« いけるか、バイオマスビジネス | トップページ

2008年3月22日 (土)

円高は日本企業にとって、本当に逆風なのか?

昨今の経済誌の話題といえば円高。
17日には一時、95円台まで跳ね上がって、輸出企業のみなさんも戦々恐々です。

しかし、主要輸出企業にとって、今回の円高が本当に逆風なのか?
大局的に見た場合、少々疑問があります。

というのも、今回の円高はドル安が原因。
ということは、対ドル相場が上がっているのは円だけではありません。

そして、日本の主要な輸出産業はクルマ、エレクトロニクス、鉄鋼などですが、ほとんどのものはハイエンド商品であります。

それで、ハイエンド商品の競合といえば、ほとんどの場合、ヨーロッパ企業であります。

さて、円はドルに対して約30%上がってますが、ユーロは80%も上がっています。

つまり、日本企業は競合するヨーロッパ企業に対しては、今回のドル安では有利になっている、と言えます。

また、ボリューム・ゾーンの商品について言えば、日本のライバルは主に東アジアです。(韓国、台湾、中国)

ユーロほどではないですが、たとえば韓国ウォンは数年前に較べて20%くらい上がっています。
つまり、東アジアのライバル国と較べて、日本が特別、不利な状況になっているわけでもありません。

細かく見れば、韓国ウォンだって三月に入ってウォン高に振れてますし、ハイエンド商品の競合という意味では、北米の大型SUVの分野では米メーカーはまだまだ強いですから、この分野ではドル安は日本企業にとっては不利です。

しかし、日本企業の主戦場では、為替は日本有利に動いているとも言えますから、輸出型メーカーの経営者は、
「この円高を利用して、わが社は世界で勝つ!!」
というような、威勢の良いメッセージを発信して欲しいと思います。

どんな状況でも日本企業は勝つ!!
そんなメッセージを出し続けているほうが、社員もやる気になるし、知恵を出そうかという気にもなるし、長期的には日本経済も成長すると思いますよ。(竹井)

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/224259/40596142

この記事へのトラックバック一覧です: 円高は日本企業にとって、本当に逆風なのか?:

コメント

コメントを書く