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米大統領 中国にじわり圧力 (1/2ページ)

2008.3.27 18:12
このニュースのトピックス北京五輪

 【ワシントン=山本秀也】チベット仏教僧のデモに対する中国当局の弾圧に対し、ブッシュ米大統領は26日、騒乱の発生以来、初めて中国の胡錦濤国家主席と直接電話で意見を交わした。ブッシュ大統領は、かつてチベット統治のトップも務めた胡主席に対し、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との「実質的な対話」を迫る一方、北京五輪のボイコット問題にはあえて踏み込まないことで、逆にじわりと圧力をかける姿勢を示した。

 チベット騒乱を受けて、米政府は中国への接触レベルを大使・次官級から外相級と順次引き上げ、ようやく首脳級の協議に踏み込んだ。米国内でのブッシュ政権に対する弱腰批判や、中国側が依然、軍・治安部隊による鎮圧方針を崩さないことを踏まえてのものだ。

 ペリーノ米大統領報道官によると、ブッシュ大統領は、(1)チベット情勢への懸念表明(2)ダライ・ラマと中国首脳の実質的な会談要請(3)外交官、報道関係者によるチベット訪問の許可要請−を中国側に伝えた。

 中国側によれば、胡主席は一連の騒乱を「明らかな犯罪活動」と非難し、警備当局の対応をあくまで正当化した。米側の求めるダライ・ラマとの直接対話については、「祖国分裂活動の停止」「チベット独立主張の完全な放棄」などに加え、「北京五輪を破壊する活動の扇動停止」を新たに条件とした。

 北京五輪について米政府は「政治とスポーツは別」として、ブッシュ大統領の視察訪中の計画を崩さず、こうした機会を通じて中国側に「さまざまな問題への懸念」を伝えるとしている。開会式のボイコットに言及したフランスのサルコジ大統領と対照的に、慎重な外交対応によって中国に、じわじわと圧力をかける方針に徹している。

 中国側が北京五輪の妨害に懸念を示したことも、裏を返せば五輪の成否が胡錦濤政権にとり、きわめて重大な政治問題となっていることの証左だ。態度を留保するほど、米側の五輪カードは重みを増す。

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