円高は日本企業にとって、本当に逆風なのか?
昨今の経済誌の話題といえば円高。
17日には一時、95円台まで跳ね上がって、輸出企業のみなさんも戦々恐々です。
しかし、主要輸出企業にとって、今回の円高が本当に逆風なのか?
大局的に見た場合、少々疑問があります。
というのも、今回の円高はドル安が原因。
ということは、対ドル相場が上がっているのは円だけではありません。
そして、日本の主要な輸出産業はクルマ、エレクトロニクス、鉄鋼などですが、ほとんどのものはハイエンド商品であります。
それで、ハイエンド商品の競合といえば、ほとんどの場合、ヨーロッパ企業であります。
さて、円はドルに対して約30%上がってますが、ユーロは80%も上がっています。
つまり、日本企業は競合するヨーロッパ企業に対しては、今回のドル安では有利になっている、と言えます。
また、ボリューム・ゾーンの商品について言えば、日本のライバルは主に東アジアです。(韓国、台湾、中国)
ユーロほどではないですが、たとえば韓国ウォンは数年前に較べて20%くらい上がっています。
つまり、東アジアのライバル国と較べて、日本が特別、不利な状況になっているわけでもありません。
細かく見れば、韓国ウォンだって三月に入ってウォン高に振れてますし、ハイエンド商品の競合という意味では、北米の大型SUVの分野では米メーカーはまだまだ強いですから、この分野ではドル安は日本企業にとっては不利です。
しかし、日本企業の主戦場では、為替は日本有利に動いているとも言えますから、輸出型メーカーの経営者は、
「この円高を利用して、わが社は世界で勝つ!!」
というような、威勢の良いメッセージを発信して欲しいと思います。
どんな状況でも日本企業は勝つ!!
そんなメッセージを出し続けているほうが、社員もやる気になるし、知恵を出そうかという気にもなるし、長期的には日本経済も成長すると思いますよ。(竹井)
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