SKIN(1982)

ZORRO'S ASCENT/MAKE THAT MONEY(SCROOGE'S SONG)/I AM THE FUTURE/NO BALONEY HOMOSAPIENS/ADAPTABLE(ANYTHING FOR YOU)/I LIKE GIRLS/REMARKABLY INSINCERE/TAG, YOU'RE IT/I BETTER BE GOOD/I'M ALIVE(THAT WAS THE DAY MY DEAD PET RETURNED TO SAVE MY LIFE)
これは少し持ち直した感じ。それでも誉めることはできないが,このアルバムではメロディが多少良くなっている。「I AM THE FUTURE」という曲は映画で使用されているが,この曲は隠れた名曲。幻想的な雰囲気で,アリス流のメロディが久々に冴えている。その他もまずまずで,前2作で模索していたシンプルなサウンドとかつてのアリス節の融合がある程度成功している。しかし,やっぱり売れなかったようで,このアルバムは日本盤の発売が見送られている。裏ジャケットのYシャツにネクタイ姿のアリス,七三分けをしているところに哀愁が漂っている。ホント,キャラクターがおかしいよな,このころって。


DADA(1983)

DADA/ENOUGH'S ENOUGH/FORMER LEE WARMER/NO MAN'S LAND/ DYSLEXIA/SCARLET AND SHEBA/I LOVE AMERICA/FRESH BLOOD/PASS THE GUN AROUND
にっちもさっちも行かなくなったであろうアリスだが,ここで原点回帰。70年代半ばのシアトリカル路線に戻ったのだ。プロデューサーも久々にボブ・エズリンを起用,土俵際アリスの気合いが込められている。1曲目がタイトルトラックなんだが,赤ん坊の声で「ダダ・・・」と繰り返されるあたり,アリスならではのアイデアが功を奏している感じ。俺はこのアルバムが好きなんだが,当時のファンは好きじゃなかったようで,これも売れなかった。内容は良いのに売れない。アリスもさすがに人々が自分に何を望んでいるのか悟ったに違いない。しかしこの後,アリスは3年間の休養,というかセミリタイア状態に陥ってしまう。B級ホラー映画に出演したり,クイズ番組に出演していた。多分,世間の人は「まだいたんだ,この人。昔は人気あったのにね(笑)」というスタンスでアリスを見ていたんだと思う。しかし,アリスは死んじゃいなかった。唯一無二のキャラクターを蘇生させる機会を虎視眈々と狙っていたのだ。


CONSTRICTOR(1986)

TEENAGE FRANKENSTEIN/GIVE IT UP/THRILL MY GORILLA/LIFE AND DEATH OF THE PARTY/SIMPLE DISOBEDIENCE/THE WORLD NEEDS GUTS/TRICK BAG/CRAWLIN'/THE GREAT AMERICAN SECCESS STORY/HE'S BACK(THE MAN BEHIND THE MASK)
アリス復活!3年の時を経て,遂に表舞台に戻ってきた。バック陣にケイン・ロバーツらを起用し,へヴィだが,キャッチーなメロディを持った曲をプレイしている。単にアルバムを出したというならどうってことはない。しかし,ここでアリスは自己のキャラクターを最大限にアピールする手法を取る。「13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた」に「HE'S BACK(THE MAN BEHIND THE MASK)」を提供,ジェイソンと自身の復活を重ね合わせる演出により,音楽,キャラクターが一体となったアリスの世界を提示してみせたのだ。ジャケットも久しぶりに衝撃的なデザイン。チャート上では大きな成功を収めてはいないが,ツアーが大成功。70年代に匹敵する演出に加えて,今までにない攻撃的なアリスがステージ上で大暴れ!この時の映像は「THE NIGHTMARE RETURNS」というライブビデオに残っている。これは必見。ギロチンも大蛇も復活しているし,舞台上で何人も殺しているんだから!


RAISE YOUR FIST AND YELL(1987)

FREEDOM/LOCK ME UP/GIVE THE RADIO BACK/STEP ON YOU/NOT THAT KIND OF LOVE/PRINCE OF DARKNESS/TIME TO KILL/CHOP, CHOP, CHOP/GAIL/ROSES ON WHITE LACE
前作の成功の余韻を引き継ぐアルバム。前作以上にメタリックな作品。ドスの効いた声で「お前を踏み潰す」と歌う「STEP ON YOU」,アリス自身を歌ったような「PRINCE OF DARKNESS」,「悪夢へようこそ」当時を想起させる「GAIL」,アメリカで吹き荒れていたHEAVY METALに対する弾圧へのアリスからの回答のような「FREEDOM」等,素晴らしい楽曲が満載。同一線上の作品だけにどうしてもインパクトが落ちるが,むしろアリスの歌唱自体はこっちの方が優れていると思う。MCA時代の2作品は現在ではあまり評価されないが,後の「BRUTAL PLANET」につながっているという気がする。チャート上では奮わず,アリスは70年代を超える成功を目指し,次作で思い切った行動に出る。


TRASH(1989)

POISON/SPARK IN THE DARK/HOUSE OF FIRE/WHY TRUST YOU/ONLY MY HEART TALKIN'/BED OF NAILS/THIS MANIACS' IN LOVE WITH YOU/TRASH/HELL IS LIVING WITHOUT YOU/I'M YOUR GUN/COLD ETHYL(LIVE)/BALLAD OF DWIGHT FRY(LIVE)
この時期,アリスを尊敬する新進アーティストが多数現れていた。皆,子供の頃にアリスを聴いて育った面々で,ミュージシャンズ・ミュージシャンとしての評価が一気に上がっていた。そして,一般のリスナー層にもアリス・クーパーの魅力を伝える時が来た。BON JOVIらを成功に導いたデスモンド・チャイルドをプロデューサーに起用し,ハードポップな音をこの作品で提示したのだ。80年代のロック史を代表するこのアルバムは全米20位の大ヒット,シングル「POISON」は全米7位まで上昇した。他にはエアロスミスのスティーブン・タイラーとデュエットしたバラード「ONLY MY HEART TALKIN'」は絶品。ここまでのチャート上での成功は本当に久しぶりのことだった。この作品,アリスの歴史の中では特異な位置を占めると思われているようだが,そうではない。ポップな面は昔からあったわけで,アリスが持つ様々な側面の1つを強調したに過ぎない。アルバムタイトルは「ゴミ」という意味だが,アリスらしい皮肉たっぷりなタイトルで大好き。初心者はここから入るといいと思う。


HEY STOOPID(1991)

HEY STOOPID/LOVE'S A LOADED GUN/SNAKEBITE/BURNING OUR BED/DANGEROUS TONIGHT/MIGHT AS WELL BE ON MARS/FEED MY FRANKENSTEIN/HURRICANE YEARS/LITTLE BY LITTLE/DIE FOR YOU/DIRTY DREAMS/WIND-UP TOY/IT RAINED ALL NIGHT
前作も多数のゲストが参加していたが,ここでもそれと同等かそれ以上の豪華さで,タイトルトラックでは,オジー・オズボーン,スラッシュが参加している。実は,最初の構想では他にアクセル・ローズ,ロブ・ハルフォード,セバスチャン・バックにもコーラスを取ってもらうことになっていたが,それは実現していない。他にもMOTLEY CRUEの面々,スティーブ・ヴァイらが参加している。前作の流れを汲んだポップな楽曲が目白押しだが,曲間をSEでつなげたりするなど,アリスらしい部分がうれしい。このアルバムはチャート上では前作ほどには奮わなかったが(全米47位,全英4位),「FEED MY FRANKENSTEIN」が映画「ウエインズ・ワールド」で使用されて,ライブの定番となる人気曲になった。映画自体にもアリスは出演している。超大物としての風格,余裕が漂うアルバム。これも初心者にお勧め。


THE LAST TEMPTATION(1994)

SIDESHOW/NOTHING'S FREE/LOST IN AMERICA/BAD PLACE ALONE/YOU'RE MY TEMPTATION/STOLEN PRAYER/UNHOLY WAR/LULLABY/IT'S ME/CLEANSED BY FIRE
3年ぶりに発表された作品。前2作のポップで,豪華ゲストを使うという路線からは撤退している。これは二ール・ゲイマン原作のコミックとのパッケージで売り出された。そして,久々のコンセプト作。曲間をSEでつなげたりしているわけではないので,音からはコンセプト作という感じは受けない。むしろ,シンプルなロックアルバムだ。久々にシアトリカルな曲も収録されていて,70年代と復活以降のアリスがうまく融合した作品になっている。SOUNDGARDENのクリス・コーネルと競演したバラード「STOLEN PRAYER」はヒットするという感じではないが,独特な哀感が漂う名曲だ。そして,アリス演じるショウマンに誘惑されるのがスティーブン少年。そう,「悪夢へようこそ」の主人公のスティーブンだ。20年の時を経て蘇るという劇的な展開に当時の俺は感動したものだ。本当にこういう演出がうまい人だと思う。しかし,レコード会社との契約が終わったせいで十分なプロモーションをしてもらえなかったそうで,本人も不満に思っているらしい。全米チャートでは,68位に終わっているが,全英チャートでは6位まで上昇した。


A FISTFUL OF ALICE(1997)

SCHOOL'S OUT/UNDER MY WHEELS/I'M EIGHTEEN/DESPERADO/LOST IN AMERICA/TEENAGE LAMENT '74/I NEVER CRY/POISON/BED OF NAILS/CLONES(WE'RE ALL)/NO MORE MR. NICE GUY/BILLION DOLLAR BABIES/WELCOME TO MY NIGHTMARE/ONLY WOMEN BLEED/FEED MY FRANKENSTEIN/ELECTED/IS ANYONE HOME?
20年ぶりのライブアルバム。これはサミー・ヘイガー所有のクラブで収録したライブで,サミー本人,スラッシュ,ロブ・ゾンビが参加している。この時の映像は「PRIME CUTS」DVDの特典映像として,少し観ることができる。あえて小さな会場を選んで,ライブの臨場感を出すことを狙ったそうだが,見事成功している。映像なしならこれで正解だろう。ホントにリアルなサウンドだ。選曲もほとんど文句なし。グレイテストヒッツな内容だが,マニアックな曲もやっているあたり,コアなファンのことを大切にしていることが伝わってくる。アリスの歌唱も年輪を重ねた味がにじみ出ていてよし。ラストにはスタジオ録音の新曲が1曲収録されている。インターネットをテーマにした曲で,常に時代の流れを視野に入れているアリスらしい佳曲。個人的にはジャケットが大好きだ。これを買うなら絶対に日本盤。3曲のボーナストラックが入っているから。


BRUTAL PLANET(2000)

BRUTAL PLANET/WICKED YOUNG MAN/SANCTUARY/BLOW ME A KISS/EAT SOME MORE/PICK UP THE BONES/PESSI-MYSTIC/GIMME/IT'S THE LITTLE THINGS/TAKE IT LIKE A WOMAN/COLD MACHINES/CAN'T SLEEP, CLOWNS WILL EAT ME
スタジオアルバムとしては実に6年ぶりとなる作品。50歳を超えたアリスだが,老け込むどころかこれまでで最もヘヴィなアルバムを作った。時代の流れを取り入れるのは十八番だが,これに関しては何でいまさら?という感じがしてならない。やるならもっと前でしょ?いい曲が多いんだから,普通のアレンジでやってもよかったのではないか。「TAKE IT LIKE A WOMAN」というバラードは絶品。「ONLY WOMEN BLEED」のパート2というか,オマージュソング的な名曲だ。まあ,この音像のせいでファンの間では賛否両論だが,アリスはツアーを開始。復帰当時を超えるアグレッシブなパフォーマンスを展開している。そして,その模様を収録した「BRUTALLY LIVE」というライブビデオを発表。ここで聴くと新曲もいいなあ。諸手を挙げて絶賛することはできないが,この歳でこんなアルバムを作るということはすごいことだ。アリス先生に対し,敬礼!


DRAGONTOWN(2001)

TRIGGERMAN/DEEPER/DRAGONTOWN/SEX, DEATH AND MONEY/FANTASY MAN/SOMEWHERE IN THE JUNGLE/DISGRACELAND/SISTER SARA/EVERY WOMAN HAS A NAME/I JUST WANNA BE GOD/IT'S MUCH TOO LATE/THE SENTINEL
「BRUTAL PLANET」アルバムの続編とされる作品だ。残虐な惑星(BRUTAL PLANET)の中の最もひどい街(DRAGONTOWN)を描いたというコンセプト(らしい)。しかも,実は「THE LAST TEMPTATION」アルバムとも連動しているらしいが,本当なんだろうか?基本的にこの手のモダンな音像になれたということが大きいとは思うが,一聴した印象が非常に良い。前作は音だけではなく,曲までモダンなものが多かったが,この作品では曲によっては70年代的なものもある。もちろん全部がそうではないが,いかにもアリスって感じの曲が多い。前作は肩に力が入りすぎている面があったが,今回は自然体って感じ。例えるなら,前作は「TRASH」アルバム,今回は「HEY STOOPID」アルバムといったところ。新路線に入り,ちょっとやりすぎな感もある1作目から,2作目で過去の姿と理想的な融合がなされたと思う。感動的なバラード「EVERY WOMAN HAS A NAME」,ロカビリー風の「DISGRACELAND」,へヴィな「I JUST WANNA BE GOD」等々,素晴らしい楽曲が満載されており,これは本当に傑作だと思う。ちなみに一部で騒がれた(笑)ラップだが,まあ,やってるとは
言えないだろう。


THE EYES OF ALICE COOPER
(2003)

WHAT DO YOU WANT FROM ME?/BETWEEN HIGH SCHOOL & OLD SCHOOL/MAN OF THE YEAR/NOVOCAINE/BYE BYE , BABY/BE WITH YOU A WHILE/DETROIT CITY/SPIRITS REBELLIOUS/THIS HOUSE IS HAUNTED/LOVE SHOLD NEVER FEEL LIKE THIS/THE SONG THAT DIDN'T RHYME/I'M SO ANGRY/BACKYARD BRAWL
前2作とは路線が変わり,70年代を思わせる雰囲気の作品だ。これがまた素晴らしい。素晴らしいなんて控えめなくらいで,俺の見たところ,ここ25年くらいの中で最も優れたアルバムだと思う。前作も良かったが,これと比較すると見劣りしてしまうくらいだ。とにかく,楽曲が素晴らしい。そして,演奏に勢いがある。ガッツ溢れる「THE LAST TEMPTATION」アルバムというか,バンド時代の作品を現代風にした感じ。そんなアリスの意図は,裏ジャケに現れていると思う。バンドメンバーと並んで写っているのだ。「バンド」という形態を重要視しているようで,1曲目にもそれは現れている。他のメンバーに普通に歌わせている(って程でもないが)部分もあるんだから!3曲目はちょっと変わった雰囲気で,パンク?って感じもする。皮肉な歌詞がいい。「NOVOCAINE」は某転がる石バンドの「DON'T STOP」という曲に酷似しているような気もするが,気にしなくてもいい。5曲目もいいし,ずっといいな。「THIS HOUSE IS HAUNTED」は注目の1曲だ。「MARY ANN」「GAIL」と同系列の怪しい曲で,これを待っていたんだ。そして,アルバムのハイライトは「LOVE SHOULD NEVER FEEL LIKE THIS」だ!これは「TRASH」アルバムに入っていてもおかしくない感じのポップな曲。ラスト2曲はへヴィだし,とにかく,バラエティに富んでいて,全く飽きることなく最後まで聴ける。試しにアリスを聴きたいという人に心の底から自信を持ってお勧めできる。


DIRTY DIAMONDS
(2005)

WOMAN OF MASS DISTRACTION/PERFECT/YOU MAKE ME WANNA/DIRTY DIAMONDS/THE SAGA OF JESSE JANE/SUNSET BABIES(ALL GOT RABIES)/PRETTY BALLERINA/RUND DOWN THE DEVIL/STEAL THAT CAR/SIX HOURS/YOUR OWN WORST ENEMY/ZOMBIE DANCE/STAND(BONUS TRACK)
前作の路線を踏襲した作品。ここ20年近く,アリスは同じ路線のアルバムを2作続けているので,この作風は当然予想されたところだ。UK盤が先に発売され,USA盤はデジパック仕様。しかも,UK盤にはなかった写真(ダイアモンドが敷き詰められている写真)がディスクを収める面に使用されている。肝心の内容だが,やっぱり素晴らしい。素晴らしいんだが,前作と比較すると若干地味な印象を受ける。楽曲も演奏もアリスの歌唱も素晴らしいんだが,飛び抜けた曲がないような感じがする。この中に2曲くらい(前作のLOVE SHOULD NEVER FEEL LIKE THIS「」や「NOVOCANE」や「DETROIT CITY」クラスの)ずば抜けた曲があれば最高だったんだけど。前作が「BILLION DOLLAR BABIES」アルバム,「MUSCLE OF LOVE」アルバムを思わせるとすると,今作は「LOVE IT TO DEATH」アルバム,「KILLER」アルバムを思わせるといったところか。更に時代を遡っているのだ。もちろん,単純に過去を焼き直しただけに留まらない。「THE SAGA OF JESSE JANE」は「悪夢へようこそ」アルバムに入っていそうだし,「DIRTY DIAMONDS」の間奏は「GUTTER CAT VS. THE JETS」を思わせるし,そういえば,「SCHOOL'S OUT」アルバムの匂いも漂っている作品だ。地味な感は否めないが,アリスの実力や魅力,底力は十分に発揮された作品だ。前作が傑作なら,今作は力作といった程度の違いだ。