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携帯電話で世界最多の17言語に翻訳 サービス開始へ

2008年03月27日23時22分

 国際電気通信基礎技術研究所(ATR=京都府精華町)は27日、携帯電話の画面に日本文か英文を入力すると、17カ国語の文章に自動翻訳するシステムを開発し、31日から一般向けのサービスを正式に始めると発表した。ATRによると、電子翻訳としては世界最多言語。ネットに接続できる携帯電話ならどれでも利用可能で、利用料金は無料だが、1年後に有償化の予定。

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携帯電話画面に17カ国語の翻訳文を一度に出すこともできる=ATR提供

 ATRは、単語ごとに意味を記録し、外国語に置き換える従来型の方法を採らず、文章同士を比較してデータベースのなかからもっとも近いものを選び出す「コーパスベース翻訳」という手法を採った。1言語当たり、平均6、7個の単語からなる約20万の同内容の短文のデータベースをつくった。100以上の特許を申請、取得している。旅行会話用としてTOEICで600〜700点台の能力があるという。

 携帯画面で多言語翻訳システムのサイトに接続し、日本語か英語で文章を入力すると、ATRのサーバーが、数秒のうちに17カ国語の翻訳文を携帯に送り返してくる。その文章を日本語にさらに翻訳させることで翻訳文の精度も確かめられる。

 日本語から翻訳できる言語は以下の通り。英、独、デンマーク、オランダ、仏、イタリア、スペイン、ポルトガル、ブラジル、中国、韓国、ロシア、アラビア、インドネシア、マレー、タイ、ベトナム。

 ATRは、言語自動翻訳システムの開発に20年にわたって取り組んできた。音声から音声への翻訳システムもめざす。

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