【北京26日傍示文昭】米政府系放送局「ラジオ自由アジア」(電子版)は26日、チベット自治区ラサに端を発した一連の暴動で、中国当局が尋問や拘束のため各家庭から1人を連行したり、密告を奨励したりしてチベット人に対する締め付けを強化していると報じた。亡命チベット人らが現地から得た情報として伝えた。

 同放送局によると、四川省アバ・チベット族チャン族自治州のアバ県で当局は、チベット人一家庭当たり平均1人を連行。写真を見せ、写っている人物の身元を問いただしているほか、地元住民に対し、抗議行動の参加者に関する情報を提供すれば、第1通報者に上限なしの報奨金、第2通報者には5000元(約7万1500円)を与えるなどと呼び掛けているという。

 チベット自治区ラサ近郊でも同様に各家庭から1人が連行されているほか、住民らは「外部と電話などで接触すれば深刻な結果を招くことになる」などと当局から脅されているという。

 同放送局はまた、四川省カンゼ・チベット族自治州色達県で20日、チベット人の抗議参加者2人が武装警察部隊に撃たれて死亡、8人が重傷を負ったと報じた。

=2008/03/27付 西日本新聞朝刊=